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枕の下に 希望の上に(3)

白黒の枕

雨後のフリーズ

奏でてみせて

あの終わりの歌は

晴れる為なの

腫れる為なの

廻る灯りが

水玉模様の理由




横から突き刺した

汗塗れの手で

縦から引き裂いた

粉塗れの手で

木の香りの先に

竹の匂いの後に

シンナーの空気が

防腐剤と飛ぶ




赤茶色の液体が

纏わり付いて

全てを

飛び越えて行く

種は撒かれた

芽は出るだろう

その世界は

誰にも止められない

誰にも制御できない

酩酊する

世界は酩酊する

緑の涙




雨後のフローズン

唇は紫

寒さの中で

季節に倣う

暑いからじゃない

厚いからなんだ

対象との

優しい思い出として




右から時間を壊した

二度と取り戻せない

左から明日を壊した

今日を取り戻せない

カチカチと秒針の先に

ピチャピチャと水滴の後に

人間の空気が

扇風機の風で飛び散る




青緑色の粉末が

隙間に入って

身体を

巻き込んで行く

木は切られた

切り株に座るだろう

その世界は

誰にも操れない

誰にも分からない

昏睡する

世界は昏睡する

透明の生糸




網戸に寄る羽虫の

切ない習性は

人にも流用出来る

曖昧なソフトクリームみたいに

グルグルと廻り

隙間は

ギュウギュウに詰まり

ゾロゾロと集まり

一つの爆発で

キラキラになる

花火じゃない

液体が散らばり

太陽光に照らされた

あのキラキラになる




黄緑色の蒸気が

部屋中を侵略して

全てを

取り込んで行く

切り株に芽が出た

木になっていくだろう

その世界は

誰にも気づかれない

誰にも知られない

陶酔する

世界は陶酔する

白黒の枕



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