第四魂 魅女
俺の目の前に広がるは俺等の世界では滅多に食えないような豪華な料理の数々・・・
す・・・すごい・・・
「本当に、食べても良いんですか?」
「ダグダの宝具『大食漢』は、無限に食べ物を創り出すんじゃよ。だから、気にせず食べなさい。」
すげー!!その宝具欲しいな!!だったら、貧しい人を皆助けて上げれるのに・・・
「おいごら。今、この宝具が有ったら、貧しい人を助けれると思っただろ?」
「え、ええ。」
「残念だがそれは無理だ。前に俺もそう思ってやった事が有ったんだが・・・この料理を食った普通の人間は魔力に当たってな・・・食中りを起こした。」
うわ〜・・・河豚か何かか?この料理・・・
「安心しろ。お前は霊だから当たる事は無い。つうか、大天使四人を一度に相手して勝つ奴を人間と言って良いのかどうか・・・」
「大天使ねぇ・・・あいつ等弱過ぎ。」
「手厳しいのぉ。」
がはははと笑う閻魔。
「それより、本題に入るぞ。寛いで聞いてくれ。」
ゼウスが、コホンと空咳をして話を始める。
寛げと言われても・・・俺以外メッチャ真面目な顔してるんだけど・・・
「まず、君の妹は魅女だ。」
「巫女?あの、赤い袴を佩いて、悪霊退散!!とかやってるアレか?」
「巫女違いだ。魅惑の魅に女で『魅女』だ。」
「さすが、マイシスター。見る者全てを魅了すると言う事か。」
「違う!!こんなに疲れる霊は久々だ・・・」
ゼウスは頭を抑え大きな溜息を吐く。
「魅女とは・・・『聖魔王』の供物になる者の事だ。」
「はあああ!!!?睡蓮が殺されるってこと!?ぶっころーす!!ぶっころーーす!!サーチ・アンド・デストローイ!!」
ブチ切れる裕也。
こうなったら、もう普通の人には止められない。
「話を良く聞け!!66年に一度、6月6日に『聖魔降臨戦』が有る。『聖魔王』はその日にのみ封印が解かれ現世に現れる事ができる。サタン自身の戦闘力は、我々の初代が残した究極の封印『福音封印』により、本来の千分の一以下の為普通にやれば我々が負ける事は無い。だが・・・ここで魅女というやっかいな存在が出てくる。魅女とはサタンが初代に封印される時、永遠の輪廻を繰り返す人間を生み出したんじゃ。人間は死ぬと天界を通さないと輪廻はできないのだが・・・魅女はその決まりを無視し、自動で何度も輪廻をするややこしい者だ。」
「何で、自分で輪廻したら拙いんだ?」
「一体何所のどいつに転生したかこっちでは掴めんのだ。」
へぇ〜・・・でも次まで66年も暇があるよね?だったら問題無いのでは・・・
「おい、66年間こっちは何もしてない訳じゃないんだぞ。できないだけだ。魅女が魅女としての力が目覚めるのは66年目の主に5月5日からだ。つまりそれまでは只の人間という事で探し様が無い。」
「睡蓮はまだ中二だぞ?」
「14年前くらいに前の魅女が死んだから年的にはピッタリだ。」
成る程、魅女のシステムは理解できてきた・・・
「サタンは自分の分身である魅女に『封印』を『封印』する術式を埋めこんだんじゃよ。魅女がサタンに食らわれるとサタンは真の力を取り戻してしまう。そうならない為、我々は魅女の保護をしたり、『聖魔降臨戦』で奴に勝ち何度も封印を続けているのだ。」
「ふ〜ん・・・大変だな。がんばれ。」
抑揚の無い棒読み気味で応援する。
「えらい人事じゃな・・・で、御主に協力して欲しいんじゃが・・・御主ほど強い霊は久々に見たからな。」
「めんどい。」
世界の命運を掛けた戦いをめんどいの一言で参加拒否・・・
「その代わりと言っちゃ何じゃが、睡蓮とやらが死ぬまでは彼女の守護霊として現界に留まる事を許す。それに、天界で働いた無礼も全て揉消そう。どうじゃ悪い話じゃなかろう。」
ふむ、神様公認か確かに悪くは無い。
「分かった。手伝おう。」
「助かる。聖魔降臨戦まで後4日じゃ。それまでゆっくり天界で過ごしていてくれ。」
「すまん。所で聞いて良いか?何で、ここには色々な国の神が居るんだ?」
「それはじゃな・・・・・・・・・
閻魔は立派な髭を手で弄くりながら説明を始める。
どうやら、一番最初の聖魔降臨戦――その時は『聖魔大戦〜ロキVSオーディン〜』と呼ばれているらしい・・・って何故サブタイトルが付いてんだ!?何所の大戦略だよ!!――その時、『世界の終末』が起こされたそうで、その時の衝撃で全ての天界が一個に繋がったそうだ。
まあ、その聖魔降臨戦まで後4日も有る。
いや、4日しかと言うのが正しいのかな?
で、俺の聖魔降臨戦での役割は睡蓮に近付く下級無能な悪魔どもの駆除らしい。
下級とは言え、大天使クラスの戦闘力は保有しているそうだ。
でも俺としては、大天使クラスは十分雑魚に入るんですけど・・・
それと、神様に成ってみないかと持ちかけられました!!
どうやら、前回の聖魔降臨戦や修行等で亡くなった神々の席が空いてるそうで、本来は天使見習や英霊とかが修行を積み成る者だけど、俺の戦闘力なら問題無いそうだ。
神様社会も昇進制なのですか・・・
今空いてる神の席は、1242万7843席らしい・・・えっらい、居ませんね。
英霊達は、基本は自分自身に誇りが有る為神に成ろうとしないし、天使見習は大天使に成るのが夢らしく・・・大天使の空きを待っている状態らしい・・・つまり、早く死ねという事か・・・意外と天界も腹黒いな・・・
つまり神様の席はスカスカで、天界に現在居る神は本来存在する神の1%にも満たないらしい。
でもねぇ〜、神様に成ったからってそこまで良い事だとは思わないし。
聞いてる限り公務員みたいな仕事だし。転生ができなくなるし・・・御上の言う事は絶対だし。
天界で最も権力を持つのは、オーディン、ヤハウェ、ゼウス、アヌビス、閻魔、ダグダだそうだ。
ダグダは神ではなく英霊だが、現在の天界では最も古株らしい。その為、特例だそうだ。
なんか、神になれば神器が使えるそうだけど・・・あれだろ、俺を狙って飛んで来たアレだろ・・・人間に止められるくせに神器は無いだろ。
てな事で、俺は神に成る事は却下した。めんどいしね。
それと、現在の閻魔達もなんか7代目とかで、初代閻魔達は聖魔大戦で死んだそうです・・・ちなみに最初に死んだのはフェンリル狼に不意打ちで食われたオーディンだそうです。
それと、サタンを封印する神器は最高権力者にしか扱えないそうです。つまり、閻魔達のこと。ダグダは最高権力者だけど、英霊の為使用不可。
とまぁ・・・天界に付いて色々な事をこの三日間で勉強しましたよ。
意外と面白い。これが終わったら、睡蓮でも連れて来てやろうかな・・・
それと、友達?戦友と言った方が良いのかな。ここ三日間で色々な天使や英霊と手合わせしてみました。
今の所、32勝1敗・・・
この1敗は、閻魔が「面白そうじゃな。
ワシも混ぜてくれ。」と乱入・・・
その後、拿捕の神器『八大地獄』で固有結界に飛ばされ、ふるぼっこにあいました・・・って言うかね、滅茶苦茶炎が壁と言う壁から噴出している空間に飛ばされ、俺は炎を避けるのに精一杯なのに片や閻魔は「がははは、中々暖かいのお〜。」と炎を浴びても効いた様子も無く、ひたすら俺に突進・・・
まさにチートだ・・・プロ○クションリプレイやエクス○ーミネーターくらい卑怯だぞ。
そう言えば、某ゲームではアーサー王が金髪美女だったのだが・・・リアルは髭もじゃ親父じゃねぇかよ!!
一先ず、アーサー王に俺は逆切れし、死ぬ寸前まで痛めつけた。
当のアーサー王は「俺が何をしたんだよ!?」と叫んでいたが、一度切れた俺はもう止まらない♪
そして、王の宝具である『聖剣』と『選定の剣』を略奪(笑)・・・しかし、後で閻魔から没収された・・・
宝具や神器は一人一個とは限らないらしい。だけど、多いからと言ってそれが強い証ではないらしい。ヤハウェは一個しか神器を保有してないけど、ヤハウェの霞の神器『我一人』は反則的に強いらしい。相手の攻撃を一切無効化する自分の分身を大量に出現さえる物らしい。
神や天使とかにはあんまり成りたくないけど・・・神器や宝具欲しいかも・・・
だってかっこよくねぇ!!エクスカリバーとか、剣先から炎がぼわーー!!って勢いで噴出してんだぜ!!しかも鞘には使い手の自動回復機能付き!!俺にボコされた傷が1時間後には完全回復だぜ!!常人なら全治3ヶ月な所を・・・
とまぁ・・・俺はこの三日間を有意義に過ごし、聖魔降臨戦当日を迎えた・・・
キャラ紹介
『アーサー王』英霊の中では最も有名なこの人。当小説では一応男です。F○te好きな方済みません。作者もF○te好きです・・・特にランサーが。あれって、『雷の投擲』使ってますけど、英霊の正体は『ク・ホリン』なのでしょうか?
話がずれました・・・済みません。王の宝具『聖剣』『選定の剣』『捜し求めた理想郷』を使います。
アヴァロンは現在の予定では、固有結界の宝具にしようかなと思います。