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シス・魂  作者: naonao
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第三魂 裕也VS大天使



円卓の中央には巨大な水晶が宙に浮かび、そこには睡蓮のテスト問題を解く裕也の姿が映っている。


「ぎゃははは!!うけるな!!あの餓鬼は!!」


「ダグダよ、もう少し静かにせんか。それより・・・あの睡蓮という娘は・・・運はこちらに有るようだな・・・そろそろ、あの裕也とやらを回収するとするか・・・」


ゼウスは水晶に映る睡蓮を見て、笑みを浮かべる。


「そうですね。彼の御蔭で探す手間が省けましたね。」


アヌビスは包帯を全身に巻いてる為顔の表情は分からないが、声色からして多分笑っているだろう。


皆の目線は睡蓮に向いていた。




「ふえ〜・・・散々だったよ・・・」


「起きたら、テスト用紙に解答がギッシリ?そんな事があるわけないっすよ!!一体、どんな勉強をしたんすか!?今回のテストの平均点は34点っすよ!!私なんて0点っすよ!!正直に言うっす!!」


物凄い形相で睡蓮に接近する千佳。


「千佳ちゃん、落ち着きましょう。でも・・・私も知りたいなぁ〜。今回のテスト悪かったし。」


「だから、本当だって!!きっと優しい妖精さんがやってくれたんだよ。」


「は〜・・・妖精さんねぇ〜・・・」




妖精さんねぇ〜・・・面白いことを言うねぇ、マイシスター。

それにしても、ありがとう。千佳君に恵子君。

君達にしか出来ないんだよ、睡蓮を寂しさから紛らわせれるのは。


睡蓮達の後ろを付き従う裕也。

今日も元気に、呪・・・守護霊している。


「ねぇ、帰りどこよって帰る?」


「最近出来た駅前のアイスクリーム屋はどうっすか?」


「良いね。私トリプル行っちゃおうかな。」


「睡蓮太るよ?」


「良いの。偶にはね。」


「言い分けないだろ!!睡蓮太ったらどうするんだよ!?折角可愛いのに!!」


思わず叫ぶ裕也。

すると、睡蓮がびくっと背を震わす。


「う〜・・・悪寒が・・・」


「大丈夫っすか?」


「多分。御兄ちゃんの馬鹿・・・」


最後の言葉は本当に小さかった為誰にも聞こえなかった。


三人は、駅前のアイスクリーム屋に行き、全員がトリプルを注文し仲良く食べる。

睡蓮の顔には笑顔が有った為、それを遠くから眺めている裕也も自然と笑っていた。

しかし、その時裕也は殺気を感じ笑みを消す。

さらに不思議な事象が起きる。

先程までは人通りが多かった筈の大通りに人っ子一人居なくなったのだ。

裕也を囲む様に四つの光り輝く円が地面に描かれ、そこから天使が出てくる。


「何の様だ?」


「我等が明主達がお呼びです。天界に戻っていただきます。飽く迄抵抗なさるなら・・・手荒な真似を取らせてもらいます。」


む・・・こいつ等、天国で殴り合った奴等とは比べ物にならない気配を持っている・・・そして、何よりも翼の枚数が多い!!


裕也が戦った天使達は翼が二枚だったのに対して、今目の前に現れた天使達の翼は三対計六枚である。


「それでも断る。俺は、睡蓮の守護霊だからな。」


「はぁ〜・・・仕方有りませんねぇ〜・・・ガブリエル、ウリエル、ラファエル。力づくでも捕獲するよ!!」


「「オウ!!」」/「はい。」


ガブリエル、ラファエル、ウリエルだと!!大天使か!?

てことは・・・一番偉そうにしてるあいつはミカエルか?

だが俺は負ける訳には行かない!!


「妙技『瞬動』!!」


裕也の姿が一瞬で消えミカエルの前に現われる。


「何っ!!」


「拳技『爆』!!」


拳でミカエルの鳩尾に突きを入れる。

拳は突き刺さると同時に爆発

吹き飛びビルに突っ込むミカエル。

そして、それを脇目にせず、今度はウリエルの前に移動。


「くそっ!!大天使を舐めるなよ!!来れ『ロンギヌス』!!」


ウリエルの手には『聖なるロンギヌス』が突如具現される。

普通の人なら、相手の手に武器が突如出現したら、距離を一旦取るかもしれないが裕也は違う!!


「爆道之極・拳技『破邪爆惨』!!」


「貫けロンギヌス!!」


『拳の槍(破邪爆惨)』と『聖なるロンギヌス』が互いの意地を賭けぶつかり合う。

そして、裕也の拳に耐えきれずロンギヌスの穂先が砕ける。

さらに、拳は勢いを弱める事も無くウリエルの腹に突き刺さる。


「ぐぼおお!!」


「吹き飛びな。」


ウリエルは体をくの字に折り曲げそのまま地面に叩きつけられる。


「本当に人間か!?仕方ない、『グレイプニル』を使うぞ!!ガブリエル!!」


「うん。」


二人は裕也を挟む様に移動し、互いの掌を裕也に向ける。


「「具現されよ『美しきグレイプニル』!!」」


二人の掌から、空色に輝く見る者全てを魅了する美しい鎖が具現され、裕也目掛けて延びる。


「妙技『転身弧崩』。」


両手を伸ばし、グレイプニルが体に当たると同時に全身を回転させる。

グレイプニルは見事受け流され、そのまま直進する。


「えっ、ちょっと!!」/「待てよ!!おい!!」


そして、ガブリエルとラフェエルに絡まる。


「馬鹿め。俺を倒したければ、睡蓮くらい強い相手を連れてくるべきだな。」


確かに、この妹馬鹿には効果覿面である。


「くそ〜・・・憶えてろよ!!」


「解いてよ〜!!」


そして、裕也はその場を後にしようとした時、空から何かが降って来るのを感じた。

裕也はそれを逸早く察知し、瞬動を使い避けるが・・・何かは急な方向転換をし裕也を追尾する。


ちっ!!新手か!!しかし、何だこれは!?


瞬動を連続使用し何とか今は避けているが、瞬動の連続使用は体に物凄い負担をかける。

使えば使う程一度に移動できる距離が短くなっている。

裕也は逃げるのは不可能だと悟り、瞬動を使うのを止め何かの方を向く。


逃げ切れないなら、真っ向勝負!!


拳技『神無月』・・・


親指だけを折り曲げ、それ以外の指を伸ばし突きの形を取る。

そして、迫り来る何かに向け突き出す。


そして接触・・・


ギィィィィイイイイイインンンン!!!!


鉄か何かが擦り合う鈍い音が響く。


「ぬおおおおお!!貫けぇええ!!」


裕也は叫び更に力を加える。

次第に何かは勢いが衰え正体を現す。

一本の槍だった。


裕也が槍の攻撃を防ぎ深く息を吐くと上から笑い声が聞こえる。


「ワシの神器『百発百中グングニル』を防ぐとは見事である。」


「「オーディン様!!」」


お、オーディン・・・えっと、あの神話の主神のオーディンか?


「何の様だ?」


「手荒な真似を取って済まんな。ちょっと御主には話したい事が有ってな。御主も聞いといた方が得だぞ。御主の妹と世界全ての人と神の生死に関わる事じゃからな。」


「良かろう。話せ。」


相手が神様という事を気にも掛けない生意気ぶりである。

行き成り襲われたから仕方ないと言えば仕方ないのだが・・・


「ここでは何じゃ。天界で話そう。御馳走も用意してある。」


・・・そう言えば、俺何日飯食ってないっけ?


「分かった。ただ変な真似をした時には・・・覚悟しておけよ。」


「変な事はしない。神に誓って言おう・・・って、神はワシだったな。」


大丈夫か・・・この神様・・・


「ウリエルとミカエルの回収を頼むぞラファエル、ガブリエル。ワシは一足先に客人を天界にお届けする。」


「あの〜・・・私達、まだグレイプニルに捕縛されたままなんですけど・・・解いて戴けます?具現は出来ても、私達の神器じゃないので具現を解除できないんです。」


「そうじゃったな。」


オーディンは指をパチンと鳴らす。

すると、ラファエルとガブリエルを捕縛していた鎖がすっと消える。


「では、天界に行こうかの。」


裕也とオーディンを取り囲む様巨大な魔法陣が出現する。

そして、一条の光の柱となり空に延びる。


キャラ紹介


『ミカエル、ガブリエル、ウリエル、ラファエル』

大天使といえばこいつ等と言われるほど有名な四人。

宝具『聖なるロンギヌス』を使う。

二人以上居れば、他の神様や天使、英霊達の許可が有れば、その人物の神器や宝具を具現し行使できる。ただし、具現は出来ても具現の解消はできない。


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