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四次元の操者  作者:
3/5

操者の決意

書いたら投稿する

そんな感じで更新します

 「はーい、お前ら座れ~。10秒以内に座らない奴は退学だ」


 次元(じげん)のその言葉に文句を言いながらも、素早く座る。

 それは、次元が有言実行するとわかっているからだ。

 入学2日目にして、その時は停学だったが、それが証明された。


 「んじゃ、出席とるぞ」

 「先生!」


 声のしたほうを見ると一人の男子生徒が挙手していた。

 このクラスでは情報通と呼ばれる奴だ。

 昨日の(くう)の件か?だけどあれは結構な人数見ているので、こんあところで言うような無駄なことはしないだろう。


 「まあいい、なんだ?」

 「なんで、変装してるんですか?先生、18ですよね?」


 時が止まった。

 いや、実際に止められるが止めてはいない。

 そう表現されるほど俺の頭が考えるのを放棄したのだ。


 「どういう意味だ?」


 そう、絞り出すように言う。

 そう、それがばれてしまっては、今まで与えてきた大人の威厳がなくなる。

 教師が2つほどしか歳の変わらない少年だった日には、なめられることになるだろう。

 まあ、教育しますけど。

 昔は体罰がどうのとかうるさいが、現在のkの操者が跋扈する世界でそんなことは言ってられない。

 暴走や、混乱して周囲や自らが危ない場合はこれを武力をもって鎮圧する。

 そういう時代なのだ。

 むしろ、躊躇すれば下手すると自分の命にもかかわるのだから。


 「いや、昨日配られた教師のプロフィールに歳載ってましたし、去年卒業した人の中に居たってのは確認取れてますから」


 あ、そういうことか。

 プリントは生徒たちへの配布物で興味がなく読んでいなかった。

 確か作ったのは、学園長だったはずだ。

 しかも、そのプリントを見せてもらうと、そこには変装前の俺の写真だった。


 「ふふ、ふふふ、ふははは!あんのクソババァーーーーー!!!」


 俺の叫びと、落雷の音が重なる。


 「上等だ!いつもはめんどくさいからと抵抗しなかったが、それもここまでだ。その喧嘩買ってやるよ」


 そう言って、空間転移を使い学園長室へと一瞬で転移する。

 しかし、大体いつもいるはずなのに今日に限ってはいない。

 そして、机には一枚の紙がおかれている。

 そこには、学園長からの伝言が書かれていた。

 次元はついそれを握りつぶす。

 その紙にはこう書いてあった。


 『旅行行ってきます♡探さないでね』




 「あ、先生帰ってきた」

 「授業始めるぞ」

 「あ、これ虫の居所が悪い奴だ。みんな、警戒レベル3だ」

 「えーと、操者の歴史だったか」


 そこから、淡々と説明していく。


 「操者の元となったのは魔女や魔法使いと言われる奴らだ。奴らは、自分で覚醒した操者たちだ。例を挙げると、箒に跨り空を飛ぶ魔女だな。こいつはとても強力な箒の操者だといわれている。まあ、こいつらの力を研究した奴がいてな、ついに見つけたわけだ。そしたら、それは万人に備わっている能力だということも分かった。そこから苦節50年ほどで、人工的に覚醒させることが可能となった。そして、現在の子供は5歳の誕生日に覚醒させられることとなっている。質問は?」

 「ざっくり過ぎです」

 「挙手してねー」

 「……はい」


 一人の女子生徒が挙手する。

 このクラスのクラス委員長だ。名前は深百合(みゆり)雷華(らいか)。雷の操者だ。雷といえば、あの(・・)天海(あまみ)裁子(さいこ)も雷を操っているように見えるがあいつは雷の操者じゃない。

 あいつは、天罰の操者だ。別に雷じゃなくてもいいのだ。


 「どうぞ」

 「もっと詳しくお願いします。ざっくりしすぎです」

 「いや、これ小さいころからしてる人多いでしょ。わざわざ貴重な時間を使ってやることじゃないよ。それに、今言ったこと覚えておけば問題ない。その間の法律改正とか些細な問題だから」

 「いや、法律改正は些細じゃないでしょ」

 「おい、猫屋。二度も同じこと言わせるなよー」

 「すいません」

 「うし、他に質問ないな。余った時間は自習だ。ほかの勉強でもいいぞ」


 皆違う教科のノートやら何やらだし、宿題や自主を始めた。

 次元も、昨夜はあまり眠れなかったのでこれから睡眠をとる気だ。

 なぜ昨日寝れなかったかは、あの女教師のことをすっかり忘れていたからだ。

 そのせいで、少々面倒なことになったのだ。


 「先生……」


 よく聞いた声だ。

 顔を上げると、やはり(はざま)(くう)がいた。

 昨日のあれでもまだ懲りてなかったらしい。


 「はあ……、どうした?」

 「同じ空間の操者として助言が欲しくて」

 「だ、か、ら、俺は四次元の操者なの。空間とか、ちっぽけなものに例えないでくれる?」

 「うぅ、すいません。でも、空間操れますよね?」

 「まあ、できるけど」

 「どうしても、必要なんです」


 昨日は言葉を聞いてすぐにあきれて見えなかったが、今こいつの顔を見て気づいた。

 その顔は、自分の為とかではない。誰かの為にといった顔だ。

 そして、硬い決意も見て取れる。どうやら、少し見くびっていたようだ。


 「昨日はすまんな」

 「へ?いえ、別に気にしてません」

 「えっ?もしかしてMな方……?」

 「ち、違いますよ!!」

 「悪い悪い、少し待て考えるから」

 「あ、わかりました。また昨日と同じく放課後でいいので、お願いします」

 「ああ」


 少し考える、あいつにどうやって教えるか。

 いや、答えはある。ほかの人に危害が行かない安全な場所で、長い時間修練することだ。今は振り回されている力を制御できれば、できるようにはなるだろう。

 昨日実際に空間ポケットを見せ、触らせた。

 理解はできているのだ。操者は自分の認識の元操っている。

 つまり、理解できないものはいくら空間の操者でも空間を触ることはできない。


 「はあ、久しぶりにやるか」


 そう、時空の生成を。

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