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四次元の操者  作者:
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四次元の操者

適当に思いついたので書いた

後悔は……していない

してないんだから~

ということで、ほかにも書いた小説あるんで、これ読んで気になる方読んでみてください

感想などいただけたら、めっちゃ喜びます

 ここ金銀(コンゴン)学園で一人の男と少女が向かい合っていた。


 「いいか?」

 「は、はい」

 「そう緊張するな」

 「ふえぇ~」

 「ほれ、触ってみろ」

 「し、失礼します!」

 「わかるだろ?」

 「は、はいっ。とても大きいです」

 「やるぞ」

 「……はい。自身ないですけど、頑張ります!」


 少女が両手を前に出して、壁が切り取られたように丸く、無くなった。


 「また失敗したな」

 「はい……」

 「諦めろ。お前には空間ポケットは使えないんだ。お前は空間の操者だが、空間を切り取るのに特化している。空間を作る空間ポケットとは真逆の力だからな」

 「諦めない!私には空間ポケットを覚えなきゃいけないの」

 「はあ、いつも聞いてるがそりゃなんだよ?こっちもこのままお前のよくわからん夢に付き合うつもりはないぞ」

 「うぅ、わかった」

 「おい、俺は教師だぞ。いつも言うが敬語を使え。留年させるぞ」

 「なっ!?職権乱用です!」

 「はあ、お前の留年とかはどうでもいい。それで?」

 「どうでもよくないんですけど……。はあ、いいですか。よく聞いてください。私が空間ポケットを覚える理由は―」

 「理由は?」

 「安売りの日に食材を買い込むためです」

 「じゃあな」

 「いやーーー!待って!待ってくださーい!!」


 叫んで足に縋り付いてくる、落ちこぼれの生徒―(はざま)(くう)を引き釣りながら歩く男。

 いまだに学園内は自習、部活、友達や恋人とのおしゃべりなどで残っている生徒も多く、一様に少女を引きずりながら、普通に歩く男を見つめる。

 男は男で、それがわかっていながらも気にした雰囲気もない。

 そして、職員室へとついてしまった。

 少女は未だに男の足から離れておらず引きずられている。


 「あのー、次元先生?」

 「はい?なんでしょうか」

 「その子」


 そう言って、女教師が指さしたのは(くう)だ。

 男―次元四郎は一つため息をはいて、空の頭に触れる。


 「しぇんしぇー」


 顔は涙でドロドロ、来ている服(まあ制服だが)はモップ代わりにされたため、ごみがあちこちに付いてボロボロ、いつもは綺麗な長い黒髪は振り回されてボサボサ。

 まあ、ひどいありさまだった。


 「何があったんだ、間さん」


 職員室にいた全員がこう思っただろう。

 お前がやったんだろと。

 しかし、(くう)はやっと話しかけてもらえてうれしいのか一瞬で笑顔になった。


 「せ、先生!わ、わたし―」


 「ああ、わかっている。それ以上は言わなくてもいい」


 「は、はい。ありが――」


 少女はその言葉を残して、職員室から消えた。


 「ちょ、ちょっと、次元先生!?」

 「あー……、心配ご無用です。ちゃんと家へと送り(・・)ましたから」

 「いや、そうことじゃなくて……」

 「いつものことですよ」

 「えー……」


 女教師もこれ以上言っても無駄だと思ったのか、それ以上は追及してこなかった。

 その静かになった職員室に一人の女が入ってきた。

 キャリアウーマンといった感じの、ピシッとしたスーツを着た女だ。

 背は170程で、茶髪のショート。目は鋭い。


 「あ、学園長。いいところに」

 「どうしたのかね?」

 「次元先生なのですが、やはり適任ではないかと。先ほども生徒の少女を引きづって歩き、そのまま家に転送してました」

 「それは本当かな?次元四郎」

 「ん?まあな」

 「お前は昔からやりすぎだ」

 「いや、お前ほどじゃねーよ」


 一瞬光が放たれ、次元の頭上に雷が降る。

 むろん落としたのは、この学園の長である目の前にいる女だ。


 「はあ、いつもいつも人に雷落としやがって。死んだらどうする」

 「何回落としても死んでないくせによく言うよ」

 「そんなんだからこの間の合コンも失敗するんだよ」

 「……なぜそれを知っている」

 「そこにいる女教師が話しているのを聞いた」


 俺のさっきのことをこの学園の学園長である天海(あまみ)裁子(さいこ)に言った、女教師を指さして、そう言う。

 これは事実だ。昨日の昼休みに、同僚の女教師と話しているのが聞こえたのだ。

 まあ、あっちも告げ口をしたのだから、こちらもこれくらいいいだろう。というのが、次元の論だ。昔、西のほうでそんなことを言ったやつがいた気がする。


 『歯には歯を、目には目を』だったか。

 要するに、この女は俺のことを学園長に言った。

 だから、俺もこの女のことを学園長に言ったのだ。


 「焔先生、話は後程」

 「………」

 「ゆっくりとしましょう」

 「ひっ!?」


 焔と呼ばれた女教師は、あまりの恐怖に気絶してしまったようだ。

 水たまりができていたが仕方ないので別の空間(・・・・)へと転送し、女教師もここで放置もあれなので、移動させる。

 こいつの家は知らないので、自分の家にだ。

 家にいる奴が、どうにかしてくれるだろう。


 「あら?優しいのね。ああ、それは一先ず置いておくとして、何をやったの?」

 「いや、生徒の一人を引きずって歩いただけだが?」


 次元はそれに至った経緯は全く話さず、そうとだけ言う。

 別に言い訳をしたくないとかではなく、唯々長々一から話すのは面倒だという理由からだ。


 「はあ……、間さんかしら?」

 「おー、よくわかったな」

 「最近見てあげてるんでしょ?」


 学園長のその言葉に、また教師たちが驚く。

 そして、次元へといろいろな視線を向けてくる。

 多いのは称賛、次に畏敬だ。

 理由は簡単だ。(くう)は危ない。空間を切り取るのだから。しかもそれが制御できない。

 自分も危ないし、他の誰かも危ない。

 人がそれでけがをしたら責を負うのは、空もだが監督していた教師はもっと重いからだ。


 「ついでに言っておくわ。実演質の壁消えちゃったから」

 「給料から引いておきますので、ご心配なく」

 「いや、そりゃないでしょ。こっちは、生徒に教えていてなったんだから、経費で落とせよ」

 「………この1ヶ月で8回、常習犯にはばつが必要でしょ?」

 「ちっ、わかったよ。後で直しておく」

 「できるならやりなさいよ」

 「時間戻すのは疲れるの」

 「あなたの非常識さは異常ね」

 「よく言われるよ」


 そう言って、職員室を出る。

 向かうは、先ほどの教室だ。


 俺、次元四郎はこの世界ではいろいろできる。

 先ほど言った、『時間を戻す』こと。その前の女教師や、(くう)にやった『空間転移』、裁子(さいこ)の雷を防いだ『空間壁』。

 操者というのは、何かを一つだけ(・・・・)操れるのだ。

 時間の操者なら、時間を戻すことも不可能ではないだろう。

 (くう)のように空間の操者なら、空間転移や空間壁もできるだろう。

 しかし、この二つともをできるのは次元くらいだろう。


 それに、操者にも特性がある。

 (くう)が空間の操者だが、『空間を切り取る』ということに特化しているのがその例だろう。

 空間転移は空間を繋げる、空間壁は空間ポケットと同様、空間を作る。

 どれかに特化していれば、ほかを覚えるのは難しいといわれているのだ。

 できなくはないが、できても特化している者より数段落ちるといった具合だ。


 そんな空間転移では人程の重量や体積のものは転移できないし、空間壁で裁子(さいこ)の落雷を防ぐのも無理だろう。

 では、なぜできるのか。

 それは――――




 次元四郎の操るものが『四次元』だからだ。

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