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ルーツ  作者: Lotus
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丹後の京極氏

 尼子氏の話を持ち出してこの丹後地方と出雲地方を結びつけるというのは特別な事でも何でもない。最初から繋がっているからだ。戦国の名立たる大名は殆どが鎌倉、室町時代にはすでに実力者の家系であって、勢力範囲も大きい上に更なる家系を生み出していく。本家があればその周りに分家、そのまたまわりに分家の分家といった具合に広範囲に広がっていく。尼子氏で言えば近江源氏佐佐木氏の一族である京極氏は若狭や丹後の国主であり、出雲の守護でもあった。尼子を名乗った佐佐木高久の子が出雲の守護代になって、さらにその孫、尼子経久が戦国大名となる。

 これらの事は今の時代になり、調べれば専門家でなくてもすぐに知る事が出来るのだが、そこまで詳しく知らない私は益々勝手な妄想を募らせる。京極という名は子供の私も聞き及んでいた。うちのご近所である宮津市と今は京丹後市となっている峰山町は、宮津藩、峰山藩と呼ばれて城跡も残っているからだ。どちらも京極氏が治めていた。ちなみに宮津市は日本三景の一つ、天橋立(あまのはしだて)がある街だ。写真を見れば思い出す人も多いと思うが、実際は地元の人間がガッカリするほど知名度が芳しくない。宮島、松島、そして天橋立といつも三番目にくるのも納得がいかない。『一番不思議だろ! あの地形!』などといつも思ってしまう。本当に余談であったが……。

 テレビ等で時代物といえば大抵、戦国か江戸時代が舞台だ。『他の時代はそんなに面白くないのか?』と突っ込みたくもなるが、おそらくそうではなくて戦国時代が他よりずば抜けて面白いという事だろう。織田信長や豊臣秀吉、徳川家康にその他の大大名はとにかく人気の高いキャラクターで、その部下達も知名度は抜群だ。そんな中に京極氏もある。

『なんかかっこいい』姓、京極。京都の『京』があって、それでいて北部の若狭や丹後の国主でもある。説明するのは難しいが、例えればもの凄いビッグスター(?)が別荘を近所に作って頻繁にやって来て、『ここは最高だ!』と言う。お隣さんの私は鼻高々だ――といった具合だ。なんとかニュアンスにバリエーションを持たせて想像してもらえるとありがたい。

 ただの田舎じゃない。この辺はそうじゃないんだ、という田舎者の私の幼い自尊心。『おかしいだろ』という突込みが聞こえてくるようだが、おかしいので今書いている、とも言える。可笑しく、楽しい妄想なのである。

 私の先祖が大昔からこの京丹後市で生活していたのならば、京極家の治めるここの領民だっただろう。京極のお殿様とか呼んでいたかも知れない。ここからまた不思議が子供の私の中に生まれて来るのだ。

 私の家系は少なくとも江戸後期まではこの丹後には居なかった。我が家の先祖は中国地方の西部に居たのだ。私の父方の祖母は、『尼子』姓である。

 


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