雪
-あなたは雪を見たことがある?-
そんな質問をされたのはいつだっただろう。長い髪の女の子、今はもういない。
時々浮かぶこの問いかけ、思い出す度苦しくなる。
ーー
ジリリリ…
ガンッ
「…痛い」
私の頭に目覚ましがダイブしてきた。
何だろ夢を見てた気がするのに内容を全然覚えてない。まぁいっか、そろそろ朝ご飯の時間だ。
「おはようお母さん。」
「おはよう希美朝ご飯食べましょう?」
2人だけの朝食、父は単身赴任中。なかなか平和な1日のはじまりだと思う。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
今日もいつもとかわらない日常が始まると思ってた。