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その頃誉搭載機たちは?+おまけ

 誉搭載機の本命は、キ84と彩雲である。


 キ84の中島は、中島機専用になってしまったといえる誉発動機の安定生産に躍起だった。品質が安定しない。誉は三式双発戦闘機天雷二二型に誉一一型が実用機として初めて採用されている。誉一一型の出力なら問題なかった。ただ、出力向上型の二一型になると問題が出てきた。現在、外部からの応援も求めて対策の真っ最中。中島や海軍としては誉二一型が本命で中島のキ84も誉二一型の予定性能を基に計画している。二一型が安定しないと他の採用機種も稼働率や性能が安定しないことになってしまう。

 そんな誉だが産軍が学に応援を請いなんとか出力や信頼性、生産の安定化にこぎ着けた。


 それが誉二一型で昭和十八年四月に


離昇出力     2000馬力

1速公称出力   1880馬力/1900メートル

2速公称出力   1670馬力/6100メートル


 の性能を発揮した。


 陸海軍は直ちに中島に量産を開始するよう命令を出す。出すが、すぐにとはいかない。 

 生産体制を整え徐々に増えていき、昭和十八年十二月には月産400基に増加した。だが現状でも不足しており更に増産することになっている。当面の目標は月産1000基。

 これは栄の中島社内生産を中止して外部委託したのが効いている。この頃栄装備機は、九七艦攻・隼・二式複戦・九九双軽だけであり、量が出る隼はキ84にライン明け渡しが決定しており、生産量も低下している。問題なかった。隼も全量が外部委託生産となる予定だ。

 

 採用機は出力向上と信頼性向上と生産の安定により、性能を発揮しつつあった。


陸軍

キ84


疾風一型甲  中島

全幅      11.3メートル 

全長      10メートル

全高       3.4メートル

自重       2.7トン

発動機      

ハ45-21

離昇出力    2000馬力

1速公称出力  1880馬力/1900メートル

2速公称出力  1670馬力/6100メートル

最高速度    631km/h/6000メートル

航続距離    1400キロ 増槽2本使用時2500キロ   

上昇力     5000メートルまで5分

武装

機銃 

機首      ホ-103 2丁

          装弾数各350発

主翼      ホ-5   左右各1丁

          装弾数各150発

爆弾      左右主翼下に30kg~250kgまで各1発  


 生産開始は量産試作機が昭和十八年十月から、量産機が昭和十九年一月から始まっている。 




 彩雲は一番の問題である発動機問題が解決したので、以降は割とスムーズに開発が進行した。

 最終的に338ノットを記録し制式化されたのが彩雲一一型。


海軍

C6N1

艦上偵察機 彩雲一一型


全幅      12.5メートル 

全長      11.2メートル

全高       4メートル

自重       2.9トン

発動機      

誉二一型 (ハ45-21)

離昇出力    2000馬力

1速公称出力  1880馬力/1900メートル

2速公称出力  1670馬力/6100メートル

最高速度    330ノット/6000メートル

航続距離    1600海里 

        専用大容量増槽使用時2860海里


 誉搭載機はいいだろう。順調のようだ。

 では十六試局戦は?



 ズバリ、グダグダから始まる。何しろ事前協議もない急な発注なのだ。十四試局戦中止の補償らしいが、設計陣はたまったものではない。エースは入院し(原因は海軍)さあどうしようから始まった。


「十四試局戦の発動機だけ換える…のか?」

「無理だろう。ただでさえ前が重いんだ。これ以上重く出来ないだろうな」

「四気筒分重いな」

「どうする」

「この際、前例に倣うか」

「前例とは?」

「そうだ。こんなデカい前例はないぞ」

「運動性能優秀でもってなる戦闘機があるだろ。ウチに」

「艦戦か」

「まさか、あいつに載せ替えるのか」

「さすがに無理があるのでやりません」

「じゃあどうするんだ」

「基本的な線図を利用してハ42に合わせる」

「拡大か」

「そう、それ。主翼形状は高速型に少しいじってだな」

「層流翼というのが話題になっているな。高速向きだとか」

「だが、特性が解明されたわけでは無いぞ。危険では無いか」


 それからいろいろな翼形状を作っては風洞実験を繰り返す日々だった。大まかな機体形状は太い十二試艦戦と決まった。だから少しでも高速で抵抗の少ない翼形状を求めた。


「また剥離した」

「抵抗は極小だったのに。少しでも仰角を取ると気流が剥離する」

「上げ舵で失速か。危険すぎる。こいつは無しだな」


 帝大の航研にも協力を仰ぎ、次々と試験は繰り返される。

 結局、層流翼形状は主翼中央部に使い外翼部分は通常の翼型とし失速対策とした。平面形は直線テーパーで有る。

 だが翼単体では良くても、胴体と組み合わせると胴体と主翼接合部後部で激しい乱流が発生している。これではまともに飛べないかも知れない。通常の大きさだったフィレットが段々大きくなってくる。ようやく乱流を押さえることが出来たフィレットは巨大だった。乱流は押さえられたが抵抗値はかなり大きくなりそうだった。

 

「このフィレットは無いな」

「見た目も良くないしな」

「どうするかな」

「そうだ。中翼配置ならフィレットはいらないな?」

「いらん訳では無いが小さく出来るな。しかし、今更機体構成の変更は」

「そんな大規模じゃあ無い」

「どうする気だ」

「発動機中心線を栄や金星と同じにする」

「「??」」

「今の機体は低翼配置でナセル下部と胴体下部が連続している。栄や金星と同じ中心線にすれば火星は栄より太いから、太い分胴体が主翼下に出ることになる」

「それで?」

「主翼から上は艦戦と同じ造りにして、はみ出た部分は整流カバーを付ける」

「それなら大規模な変更は無いな」

「中翼に近い低翼か。それならフィレットを小さく出来るかも知れないな」

「「「やってみよう」」」


 胴体下面の整流カバーの形状はいろいろ試した結果、発動機覆いに合わせた三日月型では無く、将来的に各種装備の艤装が楽な下側がほぼ平面で上が拡がる台形みたいな形状になった。

 これによりフィレットは無いのでは無いかと思うくらいの小ささになった。主翼上面と胴体の接合部で空気圧縮が起きないように小さな形になった。胴体側面の乱流は無視できるくらいに小さくなり、総合的な抵抗値も小さくなっている。工数は大きなフィレットと変わらないので良しとした。工作の面倒さは大きなフィレットよりもかなりマシだ。


 胴体の形状変更で再設計された外図を基に模型を製作。風洞実験を行うが、やはり抵抗値が大きく速度が出そうに無い。主翼の幅を減らすことにした。設計が面倒なので取り敢えず角形に整形した。

 翼幅を艦戦と同じ12メートルから1メートル減らし11メートルとした。

 計算上はハ42-11で340ノットは出る。高空性能は、はっきり言って分からない。

 モックアップを造り木型審査を行った。



「なんだこれは、太い艦戦か?」

「その通りです。あの機体が良いので参考にしています」

「流用では無いのか?」

「(ドキ)いえ、違います。風防こそ時間が無いのでそのまま使いましたが、機体下面の処理や翼断面は違っています」

「そうか。確かに独自性は有るな」

「ありがとうございます」


 なんとか審査を通過し、昭和十八年三月に初飛行。出てくる問題を解決や回避先送りにして制式化されたのが昭和十八年十一月だった。


雷電一一型 

全幅     10.8メートル

全長     9.95メートル

全高     3.85メートル

自重     3.15トン

全備重量   4.2トン

発動機        

ハ42-33

離昇出力   2100馬力

一速公称出力 1950馬力/高度2500メートル

二速公称出力 1750馬力/高度7000メートル

最高速度   335ノット/高度6500メートル

上昇力    高度6000メートルまで6分55秒

航続距離   800海里

       300リットル増槽装備時+300海里 

武装

九九式二号四型20ミリ機銃4丁 装弾数各200発 


ハ42-33は全開高度を上げ高空性能向上を図った。


エンジン基数は予備エンジンも含むので機体数の何割か増しになります。

零戦の線図を使って・・・

前に書いたやつの焼き直しと言うかそのまんまです。ごめんなさい。


次回更新 8月8日 05:00

後1話しか書いていません。連続投稿途切れるかも。

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