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流星、南へ

タイトルに意味はありません。ただ書きたかっただけ。北へ飛ばすなど畏れ多い。


 流星は愛知が次期艦爆として受注していた十六試艦爆のこと。雷爆兼用の欲張った機体である。海軍が構想を練っていた頃は誉搭載の予定だったが開発の遅れと馬力不足が懸念され、丁度その頃制式化したハ42の採用となった。

 めでたく昭和十九年二月に初飛行を迎えていた。

 そんな流星だが、当初は混乱していた。海軍の要求が異様に高かったのだ。



 魚雷1本または爆弾2トンを搭載し300ノットで飛行出来ること。

 戦闘機に対抗出来ること。

 戦闘行動半径は機体内燃料のみで500海里を望む。


 海軍が誉で構想を練っていた頃はこんなに酷くなかったという。

 それが担当官が変わった途端に


 魚雷1本または爆弾2トンを搭載し250ノットで飛行出来ること。

 主翼に20ミリ機銃左右各1丁装備のこと。

 戦闘行動半径は機体内燃料のみで400海里を望む。


 前担当官はどこ行ったんでしょうか。今度の担当官は普通の方のようです。これならなんとかなる。

 しかし、今度の担当官は実用向きにはうるさかった。


「逆ガル翼で爆弾は胴体内ですか?胴体内にに爆弾を取り付けたり、魚雷を取り付ける際に整備員がかなり無理な態勢になりますね。事故を誘発しかねないので出来れば九七艦攻並みの隙間が欲しいですね」


 彗星で・・


「彗星は爆弾倉周りはすっきりしていますね。中翼配置ですよ」

「主脚の強度と長さですか。それは問題です。なるほど、逆ガル翼の採用はそれが原因ですか。主脚周りが重くなってもいいので強化しましょう。方法はお任せします」


 お任せされても手段が少ないんですよ。伸縮させるしかないんですが、彗星で問題出ていますし重量的に不安しかないのです。


「少し時間が掛かりそうですが」


 あるんですか。


「2段伸縮方式を油圧機器メーカーとも相談しましたが、十六試の重量と着陸速度だとかなり複雑で重くなり故障も増えるだろう。と言われてしまいました」


 どうしますか。


「彗星のような配置では出来ませんか。主脚も1段伸縮なら問題は余り出ないだろうとのことなので」


 ありがとうございます。逆ガル翼は?


「生産が面倒そうですね。高性能のためどうしてもと言うなら機体全体で徹底的に生産性を追求してください。具体的には工数の削減です」


 逆ガル翼でやります。


「では頼みます」




 あの担当官は話のわかる人だったが、生産性や整備性にはどえりゃー厳しい人だったなにゃ@遠い目


「なに黄昏れてんだがや」

「担当官がえりゃー厳しかったニャー」

「そうだったがや…」

「おみゃーらどした」

「・・・こういうことだがや」

「まあええがや。おかげさんで工数がどえりゃー減って整備性も良くなったがや」

「あのできゃー機体で彗星と工数が変わらんとか冗談だと思えたニャー」

「工数=部品点数とも言えるぎゃ。資材管理の方は喜んでいるぞな」

「そらそうだがや」

「工場でも作りやすいと評判だぎゃ」


 新型射爆照準器の完成を待って昭和十九年十月制式化。

 新型射爆照準器は光像式でジャイロと昇降計からの信号で照準環とレクチルの補正をするという機能が付いていた。


流星改


全幅      14.5メートル 格納時8.3メートル

全長      11.5メートル

全高       4.1メートル

自重       4.2トン

発動機      

ハ42-22型

離昇出力     2100馬力

1速公称出力   195馬力/2000メートル

2速公称出力   1750馬力/5700メートル


最高速度    311ノット/5400メートル

航続距離    980海里  

        300リットル増槽装備時+230海里

        両翼下増槽2本装備時+440海里

上昇力     6000メートルまで9分30秒

武装

機銃 主翼   九九式二号三型20ミリ機銃 2丁

          装弾数各100発

   後上方  13ミリ旋回機銃 1丁

     

魚雷      航空魚雷 1本 胴体下

爆弾      胴体内に二五番、五十番、八十番いずれかを1発

        左右主翼下に三番または六番を各4発計8発

              二十五番または五十番を各1発計2発

        合計最大2トンまで搭載可能。

        両翼下に増槽2本可能 

        増槽と爆弾は並列装備可能

        

運用可能空母は、大鳳・翔鶴・瑞鶴のみ。

機内燃料満載+1トン半以上搭載した場合は発艦不可。

発艦促進装置の実用化を望む。

現在46センチ砲弾を改造した百四十番の開発中。




 九九双軽や九九式襲撃機の急速な陳腐化に悩む陸軍が目を付け四式襲撃機蛟竜として採用。専用の主翼は用意されていない。折り畳み機構はヒンジなどが除かれボルトなどでがっちりと固定されていた。機体下面の防弾処理などで重くなり性能は若干低下している。


 艦上機としての対艦戦の経験は無く、もっぱら東南アジアで陸上基地からの戦闘しか経験していない。これはマリアナ沖海戦以降、大鳳・翔鶴・瑞鶴の大型正規空母が参加する海戦が発生していないためだった。

 百四十番は開発されたが、数回使用されたのみだった。

 流星は蛟竜を含めて1413機が生産された。



地域言語指導は勘弁を。

次回更新 多分 8月30日 05:00 予定

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― 新着の感想 ―
ここにも亡き御大の影w
三菱や愛知に大打撃与えた地震は無かったのか。
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