マリアナ沖海戦 終わりよければ全てよし
終わったのはマリアナ沖海戦で物語はもう少し続きます。
大和、武蔵、信濃の46センチ砲が3隻27門斉射を初めて実戦で行ったのは距離3万。敵艦隊はさぞや度肝を抜かれたことだろう。
上空は小型空母から飛び立った戦闘機と爆撃機が援護に来ている戦闘機隊と死の舞踊を踊っている。
敵艦隊が守られねばいけない船団の速力は12ノット強。おそらく必死で絞り出しているであろうが、絶望的に遅かった。
また、壁になるには旧式戦艦8隻の壁は薄かった。敵水雷戦隊が船団護衛を中止して雷撃をせんと二手に分かれて突撃してくる。速度差が大きい。30ノットを超える巡洋艦・駆逐艦と20ノット程度の駆逐艦に分かれていた。
第一戦隊は大和、武蔵、信濃だけで来たのではない。当然艦隊で追ってきた。
第一機動艦隊から抜けるだけ抜いてきた。第二艦隊は当然含まれいる。
第一戦隊 大和 武蔵 信濃
第四戦隊 妙高 那智 羽黒 足柄
第七戦隊 最上 熊野
第八戦隊 利根 筑摩
第十戦隊 北上 大井 島風
第一水雷戦隊 三隈 臨時旗艦
第四駆逐隊 嵐 荻風 舞風
第八駆逐隊 朝潮 大潮 大潮 満潮
第十九駆逐隊 霰 涼波 玉波
第三十一駆逐隊 長波 巻波 大波
第二水雷戦隊 矢矧
第九駆逐隊 朝雲 峰雲 荒潮
第一〇駆逐隊 秋雲 夕雲 巻雲 早波
第十五駆逐隊 黒潮 親潮 早潮 夏潮
第十六駆逐隊 初風 雪風 天津風 時津風
四戦隊以下の各艦で敵水雷戦隊を相手取っている。こちらは激戦となっている。
結局旧式戦艦8隻では一戦隊の敵ではなく、1時間ほどで戦闘力を喪失した。
巡洋艦以下の戦いは、ほぼ互角と言えた。完全に負けと決まったような状況で凄まじい戦いをしたのだった。
船団に追いついた大和から降伏勧告が出された。船団はこれを受け入れ降伏した。
ここにマリアナ沖海戦は終了する。
トラック沖に続いてマリアナ沖と、あまりの損害にアメリカ海軍が機動部隊再建を果たせるかどうか、日本国内で議論されることになる。これは戦争終結に向けて重要な案件であり真剣な話し合いがされた。
日本側損害
喪失
空母 赤城 蒼龍 準鷹
重巡 那智 足柄 三隈
軽巡 川内 北上
駆逐艦 朝雲 夕雲 巻波 天津風 嵐 満潮
涼月
大破
重巡 最上
軽巡 阿賀野
駆逐艦 荻風 清波 電
中破
空母 加賀 翔鶴 千歳
戦艦 武蔵 信濃
重巡 妙高 利根
駆逐艦 黒潮 綾波 狭霧 初月
小破 多数
航空機喪失 基地航空隊所属機を含む。
戦闘機 366機
雷爆撃機 493機
偵察機 52機
未帰還機の他、地上撃破された機体や格納庫内で破壊され修理不能な機体、空母と運命を共にした機体も入る。
二機艦所属艦の損害は53.3任務部隊からの攻撃で発生した。
53.3任務部隊は空母2隻、巡洋艦1隻、駆逐艦3隻の損害を出したもののマーシャルまで遁走出来た。
アメリカ海軍
沈没 たくさん
損傷 たくさん
機体 たくさん
残存空母 モンテレー カボット サン・ジャント
「どうするのだ」
「どうすると言われましても」
「誰の責任だ」
「規則を破って作戦案を出した人物と許可をした人物でしょうな」
「君、私が悪いとでも言うのかね」
「ナイフ少将でしたら昨夜、謎の暴漢に襲われたとか」
「なんだと?」
「何故それで済ましたというか、殴られただけのようです。たいしたことはありません」
「なんだと。何故たいしたことがないなどと」
「もう海軍内にあなたの味方はいません。もちろん遠縁のナイフ少将の味方もね」
「なんだと!う…」
「どうしました。プレジデント」
「a…」
「!!プレジデントが倒れた。医師だ急げ」
二日後、副大統領が大統領代行を務めるとホワイトハウスから発表があった。
次回更新 8月26日 05:00 予定