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マリアナ沖海戦                                   強運将の下に不運兵無し           

強将の下に弱兵無し by 蘇 軾 (そ しょく)


強運将の下でどんな幸運が待ち構えているのか。


前話の後書きで機数の修正をしています。

トラックに300機程度。マリアナ諸島全域で700機程度。

トラックとマリアナで300機から400機。←各島にするのを忘れました。


 元帥のカンが最大級の危機とする、アメリカ艦隊のマリアナ強襲。正面からがっぷり四つでは勝てるわけもなく、どうしようかと頭を悩ませる大勢の日本陸海軍人。




 階級差があるサイパン島駐留部隊の陸軍参謀と陸軍参謀の会話。


「現状、サイパン島の要塞化がほぼ完了しております。後は人員ですが、これも十分な兵力を投入出来ております」

「どこまで敵勢力を減らすことが出来るかだな。海軍さんは撃退は無理と言っている」

「資料によると海軍さんは前回よりも強力になっていますな」

「敵はそれ以上だそうだ」

「ですが戦艦は2隻しかいないのでしょう」

「今回は「戦艦同士の撃ち合いは無いと見ている」と言うぞ」

「気合いが足りんのです」

「海軍さんは「純粋な数で勝負にならない」と言っているのだ」

「大和魂が無いのですか。海軍は」

「自分も言ったが「敵も強い意志を持っている。こちらに負けていない。陸軍さんもグアムで知っているはずだ」と言われたよ。恥をかいた」

「自分は知りませんな」


 後日、この「自分は知りませんな」発言の参謀はサイパン島部隊から外され大陸の最前線に回された。



「弾薬搬入終わりました」

「ご苦労。危険な任務で疲れただろう。そこに間宮の羊羹が有る。皆で分けろ」

「「「「ありがとうございます」」」」


 海軍は扶桑と山城から降ろした36センチ連装砲塔7基の内4基をサイパン島要塞の砲台とすることに成功した。巧みに偽装されめったなことでな暴露しないだろうはず。

 山城が昭和十九年一月の演習中に四番砲塔で暴発事故を起こし危ないところだった事件がある。この時に四番砲塔を降ろしたのだが、第三機動艦隊に所属して防空担当艦になるには対空火力が貧弱すぎた。第三機動艦隊の他の艦も貧弱なので扶桑と山城を防空火力担当にしようと、三番砲塔と四番砲塔を降ろし対空火器を積めるだけ積んだ。副砲も全て降ろし砲郭は対空兵装でゴテゴテしている。扶桑と山城は花魁道中とも後に呼ばれることとなる。工事終了が昭和十九年八月であった。

 

 マリアナ防備の柱は、もちろん要塞ではなく航空隊だ。要塞は最終防衛線でしかない。

 海軍は艦隊が自力で勝てそうに無いのでサイパン航空隊を頼りにしている。

 サイパン航空隊はサイパンだけではなくマリアナ全体の航空隊の俗称だ。グアム、テニアン、サイパンとそれぞれ固有名がある。

 現状では海軍独自にグアムに2個航空隊。テニアンに3個航空隊。サイパンに4個航空隊が展開している。内訳は戦闘4個。攻撃2個。哨戒偵察2個だった。

 テニアン島にはグアム占領以降に飛行場を開設。コンクリート舗装がされている。後にサイパン島飛行場もコンクリート舗装にされた。開設後から開戦後しばらくはグラスランウェイだった。本土でも田舎の飛行場は土を固めただけの飛行場が多い中、貴重な舗装飛行場であった。航空機の高速化で離着陸も高速になりつつある今、滑走路の舗装は急務であるともいえた。

 陸軍は全て戦闘機でテニアンに2個、サイパンに2個展開した。司令部偵察機は各航空隊付属となっている。

 総数で戦闘機420機、雷爆撃機120機、哨戒偵察機90機という集約度。

 哨戒偵察機のうち、一〇〇式司令部偵察機四型が38機、二式大艇が8機、彩雲12機、連山二二型32機。連山はいざとなれば雷爆装で攻撃隊に転じる用意はある。あるが、トラック沖海空戦で連山の損害が銀河と天雷に較べかなり高く艦隊攻撃に使うのは通常避けるという運用指針が示されている。

 通常は他の偵察哨戒用機体同様、敵機来襲時には空中退避が基本となっていた。 


 陸軍はマリアナ防衛のために派遣した戦闘機140機を全て疾風で揃えている。一〇〇式司令部偵察機四型も含めて発動機はハ45であり、整備の負担を減らしていた。従来配備されていた隼は全部内地に引き揚げた。

 海軍は多彩だった。零戦四三型、強風二二型と三三型、烈風一一型、天雷二二型、銀河一一型、連山二二型、天山、彗星、一〇〇式司令部偵察機四型、彩雲、二式大艇と一線級の機体全てであった。母艦搭乗員もある程度の人数がおり、母艦への補充も考えられていた。

 小笠原に50機ほど待機している他、本土にも多数の予備機が有り事あれば島伝いに飛んでくる予定になっている。

 


「軍令部総長かい。俺のカンが絶対勝つと言っている」

『元帥は全くもって強運ですな。分けていただきたい』

大戦おおいくさはこれが最後だといいが。面倒は頼む」

『人に押しつけるのも得意ですな』 

「なに。回顧録か自叙伝か知らないが書くことが増えていいではないか」

『出版すれば大儲け出来そうですよ』

「儲けたら席でも設けてほしいものだ」

『美味い酒になりそうもないので』

「まあそうだな」



 アメリカ艦隊が攻撃圏に到達したのは、昭和十九年十二月十五日。

 決戦迫る。



ニューギニアやソロモンで消耗していないので。ニューギニア西部とインドネシア方面は専守防衛態勢。史実よりも日本全体に余力はあります。特に海軍。陸軍も海軍が引きこもりになったのでモレスビー攻略は無し。引きこもりの原因は、比叡と霧島の喪失。インド方面は停滞。大陸はB-29の大陸拠点攻略は戦闘機の性能向上が凄まじく防空で凌ぐ方向になり中止。大陸は国共合作を崩そうと努力をしている現状。

アメリカ海軍はトラック沖で一気に消耗。


次回更新 8月23日 05:00  出来るといいな。

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