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中部太平洋                                心情は理性の知らないところの、それ自身の道理を持っている。

ご都合主義全開でございます。

心情は理性の知らないところの、それ自身の道理を持っている。byパスカル

そして結果として、どうしてこうなった?となる。てきとうーな個人的解釈。

本文も最初に書いたこうなってこうなるが大分違っちゃって。どうしてこう書いた?

「どこに落ちるかな」

「照準もしておりません」

「まあいいか。驚くだろう。次を撃つぞ艦長。次は6門だ。そうだ武蔵にも撃たせるるか。さっきの一発でうるさいからな」

「はっ、砲術。一番砲塔二番砲塔6門斉射。照準は任せる。時間を掛けるな。牽制だ。当てる必要はない」

『砲術了解』

「武蔵、了解と返信あり」










「迎撃機、敵編隊と接触。ゼロとケイトとヴァル。だそうです」

「空母からか。敵に先手を取られているな」

「サイパン方面より接近する機影多数。推定80から100」

「トラック島方面より接近する機影多数。推定100」

「新たな編隊。最初の敵編隊より4度ずれています。推定80から100」


「敵艦隊推定位置に煙。複数」

「来たか」

「発艦急げよ」

「敵戦艦推定位置に発砲炎」

「「「なんだと!」」」

「FUCK!まだ25マイル有るだろ。届くのか」

「撃ってきましたので」

「届くのだろうな。だが照準などしていないのではないか」

「戦艦戦隊より。『迎撃に向かいたし』」

「ダメだ。すぐに敵攻撃隊が来る。「艦隊防空に専念せよ」と返信」

(もっとも、こちらの方が速力が上だから戦艦は後から着いてくるだけだが)


 エセックスとサラとレディ・レックスは日本海軍のモンスターに攻撃隊を発艦させようとしているところだ。そうしたら、レーダーが編隊を探知した。これは全艦発艦させるしかない。つまり、モンスターの方向に発艦速度で突撃している。非常に拙かった。ついでに言うと他の空母も日本海軍の攻撃隊を迎撃すべく全艦戦闘機隊を発艦させるために発艦速度でモンスターに突撃している。かなり拙い。日本の攻撃隊はどうも3波ほぼ同時に襲ってきそうだった。当たる前に発艦させようと必死になっている。

 どうしてこうなった?敵が見つからない。逃げ回っているなら先にトラックをやって引っ張りだそうとしたのが間違いか?


「本艦前方600ヤードに水柱」

「サラトガ側方に水柱」

「サラは無事か」

「サラトガより『本艦に損害無し』」


 エセックスがわずかに揺れた。あの水柱の後に突っ込んだのだろう。海水が擾乱された状態から戻っていないのか。

 あの距離から届く主砲に、何より水柱がデカい。16インチではないな。17インチか18インチか。まさしくモンスターだな。ウチの戦艦で勝てるのか?6隻持ってきたから長門を入れても3隻の敵には勝てるだろう。損害はどうだ。18インチ砲艦とすれば防御力もかなりだろう。


「敵戦艦と距離23マイル」

「新たな発砲炎複数」

「発艦は終わらんか」

「後20機残っています」


「インディアナ発砲」

「何だと。誰が撃っていいと」

「味方機、爆発」


 なんだ?


「長官。おそらくインディアナ主砲弾の衝撃波かと」

「クソッタレが。攻撃隊には編隊を組まず直ちに戦艦を沈めてこいと言え」


 困難な状況に任務部隊長官は歯を食いしばる。








「敵艦隊に発砲炎」

「ほう、撃ち返してきたか」

(のんきですな)

「何か言ったか、参謀長」

「いえ、なにも」


「敵機接近中」

「対空戦闘。撃ち方始め」


 一艦隊上空に味方機無く厳しい防空戦となるのは必然だった。



『菅谷大尉。中村少佐だ。戦闘機隊は先に行け』

「しかし、護衛が」

『一艦隊の上空援護機がいない。心配なら半分残していけ』

「ハッ」


 サイパンからの援軍は零戦隊48機の内、24機を護衛に残し24機が突撃していく。

(間に合えよ)

 発進前、サイパン基地司令から「トラックに向かえ。ここに帰ってくる必要はない」と言われた。それなら零戦隊も燃料がもつ。


 菅谷大尉は速力を上げたため急速に減っていく燃料計を見ながら、外翼燃料タンクはとっくに使い切った。増槽を今使っている。これも後50海里くらいだろう。いつ投棄するか。下手するとトラックまで持たないかも。と不安になる。訓練でもやったことないのだ。戦闘20分としてカタログなら余裕で持つはずだ。と思う。

 後20海里というところか。ならば。


「増槽切り離し用意」

『『『『了解』』』』

「燃料コックの切り替え忘れるな。2分後に投棄する」

『『『『了解』』』』


 身軽になった機体は速度が上がる。機速は300ノットを指した。これ以上は全開にするしかないが燃料消費は更に増え長時間の使用はエンジン不調の原因にもなる。今は我慢だ。

 さらに飛ぶ。そうすると前方に爆炎と煙が見えた。あそこか。


「総員。全開で突撃。一艦隊を援護する」

『『『『了解』』』』


 しかし、いきなり艦隊上空に行けるわけもない。F4Fで構成された敵戦闘機も阻止しようと行動してきた。

 菅谷大尉達が敵戦闘機を突破した頃、一艦隊は敵機の攻撃を受けていた。数隻が黒煙を上げ中には停止している艦もいた。

 サイパン戦闘機隊の乱入により、整然とした攻撃が出来なくなった敵機はバラバラの行動を取り始める。菅谷大尉達も無事ではない。24機が18機まで減っている。さらに振り切った敵戦闘機が空戦中に戻ってきて一艦隊周辺の空は混沌としていた。

 


「上空、味方機」

「なに?」

「報告。上空にある味方戦闘機はサイパン基地所属機」

「「「おお!」」」


 一艦隊は35.1任務部隊からの航空攻撃を受けていた。

 来てくれたか。皆が思った。何故もっと早く。そう思った者も多い。何故なら


「鈴谷、横転!」

「陽炎、停止」

「武蔵、鎮火の模様」


 他にも霞は既に姿が無く、大和も爆弾3発を被弾している。幸いだったのは魚雷調停時間が無く雷撃機が少なかったことだろう。


「報告。一機艦攻撃隊。敵艦隊に突入」

「よし!」


 数分後


「報告。二機艦攻撃隊。敵艦隊に突入」

「なんと!」


 さらに


「報告。サイパン基地攻撃隊。敵艦隊に突入」


 続く


「報告。トラック基地攻撃隊。敵艦隊に突入」


 勝った。誰もが思った。

 しかし、敵もる者。渾然とした状況の中で戦闘機隊を出来る限り発艦させていた。総数300機以上だ。さすがの能力であった。

 それの半数が一機艦攻撃隊を迎撃に向かい、他の機体はそれぞれ各攻撃隊の迎撃に向かった。後年、一機艦攻撃隊の迎撃に半数を振り向けたのは判断の誤りだったのではと、議論されるトラック沖海空戦の一幕だった。だが、実際に接触するまで機種もわからない状態では一番脅威度の高いレーダー反応の大きな集団に注力するのは当然の判断だったのだろう。




 一機艦攻撃隊は敵迎撃機主力と思える150機近い迎撃機の壁に阻まれた。一機艦攻撃隊は総数194機で、戦闘機86機(強風45機零戦41機)九九艦爆58機、97艦攻50機。一機艦戦闘機隊は敵迎撃機を阻止出来ず隊列に入り込まれ大きな損害を出してしまう。

 一機艦攻撃隊が目標とした敵機動部隊(35.3任務部隊)に攻撃を始めた頃、戦闘機52機、九九艦爆26機、97艦攻18機まで機数を減らしていた。

 35.3任務部隊はワスプを基幹にインディペンデンス級空母4隻で構成されていた。


『小さいのしかいないぞ』

『目標を誤ったか』

「ガタガタ言うな、目標空母だ。突撃」


 一機艦攻撃隊は、空母ワスプ、インディペンデンス、ベロー・ウッド、戦艦アラバマ、重巡サンフランシスコを撃破したものの、攻撃力が足りず撃沈には至らなかった。しかし、ワスプ、インディペンデンス、ベロー・ウッドは航空機発着艦不能に追い込まれ、アラバマは魚雷1本命中でバランスを崩している。

 一機艦攻撃隊は帰投途中で二次攻撃隊170機とすれ違い、その機数の少なさに二次攻撃隊はおののき

激戦を予想したという。










 甲板に有った航空機を発艦させたエセックスを旗艦とする35.1任務部隊が大きく変針をする頃、一艦隊との距離は11マイルまで近づいていた。


「サウスダコタとインディアナが敵を阻止すると」

「許可しろ。巡洋艦と駆逐艦も付けろ」


 3個の任務部隊に戦艦をそれぞれ2隻割り振った事は悪いことだとは思わない。が、ここに来て大変拙い事態になった。

 敵の砲撃精度もかなり上がってきた。先ほどレディ・レックスに至近弾が有った。変針を細かくしているので命中弾はないが時間の問題だろう。ここは速力差で振り切る。敵モンスターは戦艦2隻を相手にするのかこちらへの砲撃は止めたようだ。

 だが35.1任務部隊を取り巻く状況は甘くなかった。

 迎撃機に数を減らされながらもサイパン基地航空隊が35.1任務部隊に突入したのだ。一艦隊を相手取るために戦艦2隻と巡洋艦1隻駆逐艦4隻を欠き対空火力の低下した艦隊には難敵だった。


 35.1任務部隊に襲いかかったサイパン基地航空隊は戦闘機に削られながらも突撃した。護衛機を半分先に行かせたので厳しかったが、その分敵が減っており一艦隊の援護が出来たので良かったのかもしれない。サイパンを離陸したとき攻撃隊は銀河26機、天雷16機、連山32機だった。銀河と天雷は半分が爆装。連山は全機雷装。しかし戦闘機に10機喰われ、攻撃出来たのは銀河24機、天雷12機、連山28機だった。天雷は魚雷と爆弾が胴体下搭載で機内搭載出来る銀河と連山に較べると運動性の低下や速度の低下が大きかった。攻撃隊が幸運だったのは両用砲に使われる時限信管の信管調停時間が九九艦爆や九七艦攻の速度に合わせてあり50ノット以上高速の各機には当然炸裂するタイミングが合わず通過してから炸裂した。信管調停時間の変更が行われた頃には投雷・投弾が終わっていた。有効な対空火力はボフォースのみという事態に一時なっていた。また練度が高く投雷速度を遅くして投雷高度を高度数メートルとすることで対空砲火の下をくぐるという方法を採った機体もあった。

 それでも双発機による雷撃は的の大きさから損害も多かった。



「飯岡機、火災発生」 

「長嶋機、海面に!」


 連山雷撃隊は機体が大きくことさらに目標となっている。


「下げろ」

「現在高度20です」

「まだ高い。弾の下をくぐれ」

「行きます」


 村上大尉の指揮する機体は高度を下げる。主操縦員の袴田一曹はベテランで操縦技量は高い。

 爆撃手がさらに無茶を言ってくる。


『機長、速度を落として下さい。このまままでは魚雷が跳ね返る危険があります』

「操縦士。落とせるか」

「落とします」


 既に曳光弾の弾道は機体の上を通過しているものが多い。高度は一桁だ。


「編隊着いてきているか」

『5機追従しています』


 5機か。雷撃態勢に入るべく低空に降下したときは7機だった。大尉指揮下の12機編隊でサイパンを出撃したのだ。減ったものだ。


『進路、ちょい右』

「ちょい右、よーそろ」

『ちょい』

「ちょい」

『捉えた、直進』

「直進よーそろ」

『1500・・1200・・投下』


 少し浮いた機体を押さえつけ機体を滑らせて敵艦後方へ離脱を図る村上大尉機。


『後続機1機爆散』

『命中、命中です。続いて命中。水柱2本確認』

「よし。目標にしたのはレキシントンだ。いくらデカくても2本当たれば相当な被害だろう」

「後続機は」

『3機です』

「他に見えないか」

『残念ながら』

「そうか」


 16機で出撃したのに、寂しくなった。

 村上大尉の編隊は4機が帰途についた。途中で3機が合流した。その編隊は敵戦闘機に阻まれ別行動を取ったという。連山隊隊長の久保少佐機を見なかったかという問いには「突撃開始した時点でバラバラになり視認出来なかった」と。


 

発砲炎は水平線で見えない距離だと思います  まる

経過時間の整合性がとれないことを気にしたら負けです まる

次回更新 8月17日 05:00

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