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わんこ農園にようこそ! 〜スマホゲーム世界に転生した俺の愉快な日々〜  作者: 鳴神楓


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10/12

電気の実

 ラジオ体操第一が終わると、ようやく体が自由に動くようになった。


「それでは僕は塩むすびを作りますね」

「うん、頼むよ。

 俺は畑……の前に夕べの食器片付けないと」


 チビと別れて家に戻ってキッチンを確認すると、昨日食べた塩むすびのゴミと食器はそのまま残っていたので片付ける。

 食べきれなかった塩むすび2包みは、ちょっと悩んで冷えてない冷蔵庫に入れた。

 もうちょっと頑張ってレベルを上げれば、電気が使えるようになると信じたい。



 ──────────


 再び外に出て、黙々と畑で米作りの作業を繰り返していると、やがてレベルが5に上がった。


「あっ、農作物の種類が増えてる!

 ……何これ、『電気の実』……?」


 種まき用のウインドウで増えていたのは、黄色のジグザグの雷マーク⚡️のイラストだった。


「とりあえず蒔くか……。

 これ痺れたりしないだろうなあ」


 ゲームシステムで体が勝手に動くままに、雷マークを立体化したような形のちょっとパチパチしている小さい種を蒔き、水をやったり雑草を抜いたりと世話をする。

 すると地面からまるでチューリップのような尖った緑色の芽が出て、やがて──種を撒いてから10分くらいたった頃だろうか、チューリップそのものの茎と葉のてっぺんに、雷マークの形の『電気の実』らしきものが出来た。

 うっすらと光っていて、たまに静電気のようなパチッという音もしている。


「うわー、なんか雑なデザイン……。

 まあ、電気の実ってわかりやすいけどさぁ……」


 ぶつぶつ言いながらも、『電気の実』を収穫、と想像すると、手の中に鎌が現れて米の時と同じようにザクザクと刈り始めた。

 例によって10個に1個はシステム利用料として徴収されていて、基本的に米と変わりがないようだ。


「収穫お疲れ様です。

 それでは電気の説明をしますね」

「あ、チビ、頼むよ」


 いつのまにかチビが俺の隣に来ていた。

 新要素が追加されるまでは塩むすびを作ってくれと頼んでいたのだから、電気の実を収穫した後からが新要素ということらしい。


「『電気の実』を収穫すると、あちらの発電所に入ります」


 チビが指差した方を見ると、いつのまにか青い屋根の倉庫と赤い屋根の家の間に物置のような小さな建物が出来ていた。

 建物のすぐ横に昔懐かしの木製の電柱が立っていて、電線がその小さな建物と家をつないでいる。


 発電所というにはずいぶんこじんまりしてるが、まあ、あのいかにもな形の電気の実を電気に加工するには、そんなに手間がかからないということだろう。


「詳しくはあちらで説明しますね」


 チビがそう言うので、2人で発電所の側まで移動する。


「発電所に入った電気の実は、すべて自動的に電気に加工されます。

 電気の実を売ることは出来ないので注意してください」

「わかった」


 チビの説明に答えながら、電気の実は売れないということは、逆に言えば他のものはいずれ売れるようになるのかな?と考える。

 たぶん掲示板とか市場とかのシステムが使えるようになるんじゃないだろうか。


「電気の残量はこの端末かスマホから確認できます」


 チビが指差した端末を見ると、残量は「0.1日分」となっていた。


「この残量は家で使う電気の平均的な使用量を元に計算されています。

 例えば1.0日分の残量があっても、すごくたくさん電気を使えば1日より早くなくなってしまうのでご注意ください」

「うん、わかった。

 じゃあ、ちょっと家の中見てきていいかな?

 電気ちゃんと使えるか確認したいから」

「いいですよ、じゃあ行きましょう」


 チビと一緒に家に入って壁のスイッチを押すと、ちゃんと電灯がついた。


「あー、よかった。これでもう真っ暗で困ることはないな。

 あ、スマホの充電だけしておくか」


 スマホを充電器に差して充電マークがついたのを確認して、また外に出た。


「さて、今のところ他に新要素はないよな?」

「はい」

「じゃあまたチビは塩むすびを……あ、いや待てよ?

 もしかしてチビ、『電気が何日分になるまで電気の実を作って欲しい』とかいう指定でも対応してくれる?」

「はい、できますよ」


 チビがそう答えたので、今度はチビに畑を任せることにする。

 俺だと電気の残量を確認するためにはいちいち発電所に行って端末を見るかスマホを見る必要があるが、チビは確認の必要が無さそうだから効率がいい。


「じゃあチビ頼むよ。

 えーっと、残量3日分になるまで電気の実を作って、その後はまた米をお願い」

「わかりました」


 チビに畑を任せて、俺はおにぎり屋に作業に向かった。


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