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--「紅葉」~銀--
ひらり、ひらりと降る緋は
私の躯に降り積もる
色づく刻を待つように
染まり染まった|緋い葉は
もうどちらとも分からぬ色をして
音もなくした 曼殊沙華
光る銀 月灯り
舞うは涙と緋い血
この心に残る緋
せめて忘れぬ 恋情人
決して届かぬ 別れでも
見える紅葉は 艶やかに
姿なくした乙女はひとり
月に看取られ 眠るだろう
そしていつしか鮮やかな
紅葉はひらり 散っていく…
前作が殺す方なら、今度は殺される側で!
…紅葉と言われると「緋」が連想されるのは私だけでしょうか?
愛しい人を思いながら、違う誰かに殺される。
愛しい人は知らずども、そこに鮮やかに色づく紅葉にはきっと目を奪われるはず。
切ない願いを込めた、乙女の最期です。