デザイン制作!
「さぁ、まずはキミが考えている天導レイのイメージを教えてもらおかな?」
「僕が考える天導レイのイメージ……」
「ノリで考えたわけやないんやろ?」
「もちろん。僕の活動で、みんなを照らす光になれたらと思って。悩んでる人が、先に進む道導になりたくて」
「ええやん?」
「みんなの心の中で輝く星みたいな存在に、僕はなりたいんです」
「なるほどなぁ……イメージしてるカラーとかある?」
「……天色ってわかります?」
「また、ニッチな色選ぶなぁ?でも、合うよなぁ」
矢継ぎ早に聞かれる質問に、僕はしっかりと答えていく。少しでも止まってしまうことは、自分の想いの弱さに他ならないから。
そんな僕の想いに応えて、いやそれ以上の熱量で瑠璃さんは筆を進めていく。
「衣装とかにイメージはあるん?」
「そこに明確なイメージは無いですね……ステラさんのイメージで作り上げてもらえたら」
「そう?任せときぃ」
その言葉を最後に瑠璃さんから僕への質問は一度止まり、瑠璃さんが筆を進めていくペンの音だけがアトリエに響いていく。
それから、どれだけの時間が経っただろう。ずっとノンストップで動いていた瑠璃さんの手が止まった。
「っふぅ。とりあえずラフはできた、かなぁ」
「も、もうできたんですか?」
「まぁ、ラフもラフやけどなぁ?ほいっ」
「これが……僕の体に」
「あくまでも遥輝くんが伝えてくれたイメージをウチがイメージして作ったもんやからどしどし修正あったらしてなぁ?」
「は、はい!!」
そうは言われたものの、ラフを見ただけで心が躍ってしまうほど、洗練されたデザインだった。
綺麗にセットされた髪型、大きな目と整った口元。
衣装は、天使モチーフなんだろうか?その背には羽が付いていた。
「ちなみにその羽は着脱自由やから、衣装差分としてなし版も作るし、元からいらんかったら言うてな?」
僕の視線がそこに向いていたのに気付いた瑠璃さんにそう言われる。
見た目はどう見てもトップVtuberだった。
「修正はないです!!正直僕の中の曖昧なイメージよりよっぽど綺麗ですごいデザインが出てきてびっくりというか、言葉で言い表せないのがもどかしいんですけど」
「本当にええのん?こんなスムーズに決まると思っとらんかったけど……?」
「……僕としても、もっと何か出てくるかなって思ったんですけどね?何も出てこないくらい、瑠璃さんのイラストがよかったんです。適当に決めてるとかじゃなくて、心からそう思ったんです」
「そっか。そう言ってもらえるならウチも作り上げた甲斐があるってもんやな!」
そう言って笑顔になる瑠璃さんを見て、僕も笑顔になる。
ここから、線画、色塗りと進むわけだけど、それはまた追々進んでいく事なので、ひとまず今日の工程は終わったわけだけど、瑠璃さんはまだ帰してくれる流れにはならなさそうだった。
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