レイとステラ
それは、3日前に遡る。
[天導レイさん、3日後空いてます?]
ステラさんにDMを送ると、すぐに返ってきたものがこれ。
僕は現在、個人でやっている仕事と呼べるかわからない作業はあるけれど、それは個人の裁量でするしないを選べるので、スケジュールが空いてることを返信する。
すると、Switterの通話機能が突然鳴る。
ディスプレイに表示されているのは、ステラさんの名前だった。えっ
『も、もしもし』
『おぉぉぉ!これが無加工のレイくんの声かぁ!』
『え、えぇっと?』
『あ、自己紹介しとらんかったねぇ、ウチがステラですー!よろしく!』
『え、え?』
唐突にかかってきたステラさんの関西訛りの言葉と勢いについていけないまま、僕は挙動不審な声を出すだけ。
そんな僕なんてお構いなしに、ステラさんは話し続ける。
『それでなぁ?天導レイくん、キミの依頼をウチが責任を持って引き受けようと思うんよ』
『……え!?』
『というか、ウチ以外にやらせる気ないしぃ?』
『そ、それはどうして?』
『それは、ウチがキミの送ってくれたサンプルを気に入ったからやなぁ!』
『あれがですか?』
『そぅ!あれめっちゃよかったんよ!聞いた瞬間にキタコレっ!って思ってさぁ?』
流唯が言っていたことが、こんな最高な形で繋がるなんて思わなかった。
ダメ元もダメ元でステラさんに送った歌のサンプルが、こうして結果になったんだから。流唯には感謝しなきゃ。
ただ、ステラさんの言葉はまだ続く。
『それでなぁ?ウチ、ちょうどスケジュールが空いててな?』
『は、はい』
『キミのデザインを作り上げるんに、3日後に大阪に来てほしいねんなぁ?』
『大阪?』
『そ、ウチの家とアトリエが大阪なんよ。せっかくウチが初めてデザインするVtuberさんやし?直接会って、インスピレーション高めたいなぁ思て』
『え、僕としては受けていただけるだけでありがたいので、是非行かせていただければと思うんですが、むしろステラさんこそ僕が行っていいんですか?』
『んー?キミならいいよぉ!ってことで、細かいことはまた後で送るからよろしくぅ!』
嵐のように来て嵐のように去っていったステラさんに、振り回される未来しか見えない……
そんなことがあって、僕は大阪駅に来ていた。ソワソワしながら待つこと数分、前方から僕に向かって一直線にやってくる女性がいた。
「キミがレイくんやな!一目見てわかったわぁ!」
「あなたが、ステラさんですか?」
「そや!!ウチがステラやで!よろしくなぁ!!」
そこには、スタイルの良いショートカットの清楚な美人がいた。
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