絵師さんを見つけよう
Vtuberとして活動することを決めた僕は、活動するにあたって最も重要と言える活動アバターを作成してもらえる絵師さんを探し始めた。
ただ、闇雲に探しても良くないので、こういう時にどうすればいいのかを、また流唯に相談することにした。
『もしもーし?また遥輝からってことは何か聞きたいことでもあった?』
『相変わらずなんでもお見通しだね、流唯。その通りで、流唯に相談っていうかさ』
『んー?』
『流唯って、アバターのイラストレーターはどうやって見つけたの?』
僕が聞くと、流唯からは想定していない回答が返ってきた。
『あれ?遥輝知らないっけ?私のデザインは自分でして自分で描いてるよ?』
『……えっ、知らないんだけど!?』
『あー、言ってなかったか。ということで私の意見は参考にならないかなぁ?……あっ』
『ん?』
『遥輝だったら、ボイスサンプルを送ってみる、とか?』
『えぇ?どういうこと?迷惑でしょそんななの』
『んー、なんて言えばいいのかな……普通の人がそれしても、流されるだけだと思うんだけど、遥輝の声には人を惹きつける何かがあるんだよ』
『そ、そんな抽象的な話なの!?』
『うん。でも、意外と上手くいくと思うんだよねぇ?』
『えー、でも流唯が言うんだから、1回やってみるよ』
『うん!!結果教えて!!』
『はーい』
絶妙に、参考になりにくい回答で僕は悩む。でも、1回やってみるって流唯に言ってしまったからにはサンプルを取ることにする。
とは言っても、僕はセリフを録るわけじゃない。
メトロノームを自分がしたいBPMに合わせて動かす。
その音に合わせて、僕は歌い始めた。僕が声を聞かせるのなら、最初は歌がいいと思ったから。
それは個人的なエゴ、とかではなくて単純に自分が自信を持って出せうるものが歌くらいしかなかったからだ。
さすがにフルコーラスで歌うのは冗長になると思ったのでワンコーラス分だけ録音して、そのデータを僕が推している絵師さん何人かに、依頼文とともに送っていく。
さぁ、この中から何人の人がお返事をくれるのだろう。
僕は、そのまま眠りについた。
「んぁ、なんか依頼のメール来てる……個人Vtuberのキャラデザ依頼ぃ?ウチに送ってくるなんて、面白い子もおるもんやなぁ?ま、個人の依頼は基本的に受け付けてないからスルーかねぇ」
「ん?なんか音声データくっついてる。これだけ聞いておくとしよっか」
その女性は、送られてきていたメールに添付された音声ファイルを開いた。
「!!!!!????」
「これは……ウチがやるしかないでしょうに」
遥輝が寝ている、深夜のこと。
SNSアプリ、「Switter」に、1つのスイートが投稿された。
『WANTED 天導レイ 見つけたらウチに連絡すること』
このスイートを投稿したのは、通称GSと呼ばれている絵師、ステラだった。
超人気絵師で、フォロワーも世界で500万人以上いる絵師の突然の投稿は、瞬く間に拡散されていく。
ここにまた、新たな歴史の1ページが始まろうとしていた。
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