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接触冷感

作者: HORA

色白の彼女

手をつなぐ。ハグをする。彼女の体温は随分と冷たく感じる。

彼女の体温を測ってみると35.6℃と俺より1℃程低いだけではあるのだが熱の移動が行われているからか?接触冷感のクッションのように心地よい。接触冷感の製品である枕や敷布団、掛け布団などは、使い始めは冷ややかに感じるがすぐに熱を持ち始め、通常の品と変わらなくなる。それに対して彼女の手や体はずっと冷たい。プライスレス!おいくら万円ですか?ほんと一生もの!


この夏の酷暑は例年のように過去最悪だと報道されていた。しかし彼女とお付き合いできたおかげで随分と楽に夏を乗り切れた。日中の食欲は多少落ちていたので、例年かそれ以上に体重は落ちてしまっていたが、これからの食欲の秋でまた体重を戻せるだろう。とにかく過去最高に暑い夏を幸せに過ごせたのである。





「雪ちゃんは今年の相手はどんな感じだった?」

「今年はかなり霊感のある獲物でおいしかったわね~。本人にその自覚があるかないかはどちらでも良いんだけど、私の性的志向(フェチ)的には気付いてない方が興奮するかしら。もうおおよそ千年間、毎年のことになるけど、相手をどっぷり依存させてから生気を吸い取って看取(みと)る過程が楽しいわね。毎年、付き合い始めは緊張するのよ。毎年7月は彼氏いない歴9カ月なんだから。もう生気を吸わずに冬を越さずに本来の雪ダルマの姿に(かえ)っちゃってもいいんだけどね~。恋愛依存が勝っちゃってるかな。」

「それなー。私達妖怪で今も存在してるっていったら復讐が果たされてないとか、何か目的があるからとかじゃなくて、この人間社会に馴染んで新たな娯楽を見つけちゃったってケースだよねー。」

「だね。間違いないわ。で、あなたは今年の夏はどれくらい成果があったの?」

「私は今年は割とうまく男を釣れたわよ。春先から噂を流していたおかげかしら。海中に3人も引き釣りこめたわ。」

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