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【2-2章完結ッ!】勇者は感染してました、魔法使えないけど無限の魔力で抗います ーThe Beasted eMpireー  作者: 鶴見ヶ原 御禿丸
2-2章 龍界地底砲塔マナタン:カルヴァトス編

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61話『背信者(ベトレイヤー)』は恋の病を垂れ流す(3/4)


 それはアイザックの記憶、ドリンク=バァと接敵した時の出来事。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『惨月』


『!!』


挿絵(By みてみん)


『お前のその技...その名前の奴が一番ヤバそうとか思ってたんだよ』


『...説明してやろう』


『...?』


『今の俺の握力は5トンだ、お前の体を掴んだ瞬間抉り取れると思え。俺の出せる拳は超光速だ、前にも見たよな、まともに当たれば木っ端微塵だ。今の俺の硬度はオリハルコン以上だ、先程と同じ一撃はもう効かん』


『...それがなんだよ!!』


()()()()()()、この「技」はお前に手の内を説明するという代償を払わないといけないんだ』


『代償...?』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ...


 ..


 .



 『機構星騎士(ステラ・マキナ)』はカルヴァトス相手に手が出せずにいた。


 カルヴァトスはただ舞っているだけだった、攻撃の構えも殺気もない、ただの舞い。


 ーーーだが


 地面を擦ると小石が散弾の威力で飛び散り、

 手拍子一つが衝撃波を生み、

 回転をかけた跳躍は爆風を生む。

 さらにその舞いは見たものを魅了するほど繊細で流麗。


 ーーーザンッ!!


「ん?」


 現れる一つの影、アイザックだ。


「やっと戦う気になったかな」


「いや、ぶっちゃけ俺はお前傷つけたくない」


「は?」


 しかし、突然キッパリと言われ空気が凍りつく。


「もう君ファイト承諾しちゃったんだよ?戦う気がないなら降参してよ」


「やだ」


「は?」


「ーーーだから、これで決着つけようぜ」


 その時だった。


 ...カチッ


 ーーー3、2、1


 パンッ!!


「は?」


 突如流れる音楽、アイザックはステップを踏みリズムを奏でる。


「ふーーあっはっはっはっは!!」


 これが意味するもの、それはつまり...


()()()()()()ってこと!?私相手に!?本気で!?」


「舐めんなよ」


 ーーーバッ!


 アイザックは懐から円形の道具を見せびらかす。


「...なにそれ?」


 さらに、アイザックは再び同じものを、鉄製の思われる小さな円盤が対の形で現れた。


()()()()ってんだ、結構作るの苦労したんだぜ」


 ――ヒュンッ。


 指先から放たれた円盤が、糸を引き裂く音を立てて宙を走る。

 アイザックの手首が返るたび、ヨーヨーは円を描き、弧を描き、まるで意思を持つかのように空間を切り刻み、やがて手に戻る。


挿絵(By みてみん)


 ーーーそして作戦を頭の中で復唱する。


 ...


 ..


 .


『制約?代償?』


『魔法や技は鍛錬や仮定、明確なプロセスを経て実現する。いや魔法や技だけじゃない、例えば肉が食べるなら肉を調達、試験に受かりたいなら勉強する、とかな』


『うん』


『しかし、その過程を完全省略して結果のみを顕現させられる方法がある』


『それが『制約』か』


 ドリンク=バァの言っていた『代償』を思い出す、つまり何かしらの自身にとって致命的なリスクを負う事で超常的な能力や効果を発揮するという事だ。

 『制約』があまりにも大きすぎる者はそれを『代償』と言い換えることがあるらしいが、おおよその意味は同じとのこと。


『制約がなければいくら強い効果をイメージしてもまともに力を発揮できないか、見せかけだけで相手に全く効かない』


『つまりカルヴァトスはそれを使ってる?』


『ベクトル強化は明らかに技や魔法の域を超えている、さらに効果も実際現れている、そう思って間違いないだろう』


『ガレットさんだっけ...あんたすごいな..,』


『その『制約』を利用できるかが勝利の鍵だ』


『なるほど』


『ならばその『制約』どう看破すればいいか、それはつまりーーーー





『時間稼ぎだ』


 ...


 ..


 .


「上手いじゃん」


「スマホがねぇせいで暇を持て余しやすいんだわ、こういうの練習するくらいしかやる事なくてな」


「んで?ダンスバトルって言っても観衆いないじゃん、そこらの銀色の人ら叩き起こす?」


「その必要は無い、ルールは単純だ、()()()()()()()()()()()


 ーーーヒュンヒュンヒュン


 ーーーヒュッ!


 空気を切る音を奏でながらカルヴァトスに放たれるヨーヨー。


「残念」


 ーーーダンッ!


 カルヴァトスは跳躍、身体を捻りながら空中で優しくそのヨーヨーを撫でる。


 ーーービュッ!


「ッ!!」


 それは勢いよく、そのまま受け取ってしまうと手が弾け飛ぶほどの音速を持ち主の元に戻る。

 しかしアイザックはそれを回避、通りすぎた円盤は糸に引っ張られ宙を舞う。


「へぇ...なるほど」


 しかし、そのヨーヨーの速度は落ちる事なくアイザックの周辺を飛び回っている。


「どうよ」


「いいよ、やってあげる」


 カルヴァトスは再び足を踏み鳴らす。

 音が鳴り続けている、鮮やかだが激しすぎず、和風に近い旋律を奏でて2人は踊る。


 カルヴァトスは足を止めない、跳び、回り、着地すら一拍遅らせる。


「これどうぞ!」


 ーーーボッ!!


 そしてその一つ一つに影響された砂や道具がアイザックに弾丸のように降り注ぐ。


「結構です!!」


 ーーードンッ!!


 だがアイザックは手を止めない、激しく飛び跳ねる金属は輝きと弧を描き攻撃を次々と撃ち落とす。


 糸が張られる、身体が引かれる、お互いは己の舞を演じながら引力のように引きつけ合う。


 ――止まらない。


 カルヴァトスの指先が空を切り音を刻み、足音を鳴らす。

 そしてお互いはそのステップの先に、お互いの視線を見た。


「...!」

「!!」


 それはあり得ないほどに近い、吐息が混ざり合うほどの至近距離、それほどまでに踊りに集中していたという事。


「ヨーヨー没収ね」

「あっ!!」


 踏んだステップに気を取られ手の重なりに気付くのに遅れた、その瞬間握っていたヨーヨーは指を離れ弾丸の速度で戦場から離脱した。


「せっかく練習したのに!!」


「残念でした」


 ーーードッ!


 突然の足払い、アイザックは体勢を崩して床に叩きつけられーーーそうになり、片手で逆立ち、ポーズを決めて見せる。


「おぉ〜」


 カルヴァトスが関心するも束の間、その体勢からの回し蹴り、しかしカルヴァトスは


 ーーードンッ!


「ッ!!」


 ()()()()()()()()()()


 その時感じた違和感、アイザックは見逃さなかった。


 ーーーハュッ!


 そして着地と同時に薙ぎ払うような回し蹴り、アイザックは跳躍し回避、体勢を立て直し再びステップを踏む。


「カルヴァトス!!」


「ん?」


「ダンスって楽しいな!」


「...そうだね!」


 お互いの足が交差し、飛び出る拳や凪、アクロバットにバク宙、舞い散る砂煙の中、2人の汗が飛び交う。


 ...


「あいつら、これ一応殺し合い...よね?」


「そのはずだ」


 そのはずが、それはまるで殺し合いしているとは思えないほど、2人は楽しそうに踊っていた。


「だが...勝負は決したな」


 ガレットはそう呟く。


「え?」


「奴の『制約』がなんとなくわかった、アイザックもな」


 ...


「ラストスパート、ちょっと本気だしちゃおっかな」


「今の本気じゃなかったのッ!?」


「そだーーーよッ!!」


 突如彼女の飛び蹴り、しかし蹴りを放つ瞬間加速する。


 ーーーバキッ!!


「ガハッ!!」


 それをアイザックは回避できなかった、その足は腹部に減り込み、胃の中身が逆流する。


「お前ッーーー靴になんか入れてるなッ!」


「そだよ!私の()()の効果バレてるみたいだから、多少暴れても問題はないよね!」


「奥義...か!!」


 『奥義』ーーその本人の人生の長い旅における答えや終着点を『魔法』『技』に昇華したもの、基本的に1人1つしか持てない。


「その威力出せるんなら確かに奥義って言ってもおかしくねぇわ!」


「あっははははは!!!」


 ーーードッドドドドドッッ!!


 嵐のように激しく、そして重い蹴りの連打、アイザックは防戦一方だ。


「ーーー...ッッ!!」


 遠心力なのか、カルヴァトスは空中に浮き、雨のような連撃を繰り出しているうちに...


 脳裏に蘇る彼女との1週間の思い出。


「ッッ!!」


 2人で初めて飲み交わした酒場、彼女は上機嫌に足をぶらつかせながら果実水をがぶ飲みしていた。


 稼いだ後は買い物もした、ボロボロだった装備をみてカルヴァトスは服を選んでくれたこともあった。

 気持ちが良かったのか彼女はずっとスキップしていた。


 2人で帰路に着いた時はおんぶをねだられた、あの時感じた肌の暖かさは今も忘れられない。


 たった1週間の出来事だったが、その思い出はアイザックの心に深く刻まれていた。


「...」


 その時、


 ーーー()()()()()()()()()()()()()()()








 

次回投稿日は2\14 7:10!


次回決着!!


皆様たくさん読んでいただいてありがとうございます!!

高評価、ブックマークを押していただければ作者のモチベーションに繋がります!!

よろしくお願いします!!


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