55話 カルヴァトスという
アイザックの持っている魔法も公開!(4コマ)
シオンは翌日の対戦相手であるシュガーをその三輪バイクで跳ね飛ばした、その件で再びシオンは『界帝』に呼び出された。
結論から言えばシオンの闇討ち(...?)、なんと通ってしまった。
『界帝』曰く、「対処できない弱者が悪い」との事、無茶苦茶である。しかし、一度許せば同様の事件を他の者も起こしかねないのでこれから会議するそうだ。
「...」
「...」
アイザックは1人塔の前で待っていたのだが、その目の前に高身長の男性が立っていた。
大きな襟の紺色のコートを着込み腕にはボウガンと思われる装備、口元を隠しているため表情は読めないが束ねた長髪と鋭い視線が不気味さを物語っている。
「...」
「...」
気まずい。
「あの...なんでしょうか?」
「いや?君の仲間が跳ね飛ばした女の連れだ」
「うぐ...」
さらに気まずい。
「長くなりそうだ、シオンに彼女から伝言を頼まれていたのだが」
「じゃ、じゃあ俺が伝えますよ」
「わかった...では」
「『テメェまじふざけんなよ、よりにもよって最新式で轢きやがって覚えてろ殺す絶対ぶち殺してやる、その髪引きちぎって豚の餌にしてその腸引き摺り出してーーーー』」
「もういいもういい十分理解した伝えておきます」
とりあえずメチャクチャキレてることはよく伝わった、彼を見送った後入れ替わるようにシオンが塔から姿を見せた。
「おまたせアイザック」
「シオン、お前ちゃんと謝ったか?」
「誰に?」
「いや、いろんな所...」
シオンはけろっとしている、まるで罪の自覚がないかのようだ、いや実際『界帝』によって無罪となったのだが。
「まぁそうね...さすがに配慮が足りないと思ったわ」
「だろ?...ん?「配慮」か...?...まぁ、いいか、だろ?」
「お詫びとして轢いてベコベコになったバイク送ったわ、走れないけど見かけだけ修繕すればレプリカとして飾れるわよ」
「粗大ゴミ送ってんじゃねぇよおおおーーーーーッッッッ!!」
「私これから色んな所に報告言ったり賞金だったり、あとそれを元手に賃貸の契約してくるから、夜にまた落ち合いましょ」
「なんか腑に落ちねぇ、シュガーさん可哀想だけどわかったよ...」
先の分かれ道でシオンと別れる、本格的に活動を開始する前にこの街を見て回ろうと思ったのだ。
歩く先々が人混みで溢れかえっておりとても「運命の夜」で規模を縮小した国とは思えない賑わいだった。
「...」
空を見上げると、巨大な竜骨の頭部がまた自分を見下ろしていた。
「すごい街だよなぁ...ん?」
先に進むと妙に人が集まっている、酒場だろうか。
木製のテーブルと樽が無秩序に並び、通りそのものが客席になっている。その中心、円形のステージの上で、少女が踊っていた。
猫耳を生やした少女だった。
ポップな音楽と共に足を踏み鳴らすたびに床板が軋み、首の付け根より少し上で結われたツインテールが動きに合わせて華麗に舞う。
笑い声と喝采は屋根に遮られることなく夜空へと解き放たれ、通りを歩く者の足を次々に止めていた。
「...」
跳ねるような足運び。
拍子を取るように肩が揺れ、指先がくいっと跳ね、それに合わせて髪が綺麗に舞い上がる。
動きは素早く精密で、どれも洗練されている、思わず真似したくなるほど軽やかで、見ているだけで身体が勝手にリズムを刻む。
「すげえ....」
派手な服装ではない、前を大きく上げたブラウンのジャケット、動きに特化した余裕のあるズボン、しかし軽やかな足運びに合わせて布が波打つ。
全ての動きに無駄がない、アイザックは完全に見惚れていた。
最後ポーズを決めると周囲から歓声が湧き上がる、アイザックも無意識に拍手をしていた。
「みんなー!ありがとうー!!」
「おいッッ!!」
その空気を切り裂くような怒号、先ほどの賑わいは静まり返り人々の視線が声の方向へ集まった。
現れたのは巨漢の男、少女が小人に思えるほどの身長と分厚い筋肉、しかし所々に包帯を巻いていた。
「『カルヴァトス』...!!」
「あら、この前の...リベンジに来たのかな?」
『カルヴァトス』、そう呼ばれた少女は肩をすくめ、軽く首を傾げた。
「当たり前だッッ!!」
周囲がざわめく。
すると男は懐へ手を伸ばし...
「え!?」
「なッ!?」
取り出したのは、少女の身長にも迫る巨大なマチェットだった。
「ストリートファイトを希望する、条件はーーーデスマッチだ!!」
ーーーザワッ!
少女は武器を持っていない、明らかに不利な条件だ。
「...」
カルヴァトスはマチェットを見上げ、静かにステップを奏で始めた。
「待て...無茶だろッッ!!」
危ない、そう感じた時にはもう身体が前に出ていた。
ーーーダンッ!!
その瞬間、空気が一変した。
「なんだァお前ッッ!?」
「え!?ちょっと君ッ!?」
2人の声が重なる、その中心にアイザックは立っていた。
「俺がやるッ!俺が代わりに戦う!!」
「はぁッッ!?」
「え...えぇぇぇぇえええ!?」
「代理だ代理!俺が死んだらこいつをぶっ殺していいよ!」
「何言ってんの!!?」
自分でも何を言っているのか分からない。だが、一度口に出してしまった以上、もう引く気はなかった。
「条件は...なんかそのあたりのルールよくわからんけどお前はデスマッチでいいよ!俺は殺さないけどうーんとうーんと、そうだ金!俺が勝ったら金よこせ!40億BPくらい!!」
「お前何言ってんだッッ!そんな金あるかァッッ!!」
「じゃあ有金全部置いてけぇ!」
頭が真っ白になりながらもお互いの了承が成立してしまった、群衆は先ほどの華やかな雰囲気とは打って変わって騒ぎ立てている。
「このガキめんどくせぇ、だがまぁいい!!カルヴァドス、お前そこから動くなよッッ!!」
「ちょちょちょ、私の拒否権は!!?」
少女の後ろを『機構星騎士』が囲い込む、もはや退路はない。
ーーーファイッ!!
どこからか聞こえたその合図、それと同時に巨漢はアイザックの眼前へと迫り、マチェットを振り上げ勝ち誇ったように叫んだ。
「でしゃばらなければこんなことにならなかっーーー!!
しかしーーー。
「隙だらけ『魔轟衝』ドンッッ!!」
ーーードンッッ!!!
勝負は一瞬だった、巨漢の背中は不気味な程に盛り上がり、まるで引き絞ったスリングショットのように激しく後方へ吹き飛んだ。
「ブゲェェェーーーーーッッ!!?」
ーーーガシャァァアアアアァァァァッッ!!
「ゼロ距離『魔轟衝』効くだろ」
巨漢は後方の廃材置き場に激しく突っ込んだ、激しい音と次々倒れていく廃材に姿が見えなくなるほど埋もれていく。
「...やべ」
やりすぎた?
「少々お待ちください、賭けたものを取り立てますので」
「しゃべったッッ!!」
『機構星騎士』が廃材を掻き分けていく、時間はかなりかかりそうだ、なにより激しい音で人が次々と集まってくる。
「お金はシオンって人に送っといて!!ほら行こう!!」
「あ、ちょ!」
これ以上騒ぎになる前に少女の手を引き群衆を掻き分けてその場を後にする、人混みから外れた路地裏を右へ左へ、階段を駆け上がり街が一望できる所まで来たところで。
「もう大丈夫だってばッ!!」
ーーーボッ
投げ飛ばされた。
次回投稿日は2\2 7:10!(追記、2/1予定でしたが延期します!申し訳ございません...)
これからカルヴァトスとのイチャイチャが始まります
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