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【2章開幕ッ!】勇者は感染してました、魔法使えないけど無限の魔力で抗います ーThe Beasted eMpireー  作者: 鶴見ヶ原 御禿丸
1章 戦慄廃国チルド:エピローグ

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46話 獣の帝国

4500pv超感謝!!

生前のドリンク=バァとマンダカミア=キャメル公開!!

挿絵(By みてみん)



 全員が彼の訃報に驚愕する、唯一ファルカはその場にいたため驚きはしなかった。


「ドリンク=バァって...あの武闘家よね...アイツ倒せる奴いるの?」


「その議題は、『魔王』が来てからやるべきじゃないかな?」


 ーーーガジャン


「お、噂をすれば」


 教会の扉を開けて現れたのは全てを漆黒の鎧で覆った戦士、その威風堂々とした佇まいと聳えるような巨体に下半身の重厚感溢れる()()、そして死のオーラを漂わせてる姿はまさに『魔王』だった。


「...」


「ねぇ君も言葉を喋らないの?喋らないクールな俺かっけー!って思ってるのかな?実際めっちゃうざいからやめた方がいいよ、俺みたいに誰でも話せるようなフランクな男がモテるんだよ、人にも動物にも」


「まぁまぁ彼はまだ()()しきっていないんだならそこまで言ってやるな」


「...本題に...入ろう」


「そうですよ!エウロペ様、誰がドリンク=バァをやったんですか?もしかして私達みたいにこの病に適合した者が現れたとか...?」


「やったのはレーチェ達みたい」


「あの賢王って言われてるいけすかないガキか?さすがにアレじゃドリンク=バァは倒せないでしょ、そもそものレベルと強さのベクトルが違いすぎるんじゃない?」


「アンタもガキでしょ」


「君もね」


「では...その他複数...の中に...それなりの者がいたか...」


「『令嬢』、今回の件アンタはどう考えてんだい」


 サウスの質問にエウロペは少し考え込んだ後口を開いた。


「うーん、何も」


「何もって...」


「彼がやられたのは私は偶然が重なった結果なんじゃないかなあって、第一ドリンク=バァほどの強者をやれるものがいるならとっくの前に現れているはずだと思うの」


「じゃあ放置って事?可能性を1%でも残しておくのはあまり良いとは思えないなあ、1%を笑うものは1%に泣く、これ常識」


「ファルカ口閉じてなさい、アンタが話すたびにムカっ腹が立つ」


「それは君の心が狭いからだよ」


「いや、ファルカ君のいう通りよ、少しでも可能性があるなら真っ先叩いておくべきかな」


「それじゃあ...」


「だからといってただ突っ込むのも怖いわよねぇ、ドリンク=バァを倒した手段で反撃する可能性もあるし、何より()()()()お友達が傷付くのは見たくないの」


「...行動指針を...聞きたい...」


「...そうねぇ」


 エウロペと呼ばれる女は女神像から飛び、優雅に着地を決めてみせた。それをみたノウスは興奮で飛び跳ね、それをファルカが鬱陶しそうに顔を顰める。


「勘だけど、ドリンク=バァを倒した彼らはマナタン帝国に向かう、あそこは資源も食糧も潤沢にあるしねぇ、でも私と『追放者』は既に()()()()()()()()()、ファルカ」


「ん?」


「準備はできてるかしら」


「準備というか、いつでも行けるけど」


「例の肉塊は?」


「あぁ、いい感じだよ。いい実験結果を得られた、これなら実用に入っても良さそうだ」


「あらあら!良かった!作った甲斐があったわ!」


「エウロペ様!私は!私はどうしましょう!!」


「ノウス、いや、みんな」


「...?」





「ーーー()()()()しよっか」







「全員...だって!?」


「言葉の通りよー、ドリンク=バァを討伐した者は()()()をかけて潰した方がいいと思って、各自現在位置を教えて、最寄りの駅から入国できるように手配するから」


 『令嬢』の言葉に全員が驚いた、恐る恐るサウスが手を挙げる。


「えっと...エウロペさんよ、ドリンク=バァを倒したそいつはそんなにやばいのかい?」


「全く情報が無い、だからこそみんなの目で確かめよ


 『魔獣遣い(ビーストテイマー)』 ファルカ=キルネクス

 『背信者(ベトレイヤー)』 ノウス・C=メガロドン

 『迷宮主(ダンジョンマスター)』 サウス=エレクイル

 『老公』 アーシア=フジ

 『追放者』 オルゼ=スティングレー

 『魔王』 アンタクティカ=オルキヌスオルカ

 『令嬢』 エウロペ=バレーナ


 ...私達がいれば余裕でしょ?」


「余裕っていうか、過剰戦力というか」


「帝国に戦争でも...ふっかける気か?」


「その為にファルカに準備をさせていたのよ?懸念材料を纏めて駆逐できるならいい機会じゃない」


「ちっ...」


「僕は信頼されてるからね」


 ファルカに対して聞こえるように舌打ちをかますノウス。




 


挿絵(By みてみん)


 『(ビーステッド)()(エンパイア)』を作るために、みんな頑張りましょう」


 ...


「はっ!!」


 飛び上がりあたりを見回す、回りには影一つもなく夜空が広がっていた。


「いっで、これ使うと頭痛がするんだよなぁ、みんな同じなのかなぁそれとも俺だけ?...ん?」


 すぐそばには己の愛する竜しかいない、もう一度見回すがやはり影ひとつない。


「あれ、さっきの守護神(笑)はどこいったのかな?動けないようにするため手足とったはずなのになー」


「...」


「君、食べた?」


「...」


 竜は首を横に振る。


「まったくそこにいててって言ったはずなのにすぐ動く、俺でも言うことはしっかり聞くのになんで他の人間共は言うこと聞かないかなあ、その人の事を思って指示を出してんのにその想いを無下にして勝手な行動を取る自己中にはほんと悩まされるよ、ねぇ?」


「...」


 竜は知っている、というより見ていた、その女が「獣」に襲われ無い手足を振るが抵抗も虚しく解体されていく様を。両親と思われる名前を叫びながら内蔵を引き摺り出される光景を。

 だが竜は少年の問いかけに応えない、喉が潰されているから。


「...」


 少年の足元に血塗れの肋骨が残されている事には気付いているのだろうか。


「...まぁいなくなったもんは仕方ないかぁ、さあ行こ、()()()()()()に」


 竜は少年を乗せ高く飛び上がる、小さくなった影を地上から見上げる青年が1人。


「ファルカくん近くにいたのかぁ、なら俺も乗せてってもらったら良かったかなあ」


 赤い外套を纏う青年、アイザックの友人にして炎系統の魔法を得意とするロットォ=キルツは1人森を進んでいた。


「おっとまだ拠点が近いんだ、この姿でいたら大騒ぎになるよな、一応彼らからしたら俺は死んだって扱いなんだし」


 纏っていた赤い外套が、否、その姿そのものが壊れた電子機器のようにブレ始め、そこにはロットォ=キルツではない全くの別人が立っていた。


「しかしさすが賢王、どうして俺が()()()ってわかったんだ?」


 今回の件、具体的には調達遠征に現れたドリンク=バァ、今までの遠征では殆ど現れなかったドリンク=バァがなぜドリアやセルシが参加している遠征に都合よく現れたのか。

 答えは簡単、ロットォ=キルツことサウスがドリンク=バァに情報を渡していたからだ。

 城の防衛の際にレーチェにバレて殺されかけたので死を偽り走って国を出たのだ。


「『令嬢』に拠点の場所を教え...いや、これは「()()()」だ、まだ...やめておこう」


 拠点の場所をドリンク=バァに共有しなかったのはそれが彼に取って有益だからだ。


「それじゃあ俺も向かうとしますかね、スライザ特急に」


 そして青年は歩き出す、それぞれがマナタン帝国へと引き込まれるように歩みを進める、なにか大きな事件が起こる前兆のように。


 そして、彼らも。


 ...


「おはよう、土下座で勝った男」


「よおっ土下座で勝った男!」


「土下座で勝った男、いい薬草入ったんだけど持っていく?」


「ぐぅぅぅぅぅぅーーーぅぅぅうううう!!!」


 アイザックはまだ拠点にいた、今後一か月は絶対安静を言い渡され眠っている間に誰かがアイザックの活躍を吹聴したらしい。

 いやミークだ、こんな事するのはミークしかいない、言われてることは心外だが最初の頃と比べるとアイザックはむしろ晴れやかな気分だった。


「土下...アイザック、体はどう?」


「シオンまでッ!!」


「ごめんごめん、レーチェ様が呼んでるわよ」


「あぁ、わかった、いつものあの家か?」


「いや会議室、あの家はもう取り壊したそうよ」


「えっ!?」


「とりあえず早く行きなさい」


 シオンに急かされアイザックは会議室に入る、レーチェが長机の一つに腰掛けておりアイザックを待っているようだった。


「土下座ック」


「しばくぞ」





「お前に大事な話がある」


 







次回投稿日は1/10 18:10!


章完結まであと2話!


高評価、ブックマークを押していただければ作者のモチベーションに繋がります!!よろしくお願いします!!

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