41話 最終戦争ユナイタル・ドリンク=バァ(5/7)
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ーーーミシミシミシィ!!
「ギャアァァアァアアアアアーーー!!?」
踏みつけられた傷口からどくどくと血が流れ次第に水たまりを広げていく、焼け付くような痛みにアイザックは悲鳴をあげた。
「アイザックッ!!俺を見ろッ!!俺を...!!さぁどうだ、お前を殺す男の顔を...さぁさぁさぁ!!」
ーーーバキバキバギィィ!!
「ガァァァアァァァァアァァーーーーッッッ!!」
骨がひび割れ電撃にも似た痛みが身体中を走る、しかしアイザックにはもう逃れる術は無くただこの痛みに耐えるしかなかった。
「はぁーーーはぁーーー」
「はぁ!!はぁ!!はぁ!!」
ドリンク=バァも満身創痍だ、レーチェの奥義を受け、散々身体中に穴を開けられたばかりだ。
「はぁ!!お、俺が...俺があの程度で倒せると思ってんのかよォォォ!!俺はドリンク=バァ...最強の武闘家だぞッ!!この程度の修羅場ァ...初めてだと思ってんのかァよォォォォ!!!」
蹴りでアイザックはサッカーボールのように宙を舞い、岩場に叩きつけられた。
その時、ドリンク=バァもゴパッと血反吐を吐き身体中から肉がボタボタと削げ落ちる。蓄積されたダメージが大きいせいだろう。しかしその闘気は未だ衰えず、そのタフさこそ最強の武闘家の所以なのだ。
「はぁーーーはぁーーー」
ドリンク=バァの言葉は聞こえているが応える気力がない、既に視界がぐるぐる回り寒気が襲ってきている、いよいよ身体が死んでいく合図だ。
「はぁーーーはぁーーー」
もうやれるだけのことはやった、こんな自分でもここまでやれば上出来だろう、そう思い目を閉じかけた時...。
「.......」
先程の少女だ、白いワンピースを着た少女がアイザックを見下ろしていた。
「.....」
ごめんよ、駄目だった。そう心の中で呟く、それを読み取ったのか少女はくすっと笑う。
「.....?」
なにがおかしい?そう聞く前に少女は口を開いた。
「何言ってるの?君はもう勝っているじゃない」
「...え?」
勝っている?勝っているだって?少女の言葉に思わず声が出てしまう。
「さぁ最後のひとおしだよ、みんなに教えてあげなよ、君なりの方法で」
「自分なりの方法...か」
そうだ、よく考えればたしかに一つ変な事がある、先程までのドリンク=バァとは、明らかに違う変な事が。
「...はぁ...」
「ん?なんだ、もう死ぬ?死ぬのか?じゃあちょうどいい、新しい声と腕が欲しかった、お前のなら使ってやってもいい!!感謝しろよォ!!」
ドスドスと重い足音が近づいてくる、足音は響くし煩いし、ゾンビのくせにちょっとはそれっぽいとこ見せろよと思いながらアイザックは息を呑む。
そうだ、1発だけでいい、その1発を確実に当てるために。
「最後に遺言とかあるかぁ?今なら3文字だけ聞いてやるよ」
「......かぁ...」
「優しいだろ?」
「......ゃあ...」
...
「喰らえッッッ!!!」
ーーーザンッ!!
「ギッッ!!?」
アイザックの手から放たれた魔力の刃、『魔光斬』。限界から無理やり絞り出したためそれほど威力は無い、咄嗟に塞いだドリンク=バァの腕を焼くだけで致命には至らない。
「き、貴様ァァァァアアアア!!!」
「ど、どうだ...ふへへ、へへ」
これでいい、頼む伝わってくれ、そう思ったアイザックの視界には腕を振り上げるドリンク=バァの姿。
「へーーーー」
その瞬間だった。
ーーー『火炎尖弾』ッッ!!
「ゴャアァァアァアアアアアッ!!??」
背中からの攻撃に悲鳴を上げるドリンク=バァ、打ち込んだのはミークだ、それを見たアイザックは安堵のため息をつく。
この状況に一番驚いたのは攻撃をした本人であるミークだ、この光景は本来ならありえない事なのだったのだから。
「あ...アイザックさんッッ!!ま、ま...」
魔法が効いている!!
「よかった...伝わった」
それがアイザックの感じた違和感、化け物の時に見た闘気、確かにそれは凄まじいものだった。
だが、アイザックは気付いた。
空が紅い事に。
『惨月』、ドリンク=バァの技であり彼と対峙するものに水袋をのせたような重圧をかけ、さらに己の身体能力を底上げする能力、全員満身創痍だったため気付くのが遅れた。
効果の表れとして空が紅くなっている、前に戦った時と同じであり詳細は省くが効果の代償として今だけは魔法が効くのだ。
「まぁ...推測に過ぎなかったけど...な」
「レーチェの『昏黒・虚数孔』を喰らって消耗しすぎているんだよ、さらに『惨月』を使って強化してないと自分の身体を維持できないほどに追い込まれているようだ」
ふと疑問に思った、ミーク達に淡々と喋るこの少女は見えていないのだろうか?見えてたら何かしらのリアクションはあるはずなのに。
「ふふ、僕ばかり見てていいの?」
「そうだな...いっづ...もう動けねぇ...あとはミーク達に...託すわ...あとで名前教えて」
「いいよ、僕は僕のやるべき事があるから、ゆっくりお休みなさい」
ーーーボンッ!!ボンッ!!ドドドッ!!
爆音と火花を散らしミークとドリンク=バァの攻防が続く、瞬時に放たれる炎弾をドリンク=バァが撃ち落とすがダメージの蓄積もあり次第にドリンク=バァが一歩ずつ引いていく。
「ああぁああぁあぁぁぁあーーーーッッッ!!!」
「ギィィィイイイイイイイーーーーッッ!!」
ミークもかつての姉との戦いや浮遊魔法を長時間した事もあり肉体魔力共に限界が近い、アイザックから魔力を吸い上げる事も考えたが距離が遠くアイザックの身体が持たない。
「シオンさん!!」
「だああぁあぁあああああーーーッッッ!!」
「!!」
ドリンク=バァの死角から切り込むシオン、しかしドリンク=バァは両手での魔法の対処を片手に切り替え。
ーーーードガガガガガガガッッッ!!
「なっ...!?」
「ぐぅぅゔゔゔ!?」
空いた片方の手でシオンの斬撃を凌いでみせたのだ。
ーーーーガガガガガガガッッ!!!
「ガァァァアーーーッッッ!!」
ーーーバキッ!バキッ!!
しかし先に悲鳴を上げたのはドリンク=バァの足だった、踏み込んだ際の負荷が許容量を超えたのか勢いよく骨が飛び出し体勢を崩す。
「ァァァァアァァァァァァアァァーーーッッ!!」
「やぁああああああああああああーーーッッ!!」
「だぁああああぁあああああああーーーッッ!!」
ーーーーガガガガガガガガガガガガガガガッッ!!
「行け...!!行け...!!頼む、もう倒れてくれ...もう終わりにしてくれ!!」
ーーーバギィッッ!!
「ガ...ッ!?」
「今!!」
「やあぁああ!!」
ドリンク=バァの足が限界を迎えたのかとうとう千切れ、先のない膝を地面についた。
その瞬間を逃すはずもなくシオンとミークは全力で打ち込む、彼女達にとって奴は仇、怨敵、復讐するべき相手、死ぬべきクズ、故に容赦はない温情もない、それ故に。
「ふっーーーっ!!」
力が入り切ってしまった。
ーーーパァンッッ!
「がーーふっ!?」
突如ミークの脇腹に穴が開く、先に限界が来たのは、本当に限界が来たのはミークだった。
「な...」
「ミーク!?」
「ミークッッ!!!」
そして...
次回投稿日は12/30 18:10
ドリンク=バァの体力は1割切ってます、もう一息です
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