表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/86

86.声を大にして言えるわ

最終話です。


庭で遊ぶヴィーと、ヴィーに瓜二つの息子ティアンをお父様とお茶をしながら眺めている。


5年が経ち、ティアンも5歳になった。

今はやんちゃ盛りで、護衛達を振り回している。

さすが私の息子と言っていいのか、息子も魔法チートであった。

属性は創造。私と一緒だ。


どうしてわかったか?

これまた私と一緒で羽を生やし、ふわふわと浮かんでいたからである。

4歳のときだった。絵本でみたそれをたぶん真似たのだと思う。教えても無いのに羽を生やした。

勝手にどこかへ飛んで行ってしまわないようにしっかり教え込んだ。

ティアンのお世話はこれからもっと大変になるかもしれない。

魔法については、私が教えるかレインさんに頼むかしないといけないだろう。


「ははうえーーーーーー!!!!」

とティアンが走ってくる。

「どうしたの?」

「これ。あげる」

と庭で摘んできたであろう青い薔薇を2輪くれた。

「ちちうえとてぃーからよ」

「ありがとう」


結婚式以降庭で育てられている青い薔薇。

この青い薔薇、なんとヴィーが品種改良して作ったらしい。

結婚記念日には毎回この薔薇を使って白い薔薇も11本入れた花束をプレゼントしてくれる。

結婚式のブーケと同じである。

あれから変わらず、私を愛してくれるヴィー。

「ティーがどうしても母上に渡したいと言うから。息子には負けてられないだろ?」

とヴィーが張り合っている。


ティアンを抱き上げる。

「ははうえ、あかちゃんげんき?」

「元気いっぱいよ!お兄様の声が聞こえるからたくさん動いてるわ」

「ほんとう?」

と目を輝かせるティアンは本当に可愛い。


「ティー、母上はお腹が大きいから私の上へおいで」

「はあい」


そう。私は今また妊娠している。


そして、有言実行ミーナもまた妊娠している。

何とお相手はサイラスである!

サイラスは細やかにミーナの世話を焼いていて良き旦那様をしている。




可愛い息子に、ちょっと愛が重いけど優しい旦那様。


「ヴィー、愛しているわ」


初めて自然と口にした言葉にヴィーは固まった。

「ははうえ、てぃーもあいしてる?」

「ええ。ティーももちろん愛しているわ」

「ふふっ」

と可愛く笑うティアンについ笑いが零れる。



「フィー、幸せかい?」

とお父様。

ティアンが生まれてすぐ爵位をお兄様に譲ったお父様は、現在うちで一緒に暮らしている。


生まれた時には、ハードモードすぎて辛かった私の幼少期。

可愛い息子を見ていると、余計に母の気持ちはわからない。感情の起伏も少なかった私がこんなに息子を可愛いと、夫を愛おしいと思えるようになった。

お父様の献身もあって今がある。

お父様が未だにあの時のことを気に病んでいることは知ってる。だけど私はお父様のもとに生まれてこれて良かった。



そして、声を大にして言えるわ!




「ええ。お父様!私、幸せよ!」




~fin~


最後までお読みくださった皆様には感謝感謝でごさいます!

執筆が滞り、完結までに1年以上かかってしまいました。

登場人物がどんどんフェードアウトしていったのが、心残りでもあるのですがこれにて一旦完結とさせてください。

ありがとうございました。


あやとり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 読ませていただきました、面白かったです ヒーローが頼りない分主人公がしっかりしてるから・・・
[良い点] 後書きでたまにあった ヒーローでいいのか?ヒーローとは?と悩んでいる作者の呟きに共感しながらも何だかんだ上手くいってるからいいじゃんと言える状態で憂いも無く笑ってしまいました 主人公の無…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ