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85.我が子がかわいい


久しぶりに自宅へ帰ってくると、使用人一同でお出迎え&謝罪されたのだった。

それをサラッと受け入れる。もう忘れていたとは言えない。


それからは自宅でも穏やかに過ごすことができた。

ピクシーで妊婦用のドレスやナイトウエアも販売を始めた。


お義姉様と私が着用して夜会へ出たこともあって、売れに売れている。

3年前に出産したアメリアお義姉様の時にも思いついてたらよかったんだけど、自分が妊婦になってみないとわからないこともある。次の妊娠の時にはお贈りしようと思う。



どんどん大きくなるお腹に自分でも不思議な感覚である。

それこそどんどん足元が見えなくなるものだから、誰かの手を借りながら移動するようになった。

ヴィーは毎日話しかけ、お腹を撫でている。

蹴るようになってからはよりたくさん話しかけている。


そうして臨月に入ってからは

「お母様を苦しませるんじゃないぞ!速やかに出てくるんだぞ!」

と毎日のように言い聞かせている。


獣人と人族とのハーフでも、10ヶ月というのは変わらないようだ。

生まれてくる子も獣人寄りになるのか、人族として生まれてくるのかはわからないそうだ。

ただ、私とヴィーの子はかなり魔力量が多い事だけはわかる。

どんな属性の魔法を扱うようになるのか楽しみだなあ。




そして、その日はやってきた。

ヴィーの毎日呟き続けた言葉のおかげなのか、安産ですぽんっと生まれてきた我が子。


ヴィーにそっくりのまあるいお耳と尻尾を付けた男の子。

かわいい。


「リー!!!お疲れ様!ありがとう!!」

「ヴィーにそっくり」

「ああ。目が開いてないから色はわからないが獣人の血が濃くでてるようだね」

「かわいいわ」


ヴィーの白を受け継いだ息子。

ヴィーはアルビノだと思ってたけど、そうじゃないかもしれない。

けどまあヴィーがそれで楽になれたのだから黙っておこうと思ったのだった。


「ヴィー、名前は考えた?」

「うん。ティアンはどう?」

「かわいいわね。ティーね」

「そうだね。私達の愛称とお揃い」


生まれた我が子は、『ティアン』と名付けられた。


子供が生まれる時には屋敷に来ていたお父様は、お耳と尻尾が付いた赤子が可愛くて堪らないらしくメロメロになっている。

それから、ヴィーのご両親である前両陛下もやってきて、初孫だと大喜びしていた。

もう一人のお父様であるレインさんももちろん来てくれて、メロメロになっていた。


産後の肥立ちもよく、割と回復も早かった。

乳母を雇わず、ミーナや他の使用人に手伝ってもらいながら子育てをすることにした。

ちなみにミーナは、可愛い息子を見て

「次のお子様のときには絶対乳母になって見せます!!そしてお坊ちゃま方の乳兄弟に!!」

と野望?を抱いていた。


息子がハイハイをし始めると、おいでおいでと皆が争奪戦である。

そしてずり寄って来ては、にぱぁと笑うのだから皆が悶絶するのもわかる。

かわいい。かわいすぎる。

ヴィーの耳と尻尾でも可愛いのに赤ちゃんの耳と尻尾とか可愛すぎでしょう!!



そうそう、私が動けるようになってティアンの首も座るようになって神殿へも報告に行った。


神様ー!!子供が生まれました!


『フェイリーク、ヴィット久しぶりねー!

その子がティアンね!可愛いわ~。ティアンにも加護付けちゃおう~』


と加護と祝福を軽いノリで付けてもらった。


『いい子に育つのよ~』


と言う神様を、ティアンはジッと見つめていた。


次回、最終回です!

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