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82.里帰り


実家に帰らせていただきます。と言ってみたかったセリフを書置きしてヴィーのいない隙にミーナを連れてフォレスト家へと転移する。

お父様の魔力を辿って・・・どうやら今は執務室にいるようだ。

驚かれるだろうが、お父様の元へと転移しよう。門前とかでもいいんだけど、転移した後どうなるかわからないからと言い訳をしてみるがその実少しお父様が恋しいのである。


そして転移する。


「・・・ゴフッ・・・。フィー?!」

休憩中だったようで、紅茶が驚きで零れてしまって少し申し訳ない気持ちになった。


「お父様!ただいま戻りました!」


「急に、どうしたんだい?何かあったのか?」


「しばらくこちらでお世話になろうと思います」


「殿下と喧嘩になったか?」


いいえ。と答えようとして魔力酔いが起きた。

頭がぐらぐらするし、気持ち悪い。とても立っていられない。


「フィー!!!」


とお父様の焦った声を聞きながら私の意識はブラックアウトした。




そして目が覚めた時、私は実家の自室のベッドに寝かされていた。


「目が覚めたか?全く無茶をする」

とお父様がずっと付いていてくれたようだ。


「ごめんなさい。お父様。でもすぐにでも帰りたかったの」


「ミーナから話は聞いたよ。まあでも皆が心配して過保護になる気持ちはわからなくもない。私だって心配だからな。でもそれが嫌で帰ってきたのだから、私も注意しないとな!フィーがどこかへ行ってしまう」


「しばらくこっちにいても良い?」


「ああ。お前の家だから気が済むまでいればいい。さて、殿下がいつまで大人しくしていられるかな。とりあえず今日はゆっくり休んでなさい」


とお父様が部屋を出て行ったので、私も休むことにする。




そして次に目覚めた時、もう夜になっていた。

ちょうど夕食の時間だったので、軽く着替えて食堂へ向かう。

久しぶりの実家での食事。

とウキウキ向かったのだが、匂いで泣く泣く断念せざるを得なかった。

部屋に帰って、食べられそうなフルーツを食べる。

暫くして部屋にウィル兄様夫妻がやってきた。

どうやらオーロラお義姉様が気付いたようだ。

「フィーもしかして妊娠しているのか?」

「何だって?!もう?」

とお兄様。

「はい」

「それで帰って来たのか?」

かくかくしかじか。


「なるほどな。私もそうだったから気持ちはわかる」

現在お義姉様も妊娠中である。今はもう安定期に入っている。

「ウィル、フィーを甘やかしすぎるなよ」

「だけど、心配になるのは当たり前だろう?」

「フィーはそれが嫌で危険を冒して帰ってきたんだぞ!」

「うっ・・・」

「お兄様、心配してくれるのは嬉しいですがあまりジッとしているのも良くないと思うの」

「そうだぞ。私の時も喧嘩になったじゃないか」


お兄様達も揉めたようだ。

中々子供に恵まれなかった2人には待望の子供だったわけで、それは過保護になりすぎる兄の気持ちもわかる。


「とりあえず、屋敷の皆への抗議のために実家へ帰ってきたのでしばらくお世話になります」

「それはお前の家なのだから好きなだけいればいいが、殿下は納得しないだろうな」

「でも、安定期までは絶対こちらで過ごすわ。馬車も転移も不安だから」

「そうだな。まあオーロラと2人でゆっくり過ごせばいいよ」

「体調がいい日には庭に出たり、お茶をしよう」

「はい!ありがとうございます」



読んでくださっている皆様、そろそろお気づきかもしれませんが

あと残すところ数話となりました。

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