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78.結婚式

 

私は朝からミーナに全身を磨かれていた。


そう。本日は私の結婚式である!


「お嬢様、いつも大変お美しいですが今日は格別お美しいです!女神です!!はあ。やつに渡してしまうのが本当に本当に悔しいですが、私も連れて行ってもらえるので我慢します」


ヴィーが媚薬を盛られた次の日私が動けなかったことも影響して、相変わらずミーナにとって敵である。

ミーナはブツブツ言いながらもどんどん手を動かしていく。

私に似合うメイク。少しハッキリしたメイクを施すけど、素材を生かす絶妙な技術である。

目はぱっちり大きく、清楚でありながらドレスに合うように大人の女性らしさがでるようなリップの色。


「ミーナ、やっぱり上手ね!」

「お嬢様は元々お美しいですから!」


メイクが終わったところで、ヴィーがやってきた。

どうしてまだ完成しても無いのに花婿が来たのかというと


「リー!!女神のように美しいよ。私の運命!!」

と抱きしめてくる。

「殿下!メイクが付いたらいけませんので早く離れてください!!」

ミーナが怒る。


「はいはい。リー!今日も髪を結って」

そう。三つ編みをするためだけに来たのである。

ミーナは仕上がっても無い状態の部屋に来ることを渋っていたけど、ヴィーはこの日こそ譲れない!と言い張り現在に至る。


ヴィーの髪を結んで、結び目には私の色のリボンを結ぶ。今日の日のために、太めのリボンに刺繍をして用意しておいたのだ。


「はい完成!」

「ありがとう!リー、このリボン・・・」

「今日の日のために刺繍をしておいたの」


震えだすヴィー。

そして腕を広げて私を抱きしめようとしたところで

「殿下そろそろお帰りください。まだ準備が終わっていませんので」

とミーナにピシャリと言われて、さすがに今日は仕方ないとヴィーも自分の支度部屋へ帰って行った。



ヴィーが帰ったところで、髪のセットからだ。

髪は全部結い上げる。元々のふわふわな髪を生かしてルーズだけどすっきりまとめ上げる。


ドレスを着て、ティアラを載せてマリアベールを被る。


最後にヴィーが用意してくれた青の薔薇を基調に白の薔薇が11本入ったブーケを持つ。

前世でも青い薔薇なんて見たことがなかった。すごい素敵!さすがヴィー。センスがいい。



花嫁の完成だ。

自分で言うのもなんだが、すごく綺麗。


鏡を見て感想を思い浮かべているところに


「フィー、準備はどうだい?」

とお父様がやってきた。


「終わったわ。どう?」

と問いかけると


「ああ。すごく綺麗だ。さすが私の娘だ」

「ありがとう。お父様」

「婿入りでよかった」

「ふふっ。そうね」


と話をしながら馬車へ向かう。

馬車はいつもより豪華な王族仕様である。もちろん王家が出してくれた。

お父様にエスコートされ中に入ると、もう一人のお父様。


レインさんだ。


私は二人と一緒にヴァージンロードを歩くのだ。

レインさんは、辛い時も嬉しい時も傍にいてくれた大切な人。今の私がいるのもレインさんのおかげだ。

そんなレインさんともバージンロードを歩きたいと我儘を言ってみたら誰も反対しなかった。

レインさんは大喜びしてた。


そして向かうは神殿である!

どこで式をするかという話になった時、私もヴィーもお父様も神殿一択だった。


神殿へ到着すると、いよいよ結婚式だ。


ヴァージンロードの先には、真っ白のタキシードを身に着けたヴィーが待っている。

お父様とレインさんに手を引いてもらってヴィーの元へと送ってもらう。

お父様もレインさんも大泣きである。


ヴィーの元へとたどり着くとヴィーも緊張してるのか尻尾がピンッと立っていた。

「リー、すごくすごく綺麗だ」

「ありがとう。ヴィーも素敵よ」


そして私達が誓うは神様だ。



婚姻の証にピアスを交換して着け合う。

お互いの左耳にお互いの色、お互いの魔力を込めたピアスを着けるのが獣人の結婚の証らしいのでそれを取り入れてみた。

ヴィーと相談して形はティアドロップに。



『おめでとう!フェイリーク!ヴィット!』


と来客全員に聞こえるように言うものだから、会場がざわつき始める。


『私の可愛い子。幸せに』

とキラキラな何かを出す神様。

私たちはきっと光り輝いていると思う。


参列の皆から割れんばかりの拍手を受けて私達の婚姻が成立した。


やっと結婚式まで辿りつきました。

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