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71.緊急事態


お父様と陛下がセリアンスロゥプ側へと話をしに行ったが少し渋っているらしい。

というのも王太子殿下にも第三王子殿下にもまだ婚約者すらいないからである。

セリアンスロゥプ側が渋ってもお父様と陛下はもう譲らないだろう。

違う国それも王族との婚姻は難しいよね。国内貴族なら陛下が無理を通せば何とかなっても国外の王族相手だからうちの陛下の一存ではどうこうできないところが大変だ。

お父様も縁談がきてからずっと頭を悩ませっぱなしで申し訳ない気持ちでいっぱいである。




その日私はのんびりお茶をしながらピクシーの新作に付いて考えていた。



すると急に

サイレンが脳内を駆け巡った。


これは!ヴィーが危険!?

咄嗟のことだったが直感でそうに違いない!と思った。


「ロイ!セオ!!ヴィーが危険だそうなの!!助けに行くわよ!」


「「了解!」」

聞き直すこともなくすぐに了承してくれるのはありがたい。


「私たち強いしこの人数で十分でしょう。ミーナ、お父様と一応レインさんにも連絡しておいてね」


「はい」

と駆け出すミーナ。


そして私はヴィーの魔力を意識し、転移した。





するとびっくり。

真っ赤な顔に涙目で、息を荒くし、髪も服も乱れ壮絶な色気を放つヴィーがベッドの上に腕を柱に括りつけられた状態で乗っていた。


あらまあ。

危険ってこっちの意味?


「リー!?」

「なあに?」

「来ちゃダメだ!」

と必死に首を振るヴィー。


「どうして?」

「・・・びやくを盛られてる・・・」

そうでしょうねえ。かわいそうに。

早く解放してあげないと。

「ヴィー少しだけ待っていて」


さて、ヴィーと話しているけれどいるのよね。犯人が。

くるりと反対方向を向くと、これは意外!結構大人しそうな獣人の女性。


「どこのどなたか存じませんがわたくしのお婿さんに手を出すなんて、どういうおつもり?」

まあおつもりも何も既成事実を作ってやろうとしたのだろうけど。

女性はシュミーズドレスだ。到底人前でする格好ではない。


「殿下は私と番うのです」

「で?」

「で?とは」

「ですからあなたと番って何のメリットがありますの?国家間の国益以上のメリットがありますの?」

「メリットなど関係ないわ!私は殿下を愛してる」

「また愛してるですか。わたくしのお婿さんはモテますわね。でもヴィーはあなたには全く興味はないでしょう?だから媚薬を盛ったのでしょうけど」



「憐れですわね。ヴィーはこんなになってもあなたとは嫌ですって」

「あなただって嫌がられてたじゃない」


「いやじゃない!いやなわけがない」

とヴィー。


「ですって。ヴィーを助けないといけませんから、もうあなたを捕らえますね?」

ニッコリ。そして蔦からの鳥かご。

もちろんこの女性は護衛というか、行為を遂行するためにドアの外にたくさん人を用意していたのだけど、私の優秀な護衛達があっという間に捕らえて女性と同じかごに放り込んだ。

服なんか着せてあげない。


一応聞いておくか。

「解毒薬はどこです?」


「あるわけないでしょう?」

と私を睨みつけてきた。やはり。


「そう。ならあなたはそちらでたくさんの殿方にそのお姿を見られながら、沙汰を待つといいわ。無事だといいわねぇ」

とにっこりしておく。無事で済まされるわけが無いけどね。



「さて。私はヴィーを助けないといけないから、あとは頼むわね」


「旦那様とレイン殿下連れてくるわ」

とロイが言って転移して行った。


「姫。助けるってまさか・・・」


にっこり。


「じゃあヴィーは連れて帰るわね」

とヴィーの縄をほどいて手を繋いで転移する。



そう私の寝室に。


このお話を書き始めてから気付いたら一年近く経っていました!

不定期更新にもかかわらず読んでくださってる皆様には感謝申し上げます。

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