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69.ファールは平和です


それからお父様に色々説明したのだけど、全然信じてなくてまた神様に会いに行ったりもした。

そしたらようやく渋々納得して、私が天寿を全うできることには安堵していたみたい。

ただ、ヴィーの件はまだまだ許せないそうだ。

神様が言うのだからと言い聞かせてみても、神様から聞いてもそれが受け入れられるかというとそういうものでもないらしい。

が、ファールでヴィーと会うのは良いと多少譲歩してくれた。

セリアンスロゥプのことはまだまだ許せないらしい。



ヴィーとはファールで夜会に出たりもしたけど危険は特に無く、ヴィーが私にべた惚れであるという事実は社交界を駆け巡った。

王族の皆様への挨拶の時ですら私を離すことなく、尻尾を巻き付けている。リアム殿下とローガン殿下の時は明らかに引っ付いている。リアム殿下もローガン殿下もヴィーも目が笑っていないし心なしか火花が散っているようにも見える。

リアム殿下もローガン殿下もヴィーのやらかしを知っているし、ローガン殿下に至っては自分のせいでと思っている節があるので複雑なのだろうとは思う。

それを宥めるのが私の役目である。

といってもヴィーはチョロいので簡単に誘導できるのだが。


「ヴィー、王家の皆様に喧嘩売ってはいけません」

「喧嘩売ってるわけじゃないよ。牽制してるだけで」

「?牽制?する意味ありまして?」

「殿下方とは仲が良かったと叔父上から聞いてる」

「それは幼い頃ですし、わたくしが訳アリだったからですわ」

「リーを見る男がいるのが嫌だ」

「見ても減りませんのに」

「減らないけど、私のリーなのに」

「はいはい。私の婚約者はヴィーで、唯一の番で引き離せないのだから目に入るぐらいは許しなさいませ」

ポンポンとエスコートの腕を叩いてあげる。


「はあ。あんまり束縛したらリーに逃げられちゃうから我慢する」

「そうですわね。危ないところでしたわ」

というとガバリと抱き着いてきた。


「リー逃げないでよ!」

「はいはい」

とぐりぐり頭を押し付けてくるので今度は背中をポンポンと叩く。ついでに可愛い耳もさり気に撫でておく。

「リー!!愛してる!!」

と暴走するまでが割と一連の流れだったりするわけだが、そんなヴィーがだんだん可愛く思えてきているのだから私も絆されてきているのを感じる。



デザイナー業ももちろんしている。

ヴィーのセンスが良いのでヴィーと一緒にデザインを考える事もあって、最近の夜会は二人でデザインして揃いの衣装で参加している。

ヴィーに私のドレスのデザインを任せるとまた私のとは違うデザインになって面白い。でも似合うデザインにしてくれているので私も新しい発見だな!と思いながらありがたく着ている。

ヴィーと婚約が決まった時は、セリアンスロゥプへ支店を出そうかなと考えていたけれど色々ありすぎてそちらの方は今はもう諦めている。


ファールでは割と平和に過ごしていると、お父様から提案があった。


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