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62.どこにでもお馬鹿はいる

 この婚約式はセリアンスロゥプの全貴族とファール国からもローガン殿下や上位貴族が招待されている。


「リー、絶対に私から離れないように!」

「わかりましたわ」


何もなければ御の字ね。とこっそり思っている。


入場の時間になり、陛下から順に入場する。

私たちは今日の主役なので、最後だ。


入場するなり、セリアンスロゥプ側の貴族から好奇の目で見られているのがわかった。


「リーのこと見てる子息が多い!」

「今日は私たちが主役ですから、私達を見てるのですわ」

となだめる。


「本日は皆よく来てくれた。皆に知らせておった通り、第二王子であるヴィットとファール国のフォレスト公爵令嬢であるフェイリークが無事婚約に至った」

紹介があったので2人で礼を取る。


「それから2人は、我々獣人の憧れでもある番である」


ざわざわとセリアンスロゥプ側の全員が驚きの声を上げる。


「セリアンスロゥプとファール国との懸け橋にもなるだろう。これからの2人のことを祝ってくれたら嬉しい。皆楽しんでくれ」


と陛下の挨拶が終わる。


挨拶が終わればファーストダンスだ。

もちろん本日の主役の私たちから。


「リー、皆私たちの方を見ているよ」

「そうですわね。陛下から番であると発表もありましたから疑心暗鬼なのもあるのでしょうね」

「本当なんだけど、私にしかわからないのがな…」


ステップを踏みながら会話をする。

ジッとヴィーに見られて

「どうかしまして?」


「いいや。まだ夢みたいなんだ。リーと婚約できたのが」


「まだ言ってますの?」

何回もしている会話だ。


「ルイスも言っていたが可愛くて優しくて、完璧なリーは私にはもったいないぐらいだな」


「まあ。ありがとう存じます」


「リーに好きになってもらえるようにもっと頑張るよ」

とりあえず微笑んでおく。

見た目は好きよ。言わないけど。


ダンスを二曲踊った後は、挨拶だ。

私は基本的にはヴィーの隣で微笑んでいるだけでいいと言われている。

まあ、答えないといけない質問には答えるが。


穏やかに挨拶の時間は過ぎていく。


だけど、そんな簡単にいくはずがなかった。


少し休憩のためにヴィーが飲み物を取りに行ってくれていたときだった。


「番なんて嘘なんでしょう?」

と少し年上だろうか妖艶な女性が声を掛けてきた。


「番なんて存在しないし、ヴィット殿下が本気になるわけがないわ」


「そうですわ。わたくしとも楽しみましたもの」


「わたくしも」


と続々とヴィーと遊んでいたであろう令嬢が集まってくるではないか。

「あなたとは政略結婚なのでしょう」


「少し美しいからってヴィット殿下が本気になると思わないことね!」


「悔しくてだんまりですの?」


へぇ。

「この国では挨拶も無く騒ぐのが常識ですの?」

小首を傾げる。

「なっ!」


「わたくし一応公爵令嬢なのですけれど、あなた方は公爵家ですの?それともセリアンスロゥプでは爵位が下の者でも上の者に話しかけてもよいのかしら?」

とこれまた小首を傾げる。


「それに、陛下のお言葉聞いておりまして?

わたくしは陛下も認める婚約者、番であるとご紹介がありましたでしょう?

お疑いになるの?陛下のお言葉をお疑いに………

不敬罪ってご存じ?」

貴族的な笑顔を張り付けておく。


「脅す気?」


「脅してはおりませんわ。事実でしてよ?」


「公爵令嬢か知らないけど、どうせヴィット殿下は側室や愛人をもつでしょうね。あなたみたいな人が妃なんて」


あららー。言ってはいけないこと言ってしまったねー。



誤字脱字報告ありがとうございます。

助かります。

明らかな間違いは訂正しておりますが、漢字にも変換できるところを平仮名表記など平仮名にしておきたいところもあったりするので訂正を入れない所もあります。

緩く見て貰えればと思います。

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