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45.レイン視点

本日2話目です。

 セリアンスロゥプの要人を招いた夜会に私も出席していた。

姫と共に過ごす。今日は甥も来ていると話しているとルイスがやってきた。

ルイスは第三王子で気さくだ。


一緒に来ているはずのヴィットは?と問うと、花を愛でていると濁したが私も姫もわかった。女性を口説いているのだろうと。

ヴィットは昔からそうだ。小さい時はまだよかった。子供だから。大きくなると女性を侍らせるようになる。

注意をしても聞かず、あっちへふらふらこっちへふらふら来る者拒まず去る者追わずだ。

どうしてああなってしまったのか。兄上ももっと注意しろ!と思う。甘やかした結果があれだ。

しばらく会っていないが、今も変わっていないようだ。


ルイスが姫に挨拶する。

そこで私の正体に気付いた姫が、態度を変えようとしたが私はそのままでと頼んだ。

そうなるのが嫌で黙っていたのだから。


そのあとは姫とダンスをして、ローガン殿下の婚約者の問題を解決した。私はそれぐらいでは怒らない。まあ姫がいたからというのもある。ルイスもそれぐらいでは怒らないが、我々が王族であるというのが問題であるのでローガン殿下の婚約者には退場してもらった。

さすが姫である。対処が素晴らしい。


疲れた姫が帰った後、ルイスと話をしていた。

ルイスが姫を気に入ったようだったし、2人の相性も悪くなさそうだったが姫には無理に王族と結婚なんてしてほしくない。お互いに好きあったなら結婚すればよいと思う。

が、やめておけと言っているところに

ヴィットがやってきた。

するとヴィットがいい匂いがすると言い出した。だが私もルイスも特にそんな匂いはしなかった。

思い当たることも無いため、その話は流れた。


2か月ほどたったとき、兄上からある令嬢を探していると手紙がきた。

何か所かの夜会をピックアップしており、そこにだけ出ている令嬢を探してほしいと頼まれたので調べると

王家主催の物ばかりで、それにだけ出ていたのは姫だけだった。だから伝えた。それがあんなことになるなんて思わなかった。


それからひと月ほどして、ファール国の国王に呼ばれて行ってみると姫と公爵もいた。

話を聞いてみると、ヴィットとの縁談だって!?

すぐにお断りを。と言ったが断れなかったと。

姫は気丈にも大丈夫だと言っていたが、よりにもよってヴィット。ルイスの方がマシだ。どうしてヴィットなんだ。

私も顔合わせに付いて行くことにした。


すると、ヴィットはおらずこの時点で私は腹が立っていた。

脅すように婚約を命じた兄上も義姉上も、この場にいもしないヴィットにも。

そして遅れてやってきたヴィットは、こともあろうに姫についての文句を言いながら侍女をたくさん連れてやってきた。

は?番がいる?それなのに姫と婚約?それ以前にお前は姫のことを何も知らんのに口にするな!!!


姫も思うところがあったのだろう。

「私今まで何のために我慢してきたのかしら?それなら私も許されるでしょう?」

小声だったが私には聞こえた。

そうだ。姫は大人なのだからと私たちとの接触を無くしてきた。寂しそうな顔をしてそのままでもいいと言ったのにも関わらずあれから姫は我慢していた。

それなのに相手はたくさんの女といるのだから腹が立つのは当然だろう。


「陛下、王妃殿下、恐れながら第二王子殿下はわたくしとの婚約がご不満なようです。

わたくし側妃ですか?それともお飾りの正妃でしょうか?どちらでも仕事は致します。つきましてはまたお知らせくだされば王子妃教育も受けますのでまた日時をお伝えくださればと思います。今日のところはわたくし失礼致しますわ。ごきげんよう」


そう言って姫はロイに抱っこしてもらって帰っていった。そう抱っこで。

番がいるのに結婚しろと命令されるなど、それこそ側妃かお飾りの正妃だ。

姫が言っていることは正論だ。兄上は何を考えてるんだ。

大事な姫になんてことを!!!


ファール国王は国との繋がりを切ってまで姫を守ろうとしている。


兄上と義姉上がおろおろしだしたところで

私の堪忍袋の緒がプツリと切れた。


「ヴィットーーーーー!!!!!!!」




第二のお父さん

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