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43.ファール国王視点

本日も2話更新予定です!


始めて国の名前が出てきました。

フェイリーク達の住んでいる国はファール国です。

 私はファール国の国王をしている。国も安定しており王妃とも仲が良く、2人の息子に恵まれた。

2人の息子には宰相ルーカスの息子達が年齢も近く、私たちも幼馴染ということもあり学友になった。


その後ルーカスのところには女の子も生まれたらしいが仕事が忙しくすぐにうちへ帰してやれなかったことは後悔している。

一度家に帰ったルーカスは、初めての女の子ということでそれはもう顔が蕩けるほどに喜んでいた。

だが滅多に家に帰れず、帰ってもすぐに戻ってきて仕事という日々を3年続けていたところ。

娘のフェイリークの様子がおかしいことに気づいた。


ルーカスの両親が娘を連れて王宮へ飛び込んできた時のことは今でも忘れられない。

ガリガリに痩せていて、小さな小さな女の子でとても3歳には見えなかった。見てわからなかったルーカスもどうかと思うが、まさか奥方が息子は可愛いが娘を虐げているなんて誰が思うだろうか。

子供の声を奪って話せないようにするなど誰が思いつくだろうか。


その小さな子は痣だらけで骨が折れているにもかかわらず、カーテシーをしてみせた。

あんなに小さな子ができることではない。一生懸命頑張ったのだろう。痛ましかった。


ルーカスは家へ帰り、奥方や使用人を整理した。

フェイリークは王宮で療養することを提案した。王妃もフェイリークを可愛がった。

だが、そんなフェイリークをよく思わなかった侍女が毒を盛った。毒に倒れたフェイリークの喉は声が出せないことを悪化させてしまう結果となってしまった。


丁度隣国から来ていた王弟が魔法のスペシャリストであるということとフェイリークが懐いたことで解術ができることとなった。


娘のためにルーカスは宰相を辞めた。

あんなルーカスと娘を見て辞めさせてやらないほど私も困ってはいない。


その後のフェイリークの頑張りはすごかった。勉強はもちろん、王妃が教えた淑女教育にマナーは実は王妃教育であった。それも難なくこなし、魔法も王弟から学び、護身術までと。攫われても返り討ちにするほどの技術を身に付けた。


そしてフェイリークは美しく成長した。


それを妬んだ令嬢の筆頭が第二王子ローガンの婚約者だった。

ローガンがあの令嬢を選んだのは、誰でもよかったから親の圧力も強くなくまあ自分を好いてくれるのならそれでいいか。という適当な理由からだ。

それがあんな結果を招くとは誰が思おう。


獣人の国セリアンスロゥプの要人を招いた夜会でやらかしてしまったのだ。

しかも、王弟と王子がいるところで獣人を見下す発言をした。

フェイリークが素早く対処したおかげで、大事にはならなかった。


だが数ヶ月後。

セリアンスロゥプからフェイリークを会ったことも無い第二王子の婚約者にと打診があった。

だがフェイリークの過去を知っている人間としてはフェイリークには幸せになってほしいと思い断った。

それでもセリアンスロゥプからはフェイリークを求めると言うので、他の令嬢ではダメかとも問うた。

だが、他の令嬢ではダメだしフェイリークを婚約者にできないならこの間の件をと許したはずの話を持ち出してきた。


反則だろう?それは断れない。

ルーカスにも伝えたらルーカスは泣いていた。それはそうだろう。ルーカスが誰よりも娘が幸せになってほしいと思っているのだから。

それでもフェイリークは受けてくれた。


そうして私も心配で隣国での顔合わせに付いて行ったら。


何だあれは。

うちのローガンも馬鹿だが、馬鹿の次元が違うではないか!あれがフェイリークの婚約者だと?

マナーも何も無いではないか。

婚約者が来る場に来ず、来たと思えばほかの女を侍らせている。


見た瞬間にフェイリークは何かを呟いて、自分の言いたいことを言って転移していった。

本当に転移を条件に入れておいてよかった!


「セリアンスロゥプの王よ。フェイリークでないといけないのではなかったか?

側妃やお飾りの正妃にさせるためにこの国へよこすなら私はこの国と縁を切っても構わないし、この間の件なら慰謝料はきっちり出す。

フェイリークのことは諦めてくれないだろうか」


側妃?お飾りの正妃?仕事だけさせる?

許すわけがないだろう!!こんなやつと結婚させてたまるか!国際問題になっても構わない!!


しばらく他視点続きます。

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