42.最悪の出会い
本日2話目です。
「それで、娘のお相手はどこです?」
とお父様。
「それがな…」
言葉を濁す陛下と苦々しい顔の王妃様と王子達。
なるほど。またお花を愛でているのですか。
「第二王子はこの婚約を認めていないのだな?」
とうちの陛下。
「それが…」
と話しかけたところへ
「父上、母上、私は婚約などせぬと言っているではありませんか!!番が見つかったかもしれないと伝えたでしょう!!それに、噂では話せないそうではな い で す か …」
と大声で外から話しながら入ってきた。それも侍女を侍らせて。
で、こちらを見て固まった。
「あちゃー」
と第三王子殿下。
「へぇ」
つい低い声が出た。
「私今まで何のために我慢してきたのかしら?それなら私も許されるでしょう?」
「フィー?何て言ったんだ?」
「陛下、王妃殿下、恐れながら第二王子殿下はわたくしとの婚約がご不満なようです。
わたくし側妃ですか?それともお飾りの正妃でしょうか?どちらでも仕事は致します。つきましてはまたお知らせくだされば王子妃教育も受けますのでまた日時をお伝えくださればと思います。今日のところはわたくし失礼致しますわ。ごきげんよう」
とカーテシーをして。
『ロイ抱っこ』
と念話で頼んでお姫様抱っこで帰る。
「セオのところへ」
「わかった」
「陛下。お父様後のことはよろしくお願いいたします」
転移。いつでもどこでも転移の条件付けててよかったー!早速使っちゃったわ。
「セオー!!!」
と抱き着く。
お耳ももふもふさせてもらう。
「姫久しぶりですね」
「私もう我慢しなくていいと思うの。何のために皆から頑張って離れてたと思うの!」
そう。私はミーナに指摘されてからめちゃくちゃ我慢した!もふもふも抱っこも。
「ロイ何があった」
「向こうへ着いたら、お嬢様の相手の第二王子だけいなかった。しばらくして婚約への不満を言いながら侍女を数名侍らせながらやってきた。それでお嬢様がキレた」
「最悪じゃねえか」
「お相手は博愛主義らしいわ。すでに番も見つかっているのですって。私は側妃かしら?お飾りの正妃かしらね?」
「はあ?番が見つかってるのに姫に縁談?意味が分からん!!」
「どっちになっても私はいらないみたいね。それでもお断りできないみたいだから仕方ないわよね」
セオにぎゅうっと抱き着く。
ほんとうに
「私の人生なんなのかしらね…」
呟かずにはいられなかった。
顔合わせの日に来ない息子を諫められない親って何?それも国王よ?
皆苦々しい顔するより捕まえて無理やりにでも連れて来ている方がよっぽどマシだわ。
常識も知らない相手が私の結婚相手?
番がいて、顧みられない王子妃。ほんと何それ。何で両陛下はその番を婚約者にしなかったわけ?
どうして私なの?
普通の人で良かったのに。恋愛結婚じゃなくとも、家族としてやっていけるような常識を持った人であれば誰でもよかったのに。よりによって…
「セオ、ロイ、隣国へ行くの私と一緒に来てくれる?」
「「もちろん」」
「ありがとう」
「姫大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。しばらくして心に整理が付けば大丈夫。今はそっとしておいてほしい」
セオは優しく頭を撫で続けてくれたのだった。
クズかよ( ¯−¯ )と思いましたか?