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4.父(ルーカス視点)

 うちには可愛い子どもが3人いる。長男は私にそっくりだし、次男はオリヴィアにそっくり。

少し年の離れた娘は私にもオリヴィアにも似ていて、それはそれは可愛い!

見た瞬間に妖精みたいだと、フェイリークと名付けた。

男の子の名前しか考えておらず、私が帰るまで名無しだったのは可哀想なことをした。


私はこの国の宰相の座に就いている。それ故ほとんど家には帰れてない。息子達は王子のご学友として、登城しているからよく会うのだが

娘とはほぼ会えない。

そんな可愛い娘は、まだ言葉を発さない。

1歳になる前はふにゃふにゃと喋っていたのに、それっきり全く喋らない。もう3歳にもなるのにだ。


オリヴィアが医者にも見せたが原因はわからないらしいしな。


この間帰ったときは初めてご飯を一緒に食べたがほとんど食べないし、ぼんやり無表情だ。喋りかけると笑ってはいるのだがどこかおかしい。

そのうちフィーはぼんやりしてるかと思えば涙を流していた。

聞いても笑っている。なぜ泣いている?笑っている?


わからん。ウィルとヴェルのときはわかりやすかったのだが、女の子は難しいな…


「はあ」

ため息を吐いていると

「どうした?珍しいな」

陛下と騎士団長のヴォルフと一緒にいたんだった。私達は幼馴染だ。

「いやー。女の子はよくわからんなと思ってな」

「そうか?うちはわかりやすいぞ?」

ヴォルフのところも娘がいたのか。

「今日息子と来てるから見ていくか?」


子供たちを陛下が呼んだ。

「お前のところの娘はいくつだったか?」

「2歳になったところだ」


衝撃だった。


「お前の娘は年の割に大きかったりするのか?」

「いや、普通だぞ?」

「嘘だろ?」

「どうした?顔色が悪いぞ!」


「うちの娘、お前の娘より随分小さいんだ。もう3歳なのに!」


「は?」


ヴォルフの娘を抱っこしてみる。

「ありえない」

「今度は何だ!」

「うちの娘この子より軽いんだよ!それもかなりだ!」

あたられても知らんよな?すまん!動揺してるんだ。


すると、息子たちが

「フィーは何であんなに小さいのかな?少食だから?」

「なあ!お前たち、フィーは普段何を食べてるんだ?」

「知らないよ?僕達と一緒じゃないの?」

「知らないとは?」

「フィーは部屋で食べてるんだ」

「は?何で?」

「母上がフィーは部屋で食べるからって」


何だと?今までフィーは一人でご飯を食べてたのか?


「お前んち大丈夫なのか?」

ヴォルフに問われる。

大丈夫じゃないかもしれない。


「今日フィーは?」

「お祖父様とお祖母様が来てたから一緒にいるんじゃないかな」



と話していると、侍従が寄ってきた

「旦那様!大旦那様と大奥様がお嬢様を連れて来ています!」

「何だと?」


まさか。まさかまさか。そんなことがあるのか?

フィー!!


私が家庭を蔑ろにしたせいだ。

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