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37.苦手な人

本日も2話投稿です。

 私の苦手な人だ。

なぜかというと、ローガン殿下の婚約者だからだ。


「まあ!ごきげんようミリア様」


ミリア様のおうちは伯爵家。

この人もローガン殿下の婚約者というだけで私の家より爵位が低いのにものすごく尊大な態度で会うたびに絡んでくる。

婚約者だから話しかけられたら無視せずに話しているが、本当は無視しても許されるのだけど。


「今日も偉そうね。フェイリーク様」


「わたくし、偉そうにはしておりませんわ。爵位が低いものからは話しかけてはいけませんのよ?ミリア様もご存じなくて?」

当たり前のこともわからないのかよ。である。


「ご挨拶もしないのはどうかと思いますわ。上位貴族なれば下々を思いやるのが普通でしょう?」

下々…もう王子妃にでもなったつもりか?


「挨拶する必要がないからですわ。わたくしの過去について面白おかしく言っている人間にかける言葉などありませんの。思いやる必要がありまして?」


「そういうところが偉そうなのですわ。彼女たちが言っていたことが図星だから逃げたのでしょう?」


ああ。頭が悪いな。何でこんな人と婚約したのローガン殿下。

王子妃教育受けてこれなの?基本のマナーもできてないんだけど。



「ミリア様も同意見ということですね?わかりました。父に報告させていただきますわ」


「お父上がいないと何もできないのね」


好きに言えばいいわ。めんどくさい。


「お好きにおっしゃって。ああ。ミリア様、ローガン殿下にもお伝えしておきますわ。わたくし小さな時から交流がございますの」


「何ですって?待ちなさいよ!!」

と進もうとする私の手をミリア様がつかもうとした時だった。


「何をしている」


ローガン殿下だ。ライオネルとともに現れた。

「お嬢様!!大丈夫ですか?遅いので迎えに行こうというところで殿下と合流しました」


いいタイミングね!


「ローガン様、何もしておりませんわ。フェイリーク様とお話をしていただけで」


「フィーの腕をつかもうとしていたではないか。フィー何があった」


かくかくしかじか


「ということですの。ローガン殿下には申し訳ありませんけれど、こちらのミリア様はわたくし苦手ですの」


「すまない。フィー。ミリア、もうフィーに話しかけるな。そもそも話しかけてよい立場ではないだろう」


黙ってしまったミリア様。

だから婚約してだいぶ経つのに結婚してもらえないんだよー。


「ローガン殿下。今度ある隣国の方も来る夜会、この方気を付けていた方がいいと思いますわ」

とこっそり。


「ああ。すまない。気を付ける」



「さあライオネル帰りましょうか」

「はい。お嬢様」



帰宅して。父に報告だ。

「お父様、ただいま戻りました」


「おかえりフィー。どうだった?何もなかったか?」


過保護だ。

かくかくしかじか。


「なんだと?各家に抗議しておく!しかし、ローガン殿下も何でミリア嬢と婚約したのか」

「政略結婚?」

「いや。王家は安定してるから特に政略結婚などしなくていいと思うがな」

「では好きだったのかしら?」


あれを?王妃様も認めたの?不思議すぎる…。


「まあ何であれ、次の隣国の要人を招いての夜会で何もしでかさないといいがなぁ」

「ローガン殿下には注意喚起しておきました」

「さすがフィーだな」


「ライオネル、フィーに変な虫はつかなかったか?」

「はい。虫一匹近づかせませんでした」

「よくやった」

「ですが、お嬢様の魅力がより知れ渡ってしまいより多くの子息がお嬢様に惹かれていると思います」

「何だと?何があった!」

「ライオネルが大げさに言ってるだけで何もなかったのよ?」

「いえ。旦那様、お嬢様はご自分の魅力に気づいておらず笑顔を見せたり可愛い仕草をしたりと…」


話が長いぞライオネル。しかも護衛のひいき目ではないか。

もう私部屋帰ろ。


お馬鹿な令嬢現る。

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