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36.社交界

 デビュタントを迎えた私は少しだけ夜会に出るようになった。まあ王家主催の物ばっかりだけど。

公爵家のうちは、特に新たな繋がりも必要なく媚びないといけない家も無いからそこまで社交をする必要性に駆られていないという理由からである。


そして私が話せるようになっていることを気付いている人も一部いそうだ。夜会へ出たらパートナーとは普通に話しているしもう隠していないからだ。


父がパートナーを出来なかった夜会でライオネルをパートナーとして出席したら、それはもう会場が沸いていた。

まず、自分で言うのもなんだが美男美女のコンビだ。目立つ。

それから私たち世代はライオネルを知らないからあの素敵な人は誰だ?知ってる世代の女性からは嫉妬と羨望。

そして私のパートナーをしているということは婚約者だろうかもしくは婚約者候補だろうか。

等々の視線に話題だ。


「やっぱりライオネルは目立つわね」


「お嬢様が目立ってるんですよ」


「お人形だから?」


「まあ美しいのはありますよね。お嬢様とあわよくば結婚したい子息の視線も攫ってますね」


「今日はライオネルと一緒だからね」


「男は近付いてこないでしょうね」


「令嬢とご婦人はライオネルとお近づきになりたそうよ?」


「勘弁してくださいよ。僕はお嬢様から離れませんよ」


「ふふっ。そんな自信満々に言わなくても」


ざわざわ…


「あー!!お嬢様こんなところで笑ってはいけません」


「どうして?」


「余計に男が寄ってくるではないですか!」


「ライオネルが離れないんでしょ?じゃあ大丈夫じゃない」


「もう!お嬢様そういうとこですよ!!」


そういうとことは?と首を傾ける。


「その仕草もダメ!お嬢様自覚を持って!!お嬢様は美しい、可愛い!妖精!わかりました?」


とりあえずコクコクと頷いておく。


「本当にわかってます?はあ。これは大変だ。旦那様に報告しないと」


そんなよくわからない会話を繰り広げながら毎回過ごしている。

ライオネルのおかげで男性は近寄ってこない。

女性たちからは相変わらず酷い言われようだがそろそろ言い返してもいいかもしれない。公爵家が舐められては困るからね。


さすがにお手洗いにまでライオネルが付いてくるわけにはいかないから待っていてくれるのだが

一人になると女性に囲まれた。


「フェイリーク様ごきげんよう」


爵位が低いものからの声かけはしてはいけない暗黙のルールすらわかっていない令嬢など無視である。


「まあ!無視するの?公爵令嬢が。挨拶もしないのですって」

「喋れるのに無視ですわよ」

「今までは話せないから許されていましたがもう話せますのに」

「今までのも嘘ではなくて?」

「嘘で同情を引こうとしていたのかしら」

「まあ!」


はあ。めんどくさいなー。阿呆なのかな。

伯爵家以下がよってたかったところで不敬罪にしかならない。


「なんだかうるさいわ。コバエかしら?」


「なっっ。私たちをコバエですって?あなたね!!」


「爵位が低いものから話しかけてはいけないと教わらなかったのかしら。教育も受けていないのね。そんなこともわからず騒いで。まったくうるさくてかなわないわ帰り次第お父様に相談しましょ」


父から抗議するぞ

である。

無視して進む。


「まあ。良いご身分ね。自分より下の人間とは喋らないということ?」


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