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28.その時が

更新が遅くなりました。

 あれから3年。そう私は13歳になった。

3年の間に私は、服飾のブランドを立ち上げた。

その名も「ピクシー」妖精だ。

私の名前から言語を変えた名前にしてみた。きっかけは何もすることがなかった日にたまたまお絵描きをしていたことから始まった。


何となく、自分が着たい衣装を描いていた。

10歳だった私は、子供っぽすぎる服も嫌だし大人っぽすぎる服も子供らしくないしな。

と何枚かデザインを起こしていた。

するとそれを見たミーナがお父様に掛け合い、お父様が駆け出しのデザイナーを連れて来てブランドを立ち上げる運びとなった。

ただただ着たいデザインを描いていただけだったのに

デイドレスからお茶会用のドレス、夜会用のドレスにお忍び用のワンピースに寝るときの夜着まで手掛け、3年で有名ブランドにまでなった。

駆け出しデザイナーは王妃様の紹介だったらしいので、王妃様にも夜会用のドレスをプレゼント。その時に陛下にも二人で対になるように衣装を作らせてもらった。

正直プレゼントはしたが、子供の自己満足である。まさか実際夜会で着てくれるとは思わなかった。

広告塔になってくださったお二人のおかげで山のように注文が入り、有名ブランドの仲間入りを果たしたのだった。


もう勉強の類はほとんど必要がなくなっていた私にはいい暇つぶしといい経験になった。

もちろんこれらを私だけで切り盛りできるはずもなく、ここで役に立ってくれたのがサイラスだ。

彼は執事兼護衛であったから、色んなことの手配から経理までこなしてくれる万能人間である。

サイラスは今は私の専属執事となって連絡やスケジュールの管理をしてくれている。



そして、その日はいきなりやってきた。


レインさんがいつものように解術を試みると、なんだか喉のあたりがすっきり!

喉のつっかえが取れた感じだ。それはレインさんも感じたらしく


「姫!解術できたような感覚があるのですがどうですか?」


「…ぁ…あ゛…あー」

声が出てる!!!


「姫!!声が!」

「お嬢さま!声が出てるぞ!」


「・あ り がと・・・」

なんとか口に出せた!この世界に生まれて初めて喋るからうまく発声できないが喋ってれば大丈夫だと思う!


レインさんが泣きながら私に抱き着いた!

私も嬉しくて抱き着き返す!

ほっぺにキスだ。ありがとう長年私のために解術をしてくれて。

「あ り がと。だいすき」

やっと言葉にできた。

「私も姫が大好きですよ」


今度はロイだ。

ロイにも抱き着く。

「いつ も、あり がと。ろい だいすき」

ロイも嬉し泣きである。

「お嬢様!やっとちゃんと声を聞けた!!」

抱き上げられてくるくる回される。ふふ。嬉しいなー。思いのほか嬉しい。

「旦那様のとこ行くぞ!」

といきなり転移だ。ロイも転移が使えるようになった。王宮では禁止なのだが…。


「旦那様!!」

「どうした?ロイ。そんなに慌てて」


「お とう さま」

お父様は口をぽかんと開けている。

と次の瞬間力いっぱい私を抱きしめた。

「フィー!!声が出せるようになったんだな!ああ!やっと可愛いフィーの声を聞くことができた」

お父様号泣である。


「おとう さま、いつも ありがと。だいすき」

私も力いっぱい抱きしめる。


それから屋敷にいる全員に言葉が出るようになった報告と感謝を伝えて回った。

お兄様たちにもみくちゃにされたのは言うまでもない。


やっとですー!

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