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27.父(ルーカス視点)

 可愛い可愛い娘のフェイリークはどんどん美しく成長していく。

所作も美しければ礼儀作法も完璧で、王妃様からもお墨付きをもらっているほどだ。


術は解けておらず、声はまだ出せないままだ。

いつになったら可愛い声が聞けるのだろうか。悔やんでも悔やみきれない。

フィーはもう慣れたし、ロイと話せるから声が出せなくても構わないといっているが私が構う!

護衛全員とは仲が良すぎるぐらいに仲が良く、ロイとはそれはもう親しげなのだ。私よりもロイに懐いている気すらする。

正直に言おう。私は寂しい。


これからは女性がそばにいた方が何かといいだろうと思って何人か付けてみたことがあるが、どうもフィーがぎこちなくなってしまう。

やはり本人は気にしていないと言っているがトラウマになっているのだろう。

王妃様にも一歩引いているように見える。無意識に避けているのだろうな。

だが、フィーが拾ってきたミーナを侍女にすることになって少しホッとした。まだミーナも子供だがフィーへの忠誠心から立派な侍女になってくれるだろう。



フィーが大きくなればなるほど心配は増える。

誘拐未遂は増えていくし、フィーの魔法の腕と護身術の腕はメキメキあがっているがそれは危険がそれだけ近くにあったからで喜ぶべきではない。

本人は楽しんでいるらしいが、どうしてこうなってしまったのか。

フィーが話せていたら、また違っていたのだろうと思う。


話せないから、声を出せないから攫っても大丈夫だと思われているのだろう。

フィーに返り討ちにされているのだが。女の子なのだから本来守ってもらうことはあっても強くならなくてもいいのに、それをさせてしまっている。


私は自分が許せないのだ。


神様がもうすぐフィーの術が解けると言っていた。

かけられていた魔法は呪術で、禁術だったそうだ。オリヴィアはどこからそんな禁術が使えるような人間を探してきたのだろうか?どうしてそんなことを知っていたのだろうか?

オリヴィアが口封じまでしていた。

二度とこんなことがおきないように根を絶たなければならない。


これから考えることは山積みだ。


大きくなればなるほど美しくなる娘。

もうすぐデビュタントが待っているし、社交界へ出れば良くも悪くも注目の的だろう。

きっとたくさん羽虫もわくだろう。

令嬢たちからも口さがなく噂されるだろう。




フィーは心を痛めないだろうか。


心配でならない。


良い縁談はあるだろうか?

いや。もう嫁に行かずとも私のそばでいてくれてもいい!

むしろそのほうがいい!



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