24.それから
ミーナを拾ってからも特に私の日常は変わらない。
もふもふできる相手が増えたことぐらいかな。
最近念話的なことができるようになったけど、できる相手は限られていて魔力が多いことが前提として私と魔力の相性が良くないと無理みたいだ。
ロイとレインさん。それにセオも話せるようになった!
もふもふなセオと話ができるようになったのは嬉しい。
だから、王宮へ行くときや誰かと話す必要があるときはロイかセオに付いてきてもらっている。ロイばかりじゃ負担だっただろうからよかった。
ロイとくっついてなくても話せるようになったけど、まだまだ甘えたい年頃なので基本的には抱っこで話してる。前世年齢は気にしない。今の年齢に意識がひっぱられてるってことにしておこう。
そんな私たちは最近、もっぱら転移の特訓中だ。
私がロイを引っ張ってこれたのだから転移もできるだろう。とこれまたレインさんに教わっている。
レインさんはすでに転移を使えるらしい。王宮内では禁止されているため、今は滅多に使っていないとのことだ。
転移を教わるときは、王宮はダメだから公爵家へ来てもらっている。
転移が使えたらすごい便利になる!
王宮へも馬車に乗らなくて済む!もしどこかへ攫われたとしてもすぐ逃げられる!
ロイとセオも私に何かあった時用に目下特訓中だ。ちなみに魔力の感知は二人とも会得したらしい。だから、転移ができるようになれば私の魔力を感知して追ってこられるようになると思う。
ダンとライオネル、サイラスはそこまで魔力量がないため転移はまずできない。
わたしはチートだけど、まだ年齢が追い付いてないのか転移はできないようだ。残念。
それから私は護身術も習うことにした!
騎士を目指しているらしいヴェル兄様と一緒にダンに教えてもらっている。
できることはなんでもやっておこう精神で、ちゃんと勉強も(特にこの国の歴史や貴族名鑑を覚えている)するし
淑女の嗜みである刺繍も恐れ多くも王妃様直々に教わっている。
いや、断ったんだけどね?お針子さんとかでいいって。
でも王妃様が私が教えると言って聞かなかった。何でも刺繍はどこの家庭も大体母親が教えるらしいのだ。母親がいない私を気遣ってくださったんだろうけど、気にしないのに。
王妃様も忙しいだろうに、私に時間を割いてくれている。
ある日、お父様に練習で刺繍したハンカチをプレゼントしてみたら大喜びで家宝にすると言いだし皆に自慢して回ったおかげで
羨ましがった兄さま達やリアム殿下、ローガン殿下に陛下まで刺繍のハンカチをプレゼントしなければならなくなったことは言うまでもない。
ガタガタでも皆喜んでくれるから、刺繍のし甲斐もあるってものだ。
たくさん刺繍をしているとどんどん上手になるので、どんどん楽しくなってもくる。
そうなれば、皆にハンカチを渡したくなってくるのも必然だ。
家族だけでなく、ロイやセオ、ダンにサイラス、ライオネル、ミーナにももちろんプレゼントする。
ちゃんと使ってほしいことを伝えて定期的にプレゼントすることにした!
ダンスも楽しく練習している。パートナーはヴェル兄様とこちらも恐れ多くもローガン殿下だ。
お兄様だけで十分なのに。
ダンスって大変だけど、私は結構好きだ。ワルツとかのゆっくりした曲よりもクイックステップの足数が多いアップテンポな曲の方が楽しくて遊び感覚で練習している。
将来絶対踊らないといけないものだから、今から慣れていたら絶対うまくなるでしょ。
そんな生活をしながら私は10歳になった。
更新が遅くなりました。