21.魔力を感じてみる
お茶会が終わった後、セオの耳をもふもふして癒された私の日常は変わることなく
王宮と屋敷を行ったり来たりしている。
今日も、ロイと一緒にレインさんのところへ行く。
「姫、ごきげんよう」
手を振って応える。
「さて今日も早速解術をするのでこちらへ」
抱っこしてもらう。
「少しずつですが解術できてると思います。まだまだかかりそうですが頑張りましょう」
『ありがとう』
よくわからない魔術をかけられた私の術を解いてくれようとしているレインさんには感謝しかない。
5歳になっても抱っこは健在だし、お耳ももふもふさせてもらっている。
セオの耳とはまた違ってどちらも最高である。
「そろそろ姫も魔力を感じられる年齢になってきていると思うので、魔力を感じる練習をしましょうか」
そもそも魔力量が大きくないと魔力は感じられないらしいのだが、私のようになんとなく落ち着くなどの第六感的なものを感じる人も魔力を感じることができるのだとか。
どちらにせよ、集中力と練習は必要みたいだ。
「まず、自分の魔力を感じるところから。体の中心から魔力は出ているのでそこを意識して」
ふむ。丹田あたりだろうか?と意識を集中させてみる。
おお!!
丸いものが渦巻いてる!これだな!
「見つかりましたか?」
こくこく
「姫はやはり筋がいいですね!では次に私の魔力を感じてみましょう。意識を集中して私の魔力の中心を探して」
よくわからないけど、レインさんの丹田に行きつけばいいのよね?
体の中へ意識を集中してみる。
あら?レインさんの丹田はブルーだ。ブルーが渦巻いてる!わたしは白だったんだよね。
『レインさんの魔力の色はブルーなの?』
ロイに通訳してもらう。
「私は水系の魔法が得意なのでそうかもしれません。姫は色が見えるのですか?」
ええ?見えないものなの?
どうやって魔力探ってるの?そっちのほうがすごいよ。
『見える。レインさんはブルーだし私は白なの』
「ほぉ。ではロイくんは?」
どれ。意識をロイへ。
『ロイは黒だ!』
想像通りの色!!
「俺は黒なのか?」
『そうだよ!似合うね!』
「ロイくんは黒でしたか。闇魔法が得意ですか?」
「はい」
へえ。魔力の色で大体得意な魔術がわかるらしい。
といっても皆は色が見えないらしいので私が言わない限りはバレない。
「姫。魔力の色はわかっても自分の信頼できる人にしか言ってはいけません。弱点がわかってしまうかもしれませんからね」
はい。手を挙げて応えておく。
「しかし、姫はすぐに何でも覚えてしまいますね。普通は一日でなんてとてもじゃないけど魔力を感じることなんてできませんよ」
そこはほらチートですから!
「お嬢様、俺もやってるけどまだ全然できそうにないぞ」
『そうなの?』
「まあいつか役に立つかもしれないから練習はしておく」