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20.他視点(お茶会)

《ウィリアム視点》

 

フィーが先に帰った。あんな悪意にさらされたんじゃ仕方ないよな。

「あれ?フィーは?」

リアム殿下がやってきた。


「先に帰ったんだ。保護者達の餌食になってしまってね」

「公爵家でもやはり言われるか」

「まあフィーは喋れないから、言い返しもできないしいい標的だろうね」

「かわいそうに。5歳の子供に言わなくても」

「子供だから余計だろうね。フィーは将来有望だからね」

「怒ってるな」

「そりゃそうだろう。可愛いうちの妹をコケにして!うちが黙ってると思うなよ!」

「ウィルがそこまで怒るのは珍しいね」

「あの子は今までも辛い思いをしてきたけど、きっとこれからも声が出せない限り辛い思いをするだろう。守ってやれる範囲で守ってやりたいんだよ」

「見せしめも必要だよね」

ニヤリと笑い合う。





《護衛視点》

気にしていないとお嬢様は言っていたが、心は疲弊しているだろう。

あのクソ貴族共!!

お嬢様の心の傷は根深い。

愛されてないなんて言われて、平気なはずがない。

無表情の中でも目が悲しそうだ。

腕の中の小さなお嬢様。貴族が相手だと俺は口を挟めなくなる。もどかしい。


屋敷に着くと

「早かったんですね」

「ああ。色々あってな。セオドアは?」

「どうした?」

お嬢様を預ける。

もふもふしてる。お嬢様はあれは無心でもふもふしてるな。



「何があったんです?」

「ああ。保護者のご婦人共がお嬢様の心を抉ったんだ。本人は気にしてないと言ってたが疲弊してる。帰りたいというから連れて帰ってきた」

「ああ。それでセオドアの耳触ってんのか」

「癒しを求めてる」

「もっと守ってあげたいねえ。場所によっては僕も一緒に行こう。下位貴族なら言い返せる」

「そうだな」

「これからもっと大きくなると余計に大変だぞ。お嬢様はきっともっと可愛く美しくなるから、ご令嬢共の嫉妬が混ざってくる」

「そうですね。やっかいですね。早く声が出せるようになるといいのですが」

「中々解術できないみたいだしな」

「お嬢様、味覚も無いらしいぞ」

「ええ?初耳ですが」

「何食べても味がしないんだと」

「なら、お茶会に行っても何も楽しみが無いんじゃない?」

「ああ。行かないこともできないし、すぐに帰るわけにもいかないから適当に笑ってやり過ごしてるらしい」

「まだ5歳なんだから、煩わされることなく過ごしてほしいな」


「「「「ああ」」」」


と心を痛める護衛達であった。

更新が不定期ですみません。

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