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19.お茶会

 ロイが私の心の声が聞こえるのをレインさんに聞いたところ、レインさんよりさらに魔力の相性がいいのだろうということだった。


ふむ。そうなのか。

よくわからないけど、ロイに出会えてよかった!

いつでもどこでも誰かに伝えようと思うことが伝わるんだから、素晴らしいよね。


「お嬢様は当たり前のことに喜んでんのか?」


『だって4歳までは誰にも何も伝えられなかったし、そのあとも筆談だよ?この小さい手で』


「そうか。大変だったな」


と頭を撫でてくれる。

ロイは私には敬語を使わない。でも私はより身近な感じがしてそれでいいと思ってる。




5歳になって、お茶会という名の子供の社交場へ出ることになった。

王家主催のものに不参加ということはできないので、王家主催のものだけに参加する。


この度初めてのお茶会である。

王妃様主催だ。


お父様が用意してくれたライトグリーンにピンクの小花が付いたふわふわのドレスである。


「フィー!!思った通り妖精だ!」

「ほんとだ。妖精だ!」

「絶対フィーが一番可愛いね」

と親ばか、兄ばかである。


カーテシーで応える。

そしてロイに抱っこしてもらって。


『親ばかだよねぇ〜』


「ほんとに妖精みたいだぞ」


『そう?ありがとう!ロイも素敵よ!』

ロイも私の護衛ということで、いつもより華やかな装いだ。


「ありがとなー!」

こくこく


「また2人で話してるの?」

とウィル兄様


「いいなー。ロイだけ話せて」

とヴェル兄様


「大した会話してないぞ」


『まあまあ、そろそろ行きましょう』

「行きましょう。だって」


「「はーい」」



お茶会会場である、王宮の庭へやってきた。

子供のお茶会ということで、親も一緒に来ている。

私はロイと兄達と離れず一緒にいる。うちは公爵家なので、自分から挨拶に行くのは王家だけだ。


こちらへ挨拶にきた人には久しぶりににっこり笑顔を張りつけてカーテシーをする。

喋れないことは兄が説明する。

まあそりゃあ、ざわざわするよねー。

わかってたことだから気にしないけどね。


しばらくすると王妃様、リアム殿下、ローガン殿下がやってきた。

早々に挨拶に行く。

「フィー今日も妖精みたいで可愛いわ」

にっこり笑ってカーテシー。


「フィーはいつも可愛いもんね〜?」

とリアム殿下。

こちらもにっこり笑ってカーテシー。


「そのドレスもよく似合ってて可愛いよ」

とローガン殿下。

にっこり笑ってカーテシー。


挨拶を済ませたら、席についてゆっくりティータイム。

どうせ味もわからないし、話もできないから適当にやり過ごす。


すると

「公爵家のご令嬢が挨拶もできないなんてねぇ」

「仕方ないですわよ。喋れないんですから」

「オリヴィア様はご子息しか愛さなかったのですって」

「まあ、どうしてご令嬢は愛されなかったのかしらね」

「無表情だから可愛くないのではなくて?」

「喋れないですし」


と聞こえるように悪口を言っている保護者。

私が母のせいでこうなっていることは伝わっていないらしい。生まれつき欠陥があると思われているようだ。

兄達とロイがキレている。

「あんなに聞こえよがしに、公爵家に盾突いて普通に暮らせると思うなよ」

「父上に言って抗議文送ろう」

「お嬢様、気にするなよ」


手をつないで言葉を伝える。

『気にしてないよ。愛されてなかったのは事実だしね。こうなることはわかってたもの』

ロイが何とも言えない顔してる。



『もう帰りたい。セオのお耳触りたい』


「そうか。もう帰るか?挨拶もすませたしな。ウィリアム様、レイヴェル様、お嬢様がもう帰りたいらしいから、旦那様に言って先に帰るな」

「「ああ。わかった」」


父のところへ行って

「旦那様、お嬢様がもう帰りたいそうなので先に帰ってもいいでしょうか?」

「何かあったか?」

「保護者達の聞こえよがしの悪口ですね」

「ああ。もう帰っていいぞ」


抱っこで連れて帰ってもらう。

甘えておく。

屋敷に帰ってからはセオに抱っこしてもらってお耳をもふもふさせてもらった。



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