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14.やっぱりハードモードだった

他視点入ります。

 目が覚めると、お父様とお祖父様とお祖母様、それに兄達みんな揃っていた。

「フィー!どこか辛いとこは無いか?」

こくり

「フィーは侍女に毒を盛られたんだ。それで、喉に負担がかかってもう声はあきらめないといけないかもしれないんだって」


だから意識が遠のいたんだね。そうか。私はまた邪魔だったか。声に関してはもう諦めてるから。



「フィー、もうお祖父様とお祖母様と領地で暮らそうか。静かでいいところなんだよ」

こくり

そうだね。ここにいたらまた皆に迷惑かけるからね。


「お父様、宰相やめようと思うんだ。フィーと一緒にいようと思う」

ええ?急に仕事辞めたら国が困るのでは?


「ずっと城で働いてきた結果がこれだ。家のために働いているはずが娘を不幸にするだけだった」

むしろ私の存在が家族を不幸にしているんだけどね。

生まれてなければ、母はおかしくならなかったし

兄達から母親を取り上げることも無かったし

父も仕事に邁進できただろう。


私は何のために転生してきたんだろう。

意味なかったじゃん。

神様。私何のために生まれてきたの?


何も伝えられない。


「フィーなんで泣いてる?」


もう感覚がおかしくなって泣いてるのかどうかもわからないよ。


もう眠っていい?



ずっと眠っていたい。皆に迷惑かけないようにどこかへ行けたらいいのに。


「フィー!!!!!」




《父視点》


フィーが突然倒れた。


医師に診てもらう。

「体は異常ありません。ですが心の方はわかりません。しばらく様子を見てとしか言えません」


フィーが倒れてから3日が経った。


ちなみに毒を盛った侍女は、すぐに特定して同じ毒を飲ませて牢にぶち込んだ。

毒を盛った理由は、皆が皆フィーを大事にしすぎているというくだらない理由だった。フィーは公爵令嬢なのだから、大事にされて当たり前だ。


そして、4日目フィーは目覚めたが

一切の感情を無くした生きた人形のようになってしまった。

呼んでも反応は返ってこない。

目も合わない。

ご飯は口に入れるとかろうじて咀嚼しているがたくさんは食べない。


王宮にいても意味がないので領地に行くことにした。

私が仕事を辞めて付いて行くのは周りに止められた。ウィルとヴェルだってまだ子供だから。母がいない代わりに私が育てないといけない。

宰相の仕事はもうやめて公爵家当主としての仕事だけにする。陛下には悪いが子供のほうが大事だ。


そうしてフィーは両親と共に領地へと向かった。


私も月に一度は領地へ行き一週間ほど滞在する。



そんな生活を一年ほど過ごしたとき、私は夢を見た。


神が私に

「フェイリークを連れて神殿へ来なさい」

と。


私はすぐにフィーを連れて神殿へと行った。

すると神が降臨して

「フェイリーク、辛い思いをさせてごめんなさいね。目覚めなさい。皆心配してるわ」

とフェイリークの頭に手を置くと光りだした。


「ルーカス、フェイリークは自分を責めてしまったの。自分が生まれたせいで家庭を壊してしまった、あなたも仕事をやめてしまった。兄達から母を奪ってしまった。迷惑ばかりかけてるって」


フィーが自分を責める必要はない。全て私とオリヴィアが悪いのだから。


「この子の精神が不安定な所は治しておくわね。けれど、肉体は治してあげられない。肉体的なところはそうね、あの獣人の彼にお願いしましょう。フェイリークも懐いているし、時間はかかるけど大丈夫なはずよ!」


「王都はこの子にとって悪夢ではないですか?」


「大丈夫よ。この子周りが悪いとは思っていないから。また困ったことがあれば神殿へ来なさい」


「ありがとうございます!」



王都へ帰ろう。



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