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10.外の世界を見る

 王宮で療養を始めて、王宮をみんなに抱っこされながら散策している。

王宮のお庭がすごく綺麗なのでよく来ている。お花や噴水を見ながらぼーっとするのが日課である。


外の世界はやっぱり前世と全く違っていて新鮮だった。

「フィーは中庭がお気に入りだな」

こくこく。

癒されるの。ひなたぼっこにも持ってこいだしね。


大体散歩しているか、お昼寝しているか、お父様の膝の上で執務見学しているかのどれかだ。


お父様はあまり時間が取れないから、私を膝に乗せて仕事をすることにしたようだ。

どうせぼーっとするだけだからまあお膝の上でも構わない。

たまに頭を撫でられながら、おやつを食べている。


お父様は癒されて仕事がはかどるらしい。

なら人形よろしくお膝に座ってる甲斐もあるってものだ。

持っていたおやつをお父様の口へ持っていく。


「フィーくれるのかい?」

こくり

「ありがとう!!仕事がはかどるよ」

糖分大事だからね。


しばらくすると兄様たちが迎えに来るのだが、なぜかいつもリアム殿下が付いてきてなぜかいつも私を抱っこする。

兄様たちと最初は争ってたけど、最近は殿下ばかりが抱っこしている。

おとなしく美少年に抱かれておく。

眼福である。イケメンと美女しかいないのかな?

ちなみに食事の時も誰かに抱っこされている。まあいいけどね。


今日もお庭を散歩する。

今日は殿下がお供だ。ぼーっと過ごしていると、初めて見る人がいる。

しかもお耳が生えてる!!ケモ耳だ!!

犬かな狼かな?尻尾はない。残念。


殿下の服を引っ張り、指を指す。

「どうしたの?あの人が気になるの?」

こくこく。

抱っこで連れて行ってくれる。

「おや、王太子殿下!ご機嫌麗しゅう」

「あなたは魔術士の」

「はい。先日隣国から参りました。レインと申します」

「ああ。リアムだ。よろしく」

「ところでそのお嬢さんは?妹君はいらっしゃいませんでしたよね?」

「フォレスト公爵家のフェイリークだ」

ぺこりとお辞儀をしておく。

「フィーは喋れないんだ」

「ご病気か何か?」

「いや、魔法らしいんだが医師たちも治せなくてな」

「私に見せていただけます?」

抱っこでレインさんの腕の中へ。

耳触っていいかな?ダメかな?触りたいな。とジッと見ていたら。

「触りますか?」

と聞いてくれたので。手を伸ばす。

うわぁ!もふもふだ!想像よりふわふわしてる!

「フィー笑った!可愛い!」

「お役に立てて何よりです。ところで、フェイリーク様をお預かりしても?」

「いや、宰相に聞かないと」

「では行きましょうか」

そのまま抱っこで移動だ。もふもふしながら行く。


「宰相閣下!」

「おや。隣国の魔術士殿ではありませんか!なぜうちの子を?」

「フィーが気になるようだから会わせたら離れなくなった」

「ええ?」

「といっても耳がお好きみたいでずっと触っておられます」

「すみません。これ!フィー。こっちへ来なさい」

首を振る。嫌よ!もふもふ!!


「フィーが意思表示を!」

「さっきは笑ってたよ」

「ええ?笑った?」

「ええ。可愛らしかったですね。まあ私はこのままでも構いません。ところで宰相閣下、フェイリーク様は魔法で声が出なくなっているとお伺いしました」

「そうみたいです」

「みたいとは?」

かくかくしかじか


「お恥ずかしながらこの間まで気が付かず治らないかもしれないと医師からは言われております」

「何年かかるかはわかりませんが徐々にであれば術を解けるかもしれません」

「是非!!是非お願いしたい。少しでもいいから娘の声が聞きたい」

「では、毎日少しずつ試しましょう。フェイリーク様もいいですか?」

こくこく。毎日もふもふ!!

ちなみにレインさんは、黒髪にアイスブルーの瞳のこれまた美丈夫である。黒いお耳が付いている。

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