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裏切った少女と裏切られた少年  作者: クラウン
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部活動見学

新キャラ登場!

「やっ、僕が陸上部の部長だよ!」

扉を開けるなり、その小柄な男子生徒は元気よくそう告げた。


「「「・・・」」」

あまりの突然のことに俺たち新入生に三人は無反応になる。


「えっと・・・」

俺たちが無反応なのを見て、その自称部長はそわそわしだした。


「集合、会議!」

かと思いきや、隣にいた女子部員を連れて部室から出て行った。そのため、その場には俺達三人が残されてしまった


(((なんだったんだ?)))

悲しくも三人の心境は完全に一致するのだった。



「ど、どうしよう!なんか反応がいまいちなんだけど!?」


「当たり前でしょ、何であんな登場の仕方したのよ!」

こっそり会議しているつもりなのだろうが扉越しでもガッツリ聞こえてくる。


「だ、だって瑞樹が『最初が肝心だって』いうから僕は頑張ったんだよ!?」


「確かに言ったけども限度があるでしょう、限度が!」

どうやら女子部員の方は『瑞樹』というらしい。


(((この人たちは色々、残念な人だなぁ)))

悲しくも三人の心境が奇跡的に再び一致した瞬間だった。



「コホン。それでは改めまして自己紹介を私は陸上部副部長の『竜胆りんどう 瑞樹みずき』で、こっちのちっこいのが・・・」


「ちっこいって言うな!成長途中なんだよ!僕は『笠間かざま 一誠いっせい』陸上部の部長をやっているよ!」

男子生徒は女子生徒の小言にも反論しながら自己紹介をした。


「それじゃあ、君たちも自己紹介をしてもらってもいいかな?」

竜胆さんは部長と名乗った男子生徒の小言を無視して俺たちに訪ねてきた。


「私は一年Aクラスの蘭城 遥で~す」


「同じくAクラスの進藤 正輝です」


「一年Cクラスの大林 猛だ!」

俺たちは三者三様に簡単に自己紹介をした。


「それじゃあ、中学でも陸上をやってた子はいるのかな?」

その質問に対しては俺と大林が手を挙げた。


「ちなみに、どれくらいの成績だったか聞いてもいい?」

竜胆さんは少し遠慮気味にそう聞いてきた。県大会などに行き活躍できているのならまだしも、地区大会で終わってしまう人からしたらこの質問は最悪の質問となることを理解しているのだろう。


「俺は県大会で5位入賞をしたぜ!」


「俺は関東大会で4位でした」


「「・・・はっ?」」

大林、俺の順番に中学時代の成績を告げると笠間さんと竜胆さんは揃って謎の声を漏らした。


「おぉ、マジか。すげぇなお前」

大林だけは真面目な反応をしていた。蘭城は話を理解できていないのか頭の上に疑問符を浮かべていた。


「「えぇ~!!」」

すると成績を聞いた瞬間、硬直していた笠間さんと竜胆さんが再起動した。


「「本当なの!?」」

そして、再起動するなり俺に勢いよく詰め寄ってきた。


「え、えっと・・・」


「ねぇねぇ、大林君。関東大会入賞ってそんなにすごいの?」

俺が二人の対応に困っていると、そんな俺を無視して蘭城は大林に陸上のことを聞き始めた。


「ん?あぁ、俺が言うのもあれだがかなりすごいほうだと思うぞ」


「こう言っちゃああれだが、比較的県大会ってのは出場が簡単なんだ。規定タイムをきっていなくても順位が高ければ出られるからな」


「だが、地方大会からは話は別だ。地方大会に出場するには県の強化選手に選ばれている上、規定タイムを切らなきゃならんからな。県大会に出場できている人間から見ても空の上の存在って感じだな。もっと上の全国大会は簡単に言えば魔境だな」

見た目によらず、大林は簡潔明瞭な説明を蘭城にした。


「ほうほう」

蘭城もその説明で理解することができたのか小さく拍手をしながら相槌を打つ。


「とりあえず、落ち着いてください」

俺は助けの見込みがないことに少しムッとしながらも迫ってくる二人を宥める。


「にしても、すごい人材がうちに来たわね」

落ち着いたのか竜胆さんはしみじみと呟く。


「うん、楽しみだなぁ」

その言葉に笠間さんも同意する。



(・・・疲れた)

自己紹介をしただけなのに疲れがマッハで溜まっていく俺だった。

評価がドンドン伸びていってうれしいですね♪

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