シリアスから始まる高校生活
ランキングの上がり方えぐ過ぎぃ!
※現実恋愛 日間ランキング13位でした(事後報告)
蘭城とのいざこざがあったが何とか無事に俺は高校生活を開始した。
「マサ君、おはよ~」
おかしな点と言えば俺が登校すると必ず蘭城が俺の元にやってくるという点だろうか。
「あぁ、おはよう」
最初は戸惑っていたが何回か繰り返すとかなり慣れて来た。途中、何か探ってくる馬鹿な男子どもがいたが突っぱねた。
「うんうん、今日も暗そうな表情してるねぇ」
過ごしていくうちに蘭城の軽口にも慣れた。
「にしても、一之瀬さんすごいね~」
すると、何の脈絡もなく蘭城は俺が一番持ちかけてほしくなかった話を持ちかけてきた。時間の問題だと覚悟していたがこんなに早く振られるとは思わなかった。
それもそのはず、一之瀬はとんでもないほどの美少女だ。
背中の中腹まで伸びた綺麗な黒髪。
出るとこは出て、引っ込むところは引っ込んでいるある意味アニメの登場人物のような美しい肢体。
誰にでも分け隔てなく優しいその現実離れした性格。
すべてに関して『最高』という評価を得られる。そんな人間だ。
「・・・あぁ、そうだな」
俺は何とか平静を取り繕いながらそう呟く。
「ふ~ん」
そんな俺の返答に対して蘭城は意味深な笑みを浮かべた後、何も言わずに去って行った。
(多分、ばれたな)
俺はそんなことを考えながら椅子の背もたれに体重をかける。
先ほどの「ばれたな」というのは蘭城に俺が一之瀬に何らかの複雑な感情を抱いていることがばれたということだ。
周囲との余計な交流を避けるために彼女は人間を観察することによってトラブルを避けてきた。そのため、他人の感情や事情を察することが異常なまでに得意なのだ。
(まぁ、別にいいか)
しばらく、どうするか考えていたが余計なことをするより蘭城が何かコンタクトをとってきた際に考えればいいかと判断し、思考を放棄した。
「・・・バカ」
「知ってるとは思うが今日から仮入部期間だ、問題はおこすなよー」
先生は帰りのSHRでそういった後、教室から出て行った。
「ねぇ、マサ君はどこの部活に行くの?」
入る部活は決めているのでいざ向かおうとすると朝以降、話しかけてこなかった蘭城が話しかけて来た。
「俺は陸上部に入る予定だ」
隠す必要もないので素直に入るつもりの部活を教える。
「もう決めてるってことは中学の時も?」
「あぁ、陸上部だった」
自慢ではないが俺は自分の足の速さにかなり自信がある。県大会の常連と言ったところだろうか。
「ならさ、私も一緒に行くね」
すると、蘭城は唐突にそんなことを言い始めた。
「別に構わないが・・・」
突然の提案に戸惑いながらも応える。
「じゃあ、行こっか」
蘭城は戸惑っている俺の手を取って、強引に連れだした。その表情に楽しそうな笑みを浮かべていたのは気のせいだろう。
「それじゃあ、部長を連れて来るから待っててねー」
蘭城に連れられるまま来た場所で陸上部の女子部員らしき生徒はそう言ってどこかへ行ってしまった。
その場には俺と蘭城と見知らぬ男子生徒が残された。見知らぬ男子生徒は様子を見る限りそわそわしながらこちらを見てくるため俺たちと同じ入部希望の新入生なのだろう。
「ねぇねぇ、君も新入生でしょ?」
蘭城が持ち前のコミュニケーション能力でその生徒に話しかける。
「おう、って言うことはお前たちもそうなのか?」
いざ、話しかけてみたらだいぶ話しやすい性格だったようだ。
「うん、私は蘭城 遥。こっちの暗いのは進藤 正輝だよ~」
「暗いは余計だ」
蘭城の適当な紹介に半眼で突っ込む。
「俺は『大林 猛』だ、よろしくな!」
「よろしく~」
「よろしく」
自己紹介をしあっていると突然、扉が開いた。
「おっ、いたいた」
かと思ったらそこには先程の女子部員と蘭城と比べてもかなり小さい男子生徒が入ってきた。
中途半端になってしまい申し訳ありません