必然、それとも偶然?
前作の完結から約二か月半・・・
現実恋愛の王(自称)は有名どころの小説を読んだり、色々調べたり(曖昧)し、修行して帰ってきた!
読者たちよ、砂糖の貯蔵は十分か!!(上から目線)
「正輝~、御飯よ~」
目覚ましで時間通りに起き、自室で制服に着替えていると扉の奥から母さんの声が聞こえて来た。
「ごめん、遅くなった」
俺はパパッと着替えたのち、リビングに行った。リビングでは母さんが朝ごはんを用意してくれていた。
「いただきます」
俺はすぐに席につき、食前の挨拶をしてからご飯を手早く食べる。
「そんなに急がなくても大丈夫じゃないの?」
掻き込むようにご飯を食べている俺を見て、母さんがそう声をかけてきた。
「クラス分けの確認に時間がかかるかもしれないから早めに登校するんだ」
今日から俺『進藤 正輝』は高校生になる。進学先は徒歩40分ほどのところにある県内でも有数の進学校である「伊吹高校」だ。
本来、俺の学力はそこまで高くないため無理なはずだったのだが受験の時はある理由があり、ひたすら勉強したため余裕で合格できた。
「それじゃあ、行ってきます」
「いってらっしゃい」
母さんの見送りとともに俺は自転車に乗り、学校に向かった。
俺は春の心地よい風を感じながらを自転車を進ませる。普通であればこれからの高校生活に胸躍らせるのだろうがどうにも俺はそういう気分にはならなかった。
「新入生はこっちの駐輪場に!」
自転車を漕ぐこと10分ちょっと。学校の門が見えるとそこから教師らしき男性の声が聞こえた。どうやら自転車通学の新入生の案内をしているようだ。
俺もその指示に従い、乗ってきた自転車を駐輪場に置き、しっかり鍵をかける。
(クラス分けはどこかに張り出されているはずだから・・・あれか)
クラス分けが張り出されている所を探すと、人がたむろっている場所があったのでそこだと判断し、背伸びをしながら自分の名前を探す。
(あった、一年のAクラスか)
クラスを確認したのち、俺は人混みに巻き込まれる前にAクラスの教室に向かった。
その後、俺は後悔する。クラス分けの同じ欄に『一之瀬 千夏』という名前があることを確認しなかったことを。
(ここか・・・)
教室の札に1-Aと書いてあるのを確認してから俺は教室に入った。
すでに教室内ではいくつかの集団ができており、グループが作られているんだとわかる。
(まぁ、関係ないが)
しかし、特にそのグループに入りたいなどの欲求はないので俺は無視して座席を確認してから自分の席に着く。幸い、席は窓際だったためあの集団に突っ込むことがなくて安心した。
「ねぇ、何してるの?」
予想していたよりも早く登校することができたため暇つぶしにスマホをいじっているとすぐ近くで話しかけられた。スマホの電源を切り、その声が聞こえた方向に体を向ける。
そこには、小柄な女子生徒がいた。制服はしっかり着こなされており、見る限り化粧も必要最低限しかされていない。いわゆる『可愛い女子』がそこにいた。
「何か用かな?」
俺はできる限り優しげな笑顔を張り付けながら受け答えをする。
「・・・ふ~ん」
その小柄な少女は意味深な笑みを浮かべた後、何も言わずにどこかへ去って行った。
(なんだったんだ?)
その意味が分からない行動に戸惑うしかなかった。
「よーし、会話はそこまでにして席に着け~。」
呆然としていると先生らしき男性が教室内に入ってきて、生徒たちにそう声をかけた。
「・・・はっ?」
先生が学校についての説明をしている中、俺もそれを聞いていたのだがある人を見た瞬間頭の中が真っ白になった。運がいいことに小さい声だったので誰にも聞こえなかったようだ。
(おいおい、嘘だろ。なんで・・・)
再び呆然とする俺の視線の先には席に座って先生の話を集中して聴いている女子生徒の姿があった。
(いくらなんでもそんな偶然、あるのかよ)
一度、終わってしまった『一之瀬 千夏』と『進藤 正輝』の関係が再び関わりだした瞬間だった。
「砂糖の貯蔵は十分か!!」などと言いましたが嘘です。はい、すいません。
タイトルを読んでも分かる通り少しだけシリアスがあります。
とりあえず、読んでいただきありがとうございました!また次回でお会いしましょう!