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ある男の人生
俺こと大塚勝人ほどつまらない人生を歩んだものはいないだろう。
大学卒業後そのまま大手の製薬会社に入社。27で結婚し、順風満帆な人生だと喜んでいた。子供もでき、問題があるとすれば妻の祖母の面倒くらいだったが、その程度だった。
拗れたのはいつだっただろうか。
祖母が認知症を患い、様々な問題行動を起こした。
妻が介護疲れを毎日ぐちぐちと話す日々。
あまり関わってやれなかった子供が母に味方し、俺を責め立てることもあった。
おとなしく施設に入れればいいものを、彼女は最後まで母の面倒を見ると話し、俺との溝は深くなってゆく。
最後はどうしただろうか。
あまり覚えていない。
ただただ疲れた。
俺は―