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8・・・「揺れ」

「もうすぐ8話が投稿される」


「されるとどうなるんです?」


「知らんのか」

「筆者は9話を書くのに追われる」


では行きます。

ready go!


蘭太達は旧北九州に…きていなかった。


そこへ行く前に寄るべき場所があった。FG旧博多支部である。

どうやら旧北九州に現れた「隣の者」はケルベロスだけではなく、数種類に及ぶ数がいるらしい。そこで対「隣の者」レイドチームが結成された。


だが…、まあなんというかそれまで知らなかった者同士で作られた急造のレイドチームである。いざこざは当然起こる。




とある広場にて。


ドォォォオォン!


という音とともに変身した禁忌能力者が殴り飛ばされ宙を舞っていた。それはもう綺麗に。一切の回転をせず放物線を描くように。

ドサッと倒れた後、そいつを飛ばした相手…蘭太は叫んだ。


「だぁあぁああ!!もう!何人殴りゃいいんだよ!15のガキだってみんな舐めすぎだろ!それに生身の状態になんで変身者が負けてんだ!ふざけるな!!」


勝った!やった!夕飯は…。という内容ではない。

もう勘弁してくれ、という嘆きだった。


蘭太はさっきで5人目となる変身者を倒していた。生身で。何故か。


変身しておきながら生身の人間に負けるって頭どうかしてんじゃないの?という呆れでだるくなっていた蘭太は確認すべく叫ぶ。


「もうバカな挑戦者はいないな?!帰る!」


「待てクソガキ!オレがお前をぶっ潰してやる!」


「こんのクソバカヤロー!!」


6人目の挑戦者が出てきた。

学習しないな…!と蘭太は思っていた。5人も同じように負けているのにどうして自分なら勝てるとタカをくくれるのか。


ふと、蘭太はルルに聞いてみた。


「ルル、変身したい」


「だめ。こんな戦い正義もなにもないもん。それに変身して今のように殴ったら相手は確実に死ぬよ?」


「うう…」


変身してさっさと終わらせてしまいたいと思ったのだがルルが拒否しているせいでできない。

だがある意味ルルの言っていることは正しい。生身の状態でのパンチでも吹っ飛ぶ相手なのだ。変身して殴れば耐えられるわけがない。今では本当に相手は禁忌能力者なのか疑うほどだ。


わかっている…でも…。


「でもでも、か、軽ーく変身使って軽ーくワンパンすればびびってかかってこなくなるんじゃない?」


「いいの?手加減して掴む勝利で?全力で殴って掴む勝利の方が美味しくない?」


「おぉぅるルっっしゃぁぁぁぁ!!!ぶっ飛ばしてやるァ変身なんてする必要ねぇぇ!!」



案外蘭太はルルに対してはちょろいところがあった。だがなんだろう。スイッチが入りすぎて危なっかしい。


広場に出てきた6人目が変身し、


「オラクソガキ!しょうb…」


と言った時には既に胸部にストレートパンチが炸裂していた。


「ばハハハハハ!!ボールみたいに吹っ飛んでるぜアホがぁ!もうお前は俺の日頃の!特に今日の鬱憤晴らすためサンドバッグになれヤァ!!」


そこからは暴力の蹂躙だった。




さて、どうしてこんな決闘じみたことが起こっていたのかというと、午前中に急造レイドチーム内での自己紹介をしている時に流れに合わせて年を言ったせいで絡まれたからだ。


どうやら他のチームの人たちは平均が25歳ぐらいで、蘭太はその名では最年少の15歳だったため浮いて見えていたようだ。

蘭太はスルーしようとしたがいつのまにか力の差でこのガキを従えさせようという話になっていて、さすがにそれはまずいので乗らざるを得なくなってしまった。


しかし……。

先述の通りでルルに拒否られているため変身できないので実験的に生身で戦ってみたところ、(もちろん相手は舐めていると怒ってきたが)思いの外倒せたのだが「次は俺だ」「その次はオレだ」と予想だにしない連戦の沼に陥ってしまったのだ。


ただでさえ嫌々やっている戦いなのに一向に終わる気配がない。ならばむしろぶっ飛ばすのを楽しんでやろう。連戦の疲れからか、いつしか蘭太はそう思うようになっていた。


そして9人にも及ぶ愚者をぶっ飛ばした時、ようやく挑戦者はいなくなった。




まじかよ…。強過ぎだろ……?というようなどよめきの中、静かに見ていた火鉈達の内雷花だけは、


『どうして変身しなくても変身者を軽くあしらえる…?それに笑ってる…。まさか…?』


と、少しだけ不安そうに考えていた……。



試合終了後。


「あの、マジすいませんっした!」


平均25歳とは言えチームのなかでは割と高年齢な人たちが15歳の少年に土下座していた。頼んでいないのに勝手にされた。


「あ、ああ…うん、まあ人は見た目によらない…的な?だから見ただけで舐めたりするのはやめてください…ね?」


狂乱的なさっきとは打って変わり普段の大人しそうな雰囲気に戻った蘭太はそう言って事を終わらせた。


そして1人部屋を出て旧博多支部建物の屋上へ来た。そこでするのは…


「はぁ〜あ、疲れた…生身はきついよ…」


「お疲れ様〜」


いつも通りの言葉のキャッチボール…のはずだった。



ーーーーーーおぅ、ハデにやったなァ?さぞすっきりしただろうよーーーーーー



「「ッ!誰だ?!」」


蘭太とルルの脳内に不意打ちのように声が響いた。



ーーーーーー誰だ?か。悲しいねぇ…まあ当然か、記憶ねぇもんな。俺はお前らの中にいる『血を求めるもの』ってとこか?ところで、さっきの戦いの感想、聞かせてもらおうかぁ?ーーーーーー



「…別に。嫌々、無理にやった。それだけ」


正直後になって楽しんでいた事を認めたくなくなっていた。自分の力はあんなことに使うべきものじゃない、そう思いたかった。だからさっきの行動と矛盾するかもしれないことも蘭太は言っていた。

だが声は…。



ーーーーーー違うなぁ?『楽しかった』だよなぁ?笑いながら人をぶっ飛ばすのが、鬱憤を晴らせて、ストレスを発散できるしなぁ?ーーーーーー



「あれは…」



ーーーーー後で取り繕うことなんざできねぇよ。確かにお前はあの時快感に身を委ねてたんだよ。自分の欲のままに目の前の相手を殴り飛ばして。これじゃあ『あいつら』とおんなじだなァ?ーーーーーー



「『あいつら』?」



ーーーーーーおおっと、それは今知るべきじゃない。忘れな。そんで?未だお前の力は不安定だな?お前はまだこの力を使いこなせると思ってんのか?無理ならとっとと身体よこせよ。死なれるのは勘弁だからなーーーーーー



声は要求していた。お前がこの力の器になりきれずにいずれ果てるのならいっそ全てを俺に渡せ、と。

だが、


「断る。それに『こなせる』かじゃなくて『こなす』し、誰だか知らない奴に身体を明け渡すわけない」



ーーーーーーははは、そう言うと思ったぜ。まあせいぜいマシな方に制御してみせろよ?じゃあまたなーーーーーー



それを最後に声は聞こえなくなった。蘭太は座り込み、言われたことについて考えていた。


『お前は戦いを楽しんでんだよ』

『せいぜい力をマシなようにつかえよ』


そうしているうちに時間が経っていたのだろう。来た時には青空はずだったのにもう夕暮れどきになり、火鉈達が迎えに来た。


「おーぅ、蘭太ぁー。夕暮れだから戻るぞー。ん?お前…口どうした?血流れてるぞ?」


「え?」


冗談だろうと思いつつ口角部分を手で拭いてみると、血が付いて来ていた。


「あれ?なんでだろ?」


「多分試合中に偶発的に受けたダメージが来てるんですよ、きっと」


「うーん…?」


舞がそれっぽい事を言うが、それにしては時間が経ち過ぎている。無理があった。

とすると…、と思い雷花は聞いてみた。


「蘭太君、自分で切った?」


「切ってません」


即答だった。雷花の仮説は1秒も持たなかった。


「まあすぐに治るよ、部屋に戻ろ、蘭太」


ルルが呼びかけて来た。応えて蘭太は火鉈達と建物の中へ戻っていくのだった。


だが気のせいか血の流れていた部分に舐め取られている跡のようなものがあった。




ーーーーーーーーーーーーー


白い。どこまでも白い。

ここはどこかの中。そこに1人何かがいた。


「くくく、ああ、美味いなやっぱり。さすが見込みあるやつだ。」


そいつはグラスに入った赤い液体を啜っては美味い美味いと言っていた。その液体は昔に貰ったものだ。


「ぷはぁ、最高だ。これより上はねぇってほどいいなぁ。」


歓喜するのと同時にそいつは思っていた。


『…だからこそ失うわけにゃいかねぇ。もっと強くなってもらわねえとな…。』


次は声を出す。誰に届けるでもなく。


「ま、俺の出番がなくて済むようせいぜい頑張んな。じゃあ、おやすみ…って誰も答えねぇか」


そいつは休憩を取り始めた。単に暇だったから。





んぎょぉぉへぇえ、ちょっぴり時間かかってしまいました、どらっごです。


最近リアルが少し忙しい!(言い訳)でも週一目安投稿は守る!


……活動報告ってやつやった方がいいですかね?

やってないと、

「あ、こいつ死んだんじゃね」

とか思われたりするんですかね…!?


生きてます!動いてます!息してますぅ!


ハイ、というわけでなるべく早めに載っけていけるよう頑張ります。


ではでは、また。

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