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厄災(ドラゴン)と人×妖精(ハーフフェアリー)  作者: どらっご
最終章「其の末は破滅か、或いは平和か」
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80・・・「滅びの終わり」


「ミラー…アーマー?」


初めて聞いた単語にカルナとイクスティクスはハテナマークを浮かべた。


【彼がそう言ったんだからそういう名前なんだと思うよ。実際そんな名前で納得するしね】


「その言い方、性能を知っているような言い方だな」


【そうだよ?お二方は知らない感じかい?】


「知らないな。分からなすぎててんてこ舞いだ。まずもってお前が何者なのかも分からない」


【そうかなって思った。ぼく?ぼくは記憶弄りされる前の蓮藤蘭太の意識体。弄られたせいでぼくは事実上殺されて新しく補填された形で今の蓮藤蘭太がいる、でも存在自体はは生きているから自然消滅しない変わった意識体として精神世界をうろつきまくってる、そんな感じ】


「それなら…お前は蓮藤蘭太を憎んでいるのか?」


【いや?むしろこれで良いとさえ思ってる。今の蓮藤蘭太だからこそここまで来たんだから。それでミラーアーマーなんだけど、あれは彼らの“お互いを守りたい”っていう強い想いが能力として発現したものなんだ。元となった感情が感情だから発動条件は“守りたい想いを持つ”ってことなんだろうけどまあ性能は既存の防御システムを軽く凌駕することは確かさ】


「………」


続いてデュ・ネイルの口から出た内容はカルナとイクスティクスを驚愕へ吹っ飛ばした。


【“自らに向けられたあらゆる害となるものを触れる瞬間に放った者の同部位へ同火力で完全転移させる”って感じかな。だからグラスミラナは自分の放った攻撃を自分で受けたし、対処も出来ない。なんでかって?“触れる瞬間に同部位へ転移”ってことは例えば蓮藤蘭太の胸の皮膚に当たる瞬間に転移したとき、攻撃を放った者すなわちグラスミラナの胸の皮膚に0秒転移するからさ。彼らはそれを装甲に付与しているんだ】


すごく面白い仕様だよね、ふふ、と笑うデュ・ネイル。


【もうわかった?ミラーアーマーの名前の意味。彼らの装甲は最早ハーフフェアリーの共鳴変身の装甲とは一線を画すんだ。全身に纏う装甲がまるで鏡が光を瞬時に跳ね返すようにあらゆる攻撃を瞬時に放った者へお返しする能力を持っているんだ】


「なんか…途中で考えるのを辞めてしまったな…」


「ボクも…」


【あはは…】


「ところで、なんで未知の能力の詳細を知っているんだ?」


【あの2人の新しい限界突破の影響を受けているからさ】


「つまり奴らは能力システムにも介入できると言うことか」


多分ね、とデュ・ネイルは答えた。


「さて…、グラスミラナの後継はいたっけな?」


「どしたの?」


「いや、蓮藤蘭太はグラスミラナを始末するだろうから冥界王の次がいないと困るというか…」


【…?なに無駄な心配してるの?】


「………え?」



ーーーーーーーーーーーー



「何故だ…!?何故だ何故だ!!」


グラスミラナには余裕というものがなくなっていた。

攻撃を繰り出しても自らがダメージを受けるだけで全く効果がなかった。


蘭太は棒立ちなのかというとそうではなく必ず攻撃を腕や足の装甲で反射していた。それがグラスミラナへの致命傷にならない為の行動ということが分かっていただけに余計に腹立たしかった。


「もうやめるんだ。自傷行為にしかならない」


「黙れ…!それなら小細工を解けば良いだけの話!!」


「無理」


蘭太はグラスミラナの斬撃を握り拳の右手の中指と薬指の間で受け、ダメージを転移するとグラスミラナは痛みと共に剣を手放した。


「うが…っ!」


「あんたはその傲慢さのせいで2つ間違えたことがある」


かなり深部まで届く斬撃ダメージのようで、右手を抑えるグラスミラナの胸倉を掴み上げて蘭太は言った。


「まずその限界突破の使い方と持ち主。それは俺達の物だ。そして限界突破は他者を蹂躙するための力じゃない」


怒りを超えた先に新たな能力が開花するということはグラスミラナも知っていたが、新たな能力すなわち限界突破能力の存在理由までは彼も知らなかった。

だが更に強力な真・限界突破(仮称)を発現した蘭太達は情報分野の介入・解析能力も限界突破しているためミラーアーマーの存在も知っているし、限界突破能力の存在理由の確定情報も得ていた。


「怒りに身を任せ力で破壊するんじゃなく、理性を持って何かを守るために使う力。それが限界突破だ。絶対防御の力だ!」


「否!限界突破は全てを凌駕する力!破壊に使わずして何に使う!貴様のそれは宝の持ち腐れである!!」


グラスミラナは蘭太を押しのけ突き飛ばす。この程度ではミラーアーマーは機能する必要もないため発動しなかった。


「人間の理性など在って無いようなもの!本質はただの動物と変わらぬ畜生どもが何をほざく!?何を知ったように語る!!そこまで守る守る言うのならばこれは見過ごせぬはず!」


グラスミラナは手を出して外野の全員を闇で包みだした。全消滅を図っているのだ。

守るために戦っている蘭太にはこの状況を無視することは出来ない。かと言って闇の解除にはグラスミラナへ背を向けねばならないため実質(まと)である。


見捨てるか背を向けるか。この選択を迫られたと思われたが、


「そう、それだよ」


と言って同じように手を伸ばした蘭太によって闇は煙が晴れるように霧散していった。


「!?」


「2つ目。あんたは人間を、他者をナメすぎた…!」


白金色に輝く目から光が伸び、周りの変身能力者を繋ぐ。


「みんな。借りるよ。…全共鳴!」


パチン!としたから捲き上げるように指を鳴らすとグラスミラナの体を旋風が持ち上げた。


「なんだ!?」


「爆裂旋風・毒の地槍!!」


身動きの取れないグラスミラナを業火に包み、紫色に染まった地から伸びた角のような巨大な槍が肩を掠める。

続いて爆発がグラスミラナを襲う。


「あれ…私達の力…!」


「今の蘭太が使うとあんなのになるんだな…」


そのさまを見ていた彼方と剛牙が声を漏らした。

先程蘭太の行った全共鳴とは真・限界突破を利用した効果で、通常自身と同化している相手としか共鳴できないところの範囲を任意に広げて他者にも共鳴することができるというものだ。それによって他者の能力を利用し組み合わせる事も可能である。


「続いて…!隔圧雪鉄・神器の扉!」


今度はかつて厄災級だった5人の能力を合わせる。

隔絶と圧力でガチガチに動きを封じ、そこへ雪に混じった砂鉄が襲いかかり、最後に多数のワームホールから神器が召喚されグラスミラナを削っていった。


「が…ぁっ…!」


拘束が解かれ着地したものの膝をついたグラスミラナは荒い息を吐き続けた。


「ありえん…!人間風情がこのような…!貴様は最早人間ではない!!」


「人間だよ。ただ守りたいもののために戦うだけの人間。自分だけの心を持った…人間だ!」


天に向かって手を伸ばすとデュアルブレイガンがバルディアムに合体して1つになり、手に収まった。


バルディアムの弾丸装填部を引き出し、ベルトのバックルから空の弾丸を取り出して右目にかざすと目から弾丸に光が注がれ弾に中身が作られた。


それを装填するとバルディアムからは「ローディング、ライトオブマインド!」と鳴った。


「お前の敗因を教えてやる。それは心だ!」


引き金を躊躇いなく引き、銃口から極太の光を照射。

不思議とグラスミラナにはその光が神々しく見えた。

その光はグラスミラナを飲み込んだ。


「これが…死か…」


走馬灯のように記憶が駆け抜け…いや。


「これは…俺の記憶じゃ…ない。これはあいつら人間の記憶…?」


この戦場にいた者たちの幼いバージョンの子供達の場面が流れていた。

泣いたり、怒ったり、笑ったり、様々な表情をしていた。


「無邪気な…バカどもめ…ん?」


グラスミラナの視界に次に入ってきたのはその子供達を見守る大人だった。彼らは子供達をそれはそれは愛おしそうに見ていた。

こんな光景、グラスミラナは経験したこともなかった。

だがその先の記憶を見せられていくうちになんとなくからよく分かるようになった。


人間は心や愛で強くなる。無敵にすらなれる。


「そうか…なるほど…」


その時理解した。

自分は人間の心に敗北したのだ、と。


光が収まった時、そこにはグラスミラナの姿は無くなっていた。


「…終わったよ。ひとまず戦いはね」


そういった蘭太は変身と共鳴を解き、ルルと分離した。分離しても2人のては繋がっていた。



どうも、どらっごです。


最終章の大半を占めた長い戦い、ようやく終了です。時間かかったー…。


あ、でももう少し続きますよ〜。


ではでは、また。




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