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厄災(ドラゴン)と人×妖精(ハーフフェアリー)  作者: どらっご
最終章「其の末は破滅か、或いは平和か」
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77・・・「命よ、お前を賭ける」


どういうわけだろうか。

なぜ俺様は押されているのか。

よく分からない。上手く思考が回らない。

俺様が怖気付くわけがない筈だ。なのになんだこの心は。

目の前の焔を纏った男の眼差しに圧倒されているのか俺様は。


「あり得ぬ…!」


「ぶっ飛べゴラァ!!」


防御姿勢をとったグラスミラナは純粋な力任せの拳を腕に受け、内側からの鈍い音を聞いた。


「否ッ!!俺様が貴様のような人間に押されるわけがないッ!!」


分からない。なぜこの男に俺様は…。


「これが人間だ…!怒りだ!魂の炎だァ!!」


「ほざけ!」


グラスミラナは闇を圧縮して球状にして放つが、同じものを作った火鉈に相殺された。


「足りねぇなぁ…!全然足りねぇなァァ!!!」


吠え、両拳を火打ち石のように打ち付けた瞬間グラスミラナの真下から爆炎が吹き上がる。

続いて両手で指を鳴らして着火した炎を銃弾のように放って爆破。

さらに左脚で思い切り地面を踏み割り、足を埋め込んだあと、地中を伝った炎でグラスミラナを飲み込む。


一連の攻撃を行ったあと、まるで剣についた血糊を払うように両腕を振るった火鉈の横には血がピチャッと撒き散らされた。

口からも流れる血を拭き取って火鉈は獰猛に嗤う。


「オラ。行くぜ。人間舐めんなよ」


火鉈は両手に頭ほどの火球を作る。


「あ…これはマズイ」


嫌な予感がしたイクスティクスは火鉈とグラスミラナのみを円で囲うように周りの空間を横にのみ薄く消滅させて一時的に分断した。

その判断は正しく、火鉈の周りの分断されていない地面が溶け、空では雲が蒸発していた。


「まさか、太陽を2つ…?」


「太陽…?そんな生温いもんじゃぁねぇな」


火鉈の持つ炎が青色を過ぎ、白色になった。

そう、火鉈が手のひらサイズに圧縮しているのは。


「生まれたてのお星様をくれてやる!!神なら2つくらい耐えてみせろやァ!!!?」


小さく圧縮された擬似恒星を、投げた。

直撃と同時に核爆弾もびっくりの爆発を起こし、熱量を逃がすために分断されていない上空の雲が消し飛んだ。


ちなみに、一投目である。

凌いだグラスミラナに続いて二投目が来た。


「2度は…食らわん」


グラスミラナはワームホールを作って2つ目の擬似恒星を飲み込み、誰も知らないどこかへ捨てた。その先で爆発しているだろうし巻き込まれた者もいるかもしれないが知ったことではない。


「へえ…?やるねぇ……ガッッ!」


大技を放った火鉈は血を吐いて膝をついた。

全身の筋肉がきしんで悲鳴を上げている。

取り込んだ闇魔龍ヘルヘイムの闇によって筋力と能力のリミッターを無理くり外して力任せに戦ったせいで体が壊れる寸前なのだ。

今の火鉈の状態は化け物となんら変わらず蘭太を苦しめた動物(クリーチャー)級にヒントを得たハイリスクハイリターンな身体超強化だった。


「ここまでか…」


いくら2種類の龍の遺伝子に耐えた体であっても所詮は人間の体。限界は必ずあり、都合の悪いことに人間の体は案外脆く、その限界を迎えるのは想像よりも早い。


『いや…これでいい。 少しでも野郎に傷を負わされたならそれでいい…だがッ!!』


それでも火鉈は倒れない。反撃体勢に入ったグラスミラナを視界に収め、火鉈はよろよろとだが立つ。


「死ぬわけにゃいかねえんだよォォォ!!」


右腕に炎を蓄えたその時、火鉈にイクスティクスが飛び込んで押し倒すように突き飛ばした。その後2人がいたところをグラスミラナの攻撃が掠めていった。


「痛って!?」


「無理をするな人間!死にたいのか!?」


上から覆いかぶさるように膝と両手を地面につけたイクスティクスは火鉈にそう言った。

普段の火鉈なら反抗したかもしれないが如何せん彼は限界であった。


「ああ…そうだな、死にたかねぇな」


火鉈はそう言ったあとくたりと意識を失った。同時に装甲も解ける。


「死んだわけではないが体が限界を通り越している…。くっ…」


ふと痛みを感じてイクスティクスは左腕と足を見るとそこから血が流れていた。


『さっき食らったか…だが今は我くらいしか戦えるものは居らぬ…』


蘭太も火鉈も他の能力者も倒れ、申し訳ないがカルナはサポート役なので戦える物はイクスティクスしかいなかった。


「ああ…クソッ」


火鉈の猛攻を受けたにもかかわらず限界突破で全治させたグラスミラナは苦虫を噛み潰したような顔をしてイクスティクスを睨む。


「たかが人間、そう侮ったのが仇だったな。死ぬかと思ったぜ。もう油断はしねぇ方がいいな」


「もう遅い!」


「遅かねぇよ」


グラスミラナが指を鳴らすと、イクスティクスの腕と足にワームホールが出来、もう一度鳴らしたときにそこから剣が伸びて刺し貫いた。


「ぐあぁっっ!!」


四肢を刺し貫かれ、立位を保てなくなったイクスティクスはその場に倒れた。


「テメェはそこでくたばってろ。邪魔したお前への当てつけとしてカルナが消えるとこを見とけ」


カルナに狙いを定めたグラスミラナは彼女を睨め付ける。


「!?」


「逃げろ!!カルナッッ!!」


「逃げられんよ。やはりまずは無限の創造を司るお前から消した方が良いようだ。故に消えろ」


そして圧縮した闇を直径1メートルほどの球体にしてカルナに放つ。

カルナは回避体勢をとるが残念ながらこの闇は追尾性能を持つ。最早誰にもこの未来を回避する術は持たない。

カルナは消える。

そう思っていたこそ、グラスミラナは闇が解けたときの状況を理解するのに時間を要した。


カルナがいるはずのその場所には蘭太が立っていた。

蘭太は光の粉を散らして透けるようになった左腕を見てぽつり、


「ぎりぎり…か」


と呟いた。

蘭太は自らの浄化の力で一度体に侵入した闇を左腕から体外に排出しようとしたのだが、左腕にのみ残っている状態で闇が炸裂し、その部位を分解されているのだ。


「蘭太…くん…!?どうして…?腕が…」


「腕なんてあんたの命と比べりゃやっすいもんだよ」


「キミ…下手したら死ぬかもしれなかったんだよ!?」


「それが何?死なないように努めてる。その上で命を賭けるんだ。命かけなきゃ守れるものも守れない」


バルディアムを手に取り、蘭太は狙撃銃形態にして構えるがそもそもが完治していないためふらふらしている。


「俺たちは生きるために守る。生きるために戦う。命を賭けて!」


そして発砲。同時に蘭太の左腕が光を散らして消滅した。

バランスが崩れたことで保持できなくなったバルディアムが蘭太の手から滑り落ちた。

同時に腕が消滅したことでできた肩の切断面からどばっと血が出る。

それを浄化で治しながら蘭太は膝をついた。


「まだ…まだ…」


だが立てない。荒い傷口のようで少しでも手を離すとすぐに流血してしまうため腕が使えないためバランスがうまく取れないからだ。


「全くどこまでも邪魔をする…。忌々しい。そろそろ腹が立ってきたな。よろしい、やはり貴様から殺そう」


グラスミラナは闇球を蘭太に向け放つ。これを防ぐ手段はなくはないが行うと肩からまた血が出る。

だが背に腹は代えられない。蘭太は肩からの出血を無視し、防御態勢をとろうとした。


その時体から何か大きなものが抜けていく感覚がして、ソレが闇球を弾いた。


「おい蘭太。患部はしっかり治せよ」


そこにいたのは雷花と混ざった状態のブラッディアンだった。


「なんで…?」


聞かずにはいられなかった。どうして2人が出てきたのか?

だが彼は教えてくれなかった。


「すまん。言ったら絶対反対されるから言えない」


「…は?うッ…」


ちらっと蘭太の肩を見て止血はできたことを確認したうえでブラッディアンは蘭太の腹を殴って気絶させた。


「創造龍、蘭太を頼んだ」


「キミは何をするつもりなの…?」


「俺らの覚悟を奴にぶつける。文字通り魂の一撃を食らわせてやる」


カルナに蘭太を託し、ブラッディアンはグラスミラナと向き合う。


「よう、おひさ。随分自己中加速してるしキレ気味じゃねえか?なんかあったか?」


「さあ?お前のような水神龍の龍人の赤いバージョンの輩など知らんな」


忘れられているかもしれないので再記すると今のブラッディアンの体は蘭太の体のDNAを利用して作った新しい体なので髪や目などが赤いということ以外全く蘭太に酷似した姿なのである。


「白切んなよ~?口調で分かんだろ?」


言い終わるとピストルを作って牽制程度に発砲。


「ああ分かった。とりあえず裏切り者ということがな」


全く動じず()()()()()()()グラスミラナはそう答える。


「今更感凄えけどそれで合ってるわな。俺は変わったのさ、()()()()()()()な」


ピストルを溶かし、2本の剣を作り構える。


「命賭けるバカのせいで大量殺戮兵器を辞めた気分のやつの戦いってどんなのか分かったりするか?…分かんないだろ?なら今からでも考えな。そして()()


2本の剣を擦り鳴らし、ブラッディアンは冥界の神へその刃を振るった。


ダメです()、週一でいっぱいいっぱいです…


どうも、どらっごです。


平日にも書いてはいるんですけどね、「まだ日にちあるやんけhahaha」って思ってたら土曜日ですよ。何でなんですかね…?


うーん、分かんないや!w

では、また!

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